(16)心構(こころがま)え
何事をするにも心構えがあるかないかでは、その後の結果に大きな差異を生じる。ああして、こうして…と前もって考えるだけではなく、もしホニャララになった場合は…と、上手くいかなかったときの傾向と対策を心構えとして考える訳だ。まあ、受験を控えた学生さんなら、よくお分かりだろう。^^
とある繁華街のとある牛丼チェーン店へ、一人の男が買い物に行こうとしていた。男はすでに用意周到な心構えで店へ向かう積もりでいた。男は持ち帰り用のすき焼き弁当を買おうとしていたのである。男の心構えとは、次のようなものである。
[1]店は10:30開店だが、今の時間は11:20だから何の問題もない。
[2]雨が降っていないから、自転車でOK!{雨なら車だが…}
[3]で、すき焼き弁当+とん汁+おしんこセット=中盛り=¥650 だから、¥650×1.08{消費税}=¥702 だから、小銭も含めてつり銭なしにしておく。
などというものだった。
「…はいっ! すき焼き弁当・とん汁・おしんこセットの中盛りですね? おかけになって、しばらくお待ち下さいっ!^^」
店員の言葉で、男は、よしよし! っと順調な進行にしたり顔で椅子へ座った。しばらくして、店員が声をかけた。
「お待たせしましたっ! ¥702ですっ!^^」
男は、ふたたび、よしよしっ! とニヤけ、したり顔になった。計算どおりの金額を準備していたからである。支払いを終え、すき焼き弁当の入った袋を手に、男はルンルン気分で家へ向かった。ところが、である。男は重要な心構えを見落としていた。自転車の運転で袋が揺れて蓋が開き、中身が零れることを予想していなかったのである。結果、男は雑然とした袋の中のすき焼き弁当を食べる破目になってしまった。それでも男は、まあ、いいか。買えたし、味は変わらんからな…と、その雑然と乱れたすき焼き弁当を完食した。
心構え通りにならず失敗したとしても、思いようによっては助かる訳だ。^^
完




