(100)都合(つごう)
物事をしようとするとき、人は都合がいいとか悪いとか言って、直接の事情を暈せるから助かる。言われる側からすれば、なぜ都合がいいのか悪いのか? が分からない訳だ。そこが、言う側の味噌である。^^
とある町役場の職員、玉袋は、惚の字の女子職員、子袋にコンサートチケットを手渡そうと機会を窺っていたが、ついにそのときがやってきた。
「あのぉ~~子袋さん…」
「はい! 何か?」
「実は、カクカクシカジカなんです…」
「それで私に?」
「はい! よかったら、ご一緒にいかがでしょう?」
「ああ、この日…。この日はちょっと都合が…」
言われた子袋は、内心、ドキッ! としながら、顔では冷静を装い、玉袋に返した。実は、同じコンサートチケットを別の男子職員、雁首からすでに貰っていたからである。そうとは知らない玉袋は、少しテンションを下げた。振られた…と瞬間、思えたからだ。
「ごめんなさいっ!」
「いや、いいんです…」
片や、コンサートチケットを子袋に手渡した雁首だったが、その雁首に惚の字の女性職員、舐川が声をかけた。
「あのぉ~~雁首さん…」
「はい! 何でしょ?」
「実は、シカジカカクカクなんです…」
「それで私に?」
「はい! よかったら、ご一緒にいかがでしょう?」
「すみません! 生憎、この日は都合が…」
言われた雁首は、内心、ドキッ! としながら、顔では冷静を装い、舐川に返した。同じコンサートチケットを子袋に手渡していたからである。そうとは知らない舐川は、少しテンションを下げた。振られた…と瞬間、思えたからだ。
「ごめんなさいっ!」
「いや、いいんです…」
偶然とは重なるものである。テンションを落とした舐川と、同じくテンションを落とした玉袋がバッタリと出会い、これまたどういう訳か意気投合した。そうなれば当然、コンサートへ一緒に行くことになる。
そして、コンサートの当日が巡ってきた。その会場で、こともあろうに、雁首に同伴された子袋は、舐川を同伴した玉袋と出会ってしまったのである。
ここで問題です。みなさんは、この二つのカップルのその後がどうなったとお考えでしょう!? ^^
正解を言えば都合が悪いので、四人が助かるよう、伏せることに致しました。正解は次の三つの中にあります。さて、どれでしょう? ^^
[1]そ知らぬ顔で、来たカップルのままコンサートを観た。
[2]苦笑しながらカップルを変り、コンサートを観た。
[3]気まずくなり、双方、コンサートを観ないまま、会場を後にした。
完




