(27)順序
次はそれで、で、その次はそのアレで、で、次の次はアレのコレで…と前もって順序を決めておけば、割合、やり易く助かる。だが、この順序を妨害されれば、その次のアレがアレにならず、あれっ? と首を捻って助からないことになる。^^ 別にダジャレを言っている積もりはないが、事実だから仕方がない。
とある会場でカラクリ大会が開かれている。どういうカラクリかといえば、転がったプラスチックの球が棒に当たると、その棒の先についていた紐が引っ張られて上の板が傾く。板が傾くと、板の上の卵が転がって下のフライパンへと落ちる。途中にはまた穴の開いた板があって、卵はフライパンに落ちる途中で割れて殻だけが板に残り、卵の中身だけがフライパンへ落ちるという寸法だ。フライパンの下のガスコンロは引っ張られた紐の別回路のカラクリで、すでにガスの火が点いて美味しい目玉焼きが出来上がる・・という順序のカラクリだ。カラクリが上手くいけば、製作した田村の腹は満たされる・・という趣向だ。^^ ところが、である。
「おじさん、また引っかかったよっ!」
会場で見ていた一人の子供が田村に声をかけた。カラクリの最初のプラスチック球が上手く転がらず、途中で引っかかって止まるのである。これでは棒に当たる訳がないから棒の先の糸は引っ張られず、板は傾かない。当然、卵は転がらず割れる訳がない。だから、田村は目玉焼きを食べられず、腹も満たされず優勝も出来ない・・ということになる。
「ははは…またかっ!」
田村は苦笑しながらプラスチック球を元の位置へと戻した。やがて、審査が行われ、その結果、田村は優勝出来なかったものの、お笑い賞を受賞し、トロフィーを手にした。まあ、もらえないよりは・・といった程度の賞である。しかし田村にすれば、晴れてトロフィーが手に出来たという予想外の順序の展開に、心は喜びで満たされていた。
順序が違っても、助からないこともない・・という馬鹿げたお話である。^^
完




