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(28)運

 助からないことでも、運のよさで助かる・・という場合がある。この運という得体えたいが知れない流れは、コレっ! と明確に示せるような見える存在ではない。たとえば、ほんの些細ささいな対応の違いで相手の印象が変化して助かる・・とかだ。サッカー・W杯[ワールドカップ]の決勝トーナメントへ、二つの国が同じ勝ち点差、同じ得失点差の状態でフェアープレーポイント差[イエローカード{ルール違反警告カード}の差]で出場出来る場合とは違うだろうが…。^^ それでも、ビミョ~~な差で勝ち残れるのは、予選リーグの組み合わせも含めて、運がいいっ! と言わざるを得ないだろう。^^

 サポーター的なサッカーファン二人が飲み屋街で盛り上がっている。

「ははは…おめでとう、乾杯っ!!」

「ああ! 乾杯っ!!」

 自分自身にいいことがあった訳でもないのに、二人のテンションは、すっかり高まっていた。そこへ店のマスターが現れた。

えらく盛り上がってますなっ!? 何かいいことでもあったんで?」

「ははは…マスター! これがいいことじゃなくて、何がいいことなんですっ!?」

 二人のうちの一人が逆にマスターへき返した。

「…と言いますと、何でしょ!?」

 取り分けてサッカーファンでもないマスターには、その訳が分からない。

「いやぁ~! ビミョ~~なところで助かったアレ! ですよっ!」

「助かりましたかっ!? そりゃ、よかった!! で、命に別状は?」

「別状はなかったんですが…」

 サッカーファンはテンションを下げて返した。

「ははは…まあ、今のところ、助かった・・というだけのことなんですがね…」

 もう一人のサッカーファンも酔いが冷めたような顔で返した。

「いやいやっ! 助かることはいいことです。よかった、よかった! ははは…よかった!」

「ははは…」「ははは…」

 二人のテンションはふたたび回復した。

「ははは…それじゃ?」

 マスターは訳が分からないまま二人の席から去った。しばらくして、マスターから祝いの一皿のサービス[もちろん、無料!^^]が置かれた。

 まあ、運とはこんな感じで、わずかな違いで状況を変化させるものなのである。^^


                  完

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