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(17)鬱陶(うっとう)しい

 これといって、はっきり感じる心の悪さやいやさではない雰囲気や状況を鬱陶うっとうしいと人は言う。この鬱陶しさがない雰囲気や状況を人は生活で求めている。快適さ・・である。湿度が高くジメジメと降る梅雨つゆは鬱陶しく、晴れ間が広がり、快適な風がそよぐ気候が快適なのは誰しもだろう。蝸牛かたつむりさんや蛞蝓んーなめくじさんなどは別だろうが…。^^

 とある下町の大衆食堂である。今日も近くの工場の連中でごった返している。

「へいっ、上がったよっ! 木の芽丼!」

 店奥の厨房ちゅうぼうから店主の威勢のよいかけ声が響く。

「はぁ~~~いっ!」

 若い女子店員がバタバタ…と早足で取りに急ぐ。

「ふふふ…可愛いんだがなっ! どうも小忙こぜわしいのが鬱陶しい」

「ああ…」

 二人の若い工員がニタついて悪口をたたく。そこへ工場の班長が仏頂面で店へ現れた。むろん、昼時だからだ。

「おいっ! さらに鬱陶しいのが…」

「んっ? …だなっ!」

 二人の若い工員は身を小さくして押し黙った。その理由は、この班長が鬼班長と呼ばれ、工員達に恐れられていたからだった。店の中は一瞬にしてお通夜になった。そこへ神仏の助けか、鬱陶しさを消す陽気で明るい人物が現れた。万年課長代理である。

「ははは…今日も込んでるなっ! なにより、なにより…」

 万年課長代理は訳の分からないことを言いながら店億の席へ進んだ。店内は万年課長代理の登場に鬱陶しさが消え、後光が射したかのようにふたたびにぎやかになった。

「有り難いっ!!」「助かるっ!!」

 若い工員二人は、思わず万年課長代理の後ろ姿に合掌がっしょうした。

 鬱陶しい雰囲気や状況は、逆効果で解消できる・・という単純明快なお話である。^^


                  完

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