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(4)暗示(あんじ)

 受験シーズンともなれば、神社仏閣が多くの参詣さんけい客でにぎわう。もちろん、神様や仏様の有り難いご利益りやく頂戴ちょうだいして合格させてもらおう・・という厚かましい意図いとでのお参りだ。参る方は助かりたい一心なのだが、神様や仏様にすれば、そうひまを持て余している訳でもないから、いそがしくなってお弱りのことだろう。

『チェッ! これしきのお賽銭さいせんでアノ大かいっ! あつかましいにもほどがあるっ!』

 とは、お思いにならないだろうが、忙しくなるのはお望みではなかろう。^^ そして、合格を果たせば、浪人しなくて助かった…と、そのご利益を有り難く思う訳である。だがこれは、ご利益というより自己への暗示によるところが大きいのだ。それは信心する心が強ければ強いほど増幅される。

 W杯[ワールド・カップ]たけなわの、とあるサッカー場である。観客席には自国チームを応援しようと、多くのサポーターが詰めかけている。試合は1-1で、このまま終了すれば予選敗退、勝てば勝ち点が上回り、決勝トーナメントへ進出できるという、きわどい剣が峰の一戦だった。

「ダメそうだな…」

「そんなこたぁ、絶対ありませんよっ! きっと勝ちますっ! 今に点が入りますっ!!」

「そうかい? …残りはアディッショナル・タイム6分だよっ!」

「ははは…大丈夫! 6分もありゃ~ぁ! コレがありますっ!」

 かれたサポーターは自信ありげに胸元から特大のお守りを取り出した。

「なんだい、そりゃ!?」

「ははは…こういうものですよっ! お、お頼みいたしますっ!!」

 特大のお守りを取り出したサポーターがお守りを頭上ずじょうかかげたそのときだった。観客のどよめきが一層いっそう、大きくなった。応援チームに貴重な追加点が入ったのだ。

「ねっ!!!」

「ああ!!!」

 暗示は助かる力となる。いや、助かる力となる場合もあるという、そんな曖昧あいまいなお話である。^^


                  完

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