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(31)ゾクッ!

 せ返るような暑さの夏に、身の毛もよつゾクッ! とする怖い話などを聞けば、暑さも多少は遠退き、助かるというものだ。ただ、冬場には余計に寒くなって身体が凍てつくから、おすすめは出来ない。^^

 夏の真っ只中、公民館の一室で暑さをまぎらす納涼講談会が開かれている。主催者は地元の講談同好会で、会員がその練習成果を発表するといった、いわば学習発表会のようなもよおしである。午前の部がひと通り終わり、幕間まくあいの昼食休憩に入っていた。見物の老人二人が出された弁当を食べながら話し合っている。

「いやぁ~、ここの講談会の怪談は、ゾクッ! とさせてくれますから、暑さがやわらいで助かりますなぁ~、ほんとにっ!」

「はいっ! プロ級ですかいのぉ~。私も倍、助かっとるがですっ!」

「と、言われますと?」

「暑さも、ですがのう…」

 話す老人は急に声を小さくした。

「私ね、この幕内弁当で助かりよるんですわ」

「ほう! さよで…」

「ええええ。…まあ、お聞きくださいましな。うちの息子のよめ、なんと申しますか、たいそうひどい嫁でございましてのう。食わしてくれよりましぇん。今日は食えるんかいっ? 明日は食えるんかいっ? てな、ゾクッ! とする日々が続きよります」

「それはまあ、なんともお気の毒な…。それで倍、助かると?」

「ええ、まあ…」

「講談でゾクッ! として、で、食べれてですか?」

「ええ、そげぇ~なりますかいのう」

 二人の話は尽きない。ゾクッ! とする気分は、いろいろと助かるようだ。^^


                  完

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