(21)気力
あの人、元気がいいねぇ~! と言う場合、言われた人は気力が漲った状態にあると推定される。気力が漲る状態が元気で、萎えた状態が病気と言える。^^ 同じ物事に処す場合でも、気力があるかないかでは自ずと結果が変わってくる。
とある総合体育館で柔道の大会が行われている。世界大会に向け、代表選手を選考する重要な大会だ。そして、ついに大会は最終局面を迎えようとしていた。決勝の猫川四段×虎崎五段の試合が、今まさに始まろうとしていた。双方とも意気盛んで、気力に満ち溢れていた。
会場の一角に設けられたテレビ解説者席である。アナウンサーとゲスト解説者が、いい加減な話をしている。
「どちらが有利なんでしょうか?」
アナウンサーが朴訥に訊ねた。
「えっ!? ああ、まあ、勝つ方なんでしょうが…」
「ははは…それは、まあそうなんですがね」
「しいて言えば、気力が勝った方ということになりますか…」
「双方とも気力は互角のように見えますが…」
「はい。まあそうなんですが、猫と虎ですから、虎ということで…」
アナウンサーは、なんじゃ、そりゃ!! と怒れたが口には出来ず、愛想笑いをした。
「ははは…窮鼠、猫を噛むということもありますよ」
「はあ、そう言いますね。鼠は助かります。ですと、この場合、窮猫、虎を噛む・・ですから猫が助かるんですか? ははは…」
後ろで馬鹿馬鹿しい二人の遣り取りを聞かされていた観客は、観る気力が失せ、助かるかっ! と怒れて席を立った。
メンタル[心理的]に影響する気力は、フィジカル[身体的]な肉体を超え、助かる力を与える訳だ。^^
完




