表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/100

(40)効果的

 同じ内容を実行したとしても、効果的に行うのと非効果的に行うのとでは、実行後の出来ばえや結果に大きな差を生じる。要は、その後が快適になるか、そうならないか・という差である。お買い物を母親に頼まれた子供が、買ったお釣りでアイスクリームをせしめよう…という発想が効果的なのか? は、よく分からない。^^

 ようやくきびしい炎天下の陽射しが消えた夏の夕方、ご隠居の恭之介とその息子の恭一が居間で話をしている。しばらく休めていなかったこともあり、恭一にとってはなんとも有り難い夏季休暇だ。せ返るような暑さだが、少し風が出たのか、庭先に吊るされた風鈴がチリ~~ン! となんとも涼やかな音をかなでる。

「さて! ひとっ風呂ぷろ浴びるかっ! あっ! お父さん、いらしたんですかっ…}

「なんだっ! わしが夕涼みをしちゃいかんのかっ!!」

「いや、そんなことは…」

「それよりお前、間違っとるぞっ!」

「なにが、ですっ?」

「なにがも、かにがも、ないっ!! 身体からだは十分、冷やしたのかっ!」

 ダジャレを上手うまいっ! とは思ったが、恭一としてはそんな悠長ゆうちょうに感心している場合ではない。

「いいえ、暑い書斎から出てきたとこですから…」

「だから、それが間違っとると言うんだっ!」

 恭一は恭之介の言う意味が分からず、首をかしげた。

「間違ってますか?」

「ああ、そうだ。身体を冷やしてない状態で風呂に入りゃ、どうなる?」

「いえ、別にどうもなりませんが…。いい気分です」

「馬鹿もんっ!! 身体が熱張っとるんだぞっ! また、汗が噴き出すだろうがっ!!」

「あっ! そういやっ、たぶん…」

「たぶんもぶたもないっ!!」

 ふたたび、上手うまいっ! とは思ったが、恭一としてはそんな悠長に感心している場合ではない。「はあ…」 

「十分、冷やして入る。…これが効果的な風呂の入り方だ。第一、着替えた下着が汗ばまんから助かる。分かったかっ!!」

「は、はいっ! 分かりました…」

 ちっとも分かっていなかったが、恭一は取りあえず逃げの一手を打った。

「前の洗い場で水浴びして十分冷やしてからな。それが効果的だっ!」

「はいっ!」

「分かりゃいいんだ…」

 恭之介はようやく静かになったが、恭之介の最大の誤算は、恭一に説教したばっかりに効果的な夕食前の冷酒を飲みそこねたことだった。^^


 ※ 風景シリーズに登場の湧水家わきみずけのお二人にスピン・オフ出演をしていただきました。^^ 


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ