第一章 新天地 第1話 醜い人達の中で
木の根を枕に寝ていた。
右足がチクチクしてくすぐったい。左足を使ってチクチクしたところをかいた。
「ドッカ~ン。」
遠くで何か音が聞こえたが気にせずに寝る。今度は左の腕がチクチクする、右手で左手を軽く叩く。
「キャイン」
なんか近くで音がしたがそれも気にしない。暫くするとほっぺたがチクチクしだした。
「臭!!」
と言ってそこから跳ね起きた。
「キャイ~ン。」
と何かが遠くに飛んで行くのが見えた。
顔に手を当ててみるとベトベトした液体が着いた。
「なんじゃこりゃ」
と臭いを嗅いでみた。
「臭い。これが臭いのか。」
ふと周りを見ると、狼が3匹僕の行動を伺っている。これはヤバイどうにかしないといけないぞと考えていると、そんな時、遠くに人影が4人見えたので、真剣に手を振って助けを求めた。
「お~い!助けてくれ~。」
叫んでいると、1人が気づいてくれたようで4人組がこっちに走りだした。
「ふう。助かった。」
と安堵した時に4人組の1人が大声で叫んできた。
「¥&、§¶‡#♭♯¶*%%◯¥&§*‡♭♯¶。」
(ん~。言葉がわからんぞ。マジか~。)
神様のミスである。言葉を理解出来るようにしてくれていなかったのだ。
(ん~。どうしよう?)
そうこうしている間に、皮の鎧を着こんだ3人とローブを着た1人が到着した。何か違和感がある、頭に表示があるのだ。
全ての人、狼に ??.? となっている。
(なんだろう?)
疑問に思っていると直ぐに狼との戦闘が始まった。
僕は、言葉が通じないのを考えつつも、こっちに来ての初めての戦闘に心踊っていた。
「♭♯#!」
(なんだ、なんだ、)
3人が各自、狼一匹づつに付き戦闘を開始している。
僕とローブの人に狼が行かないようにしているのがよくわかる。
(でも基本は一匹を3人で囲んで一匹づつ片付けるのではないのだろうか?)
などと考えていると、ローブの人が魔法を発動し、火の玉が3匹に向かって飛んで行ったのだ。
(お~。魔法だ~。僕の不動明王火炎呪と似ているのかなあ?)
3匹に見事命中し、狼は倒された。
その直後ローブの人の上に出ていた「??.?」がなくなった。
(あれ?無くなったぞ!)
倒し終わって、皮の鎧を着た1人が声をかけてくる。
「#‡、§*¥¶♭%?」
(何言ってるかやっぱりわからないや!)
「‡♯§%、&%‡♯¥¶♭#¥*¶&?」
と笑っているのがわかる。
(言葉通じなくても挨拶ぐらいしとかないとな)
「助けて頂き、ありがとうございました。」
「???」
4人組が集まって相談を始めた。
話終わった4人組の中の1人が近づいてくるなり僕の腹を蹴りあげてくる。
「♭#¥*¶&♯‡%§%。♭#¥♯‡%*¥¶§&%‡♯#¥*。」
といい、腹と顔を蹴る。もう1人ニヤニヤしながらやってきた。
マップ&サーチにまた1人黒色に変わった。
「♯#¥§&%‡#¥♭¶§。#¥♭¶。」
と言いながら背中から蹴りを入れてくる。
(神様来てください。)
反応がない。
(ジョアン来て下さい。)
名前で呼んだ途端に時が止まりジョアンが現れた。
「どうした、少年よ。さっき会ったばかりだろうに。」
「どうしたじゃないですよ。言葉が判らなくて虐められてるんですけど。」
周りを見回し内容を察するジョアンだった。
「すまん、すまん。バタバタしてたから忘れておったわ。ん~。もう大丈夫判るようになったぞ。」
「そ、そうですか。こんなに簡単に出来るのに忘れないで下さいよ。しかも少年って僕は23歳ですよ。身長だって183㎝あるって???、ジョアンさんそんなに高くないよね。なんで僕の方が低いんだ???」
ジョアンが横を向きながら知らないよって顔をしている。
「ジョアンさん、ジョアンさん、・・・」
何も聞こえてないぞオーラを出している。
「ジョアン!しっかり聞かんかい!」
ジョアンの顔を両手で持ち真正面に向けて問い質す。
「いやね。最初に見た時に俺よりカッコいいくせに身長まで高いからな、・・・なんか意地悪したくてさ~あ。身長、150㎝に戻しちゃった!テヘッ。」
オッサンが頭に手を当てて可愛い子ぶっている。
「おい、おい、ジョアンどういう事。何してるんですか。」
「ステータス見た時に気付いたかと思ったんだけど君抜けてるなあ。年齢が15歳になってただろう。見てみろよ。」
ステータスを開いてみると、確かに年齢が15歳になっている。
「身長を戻したら年齢がその時のものになっちゃった。テヘッ」
「テヘッ!ニコ!じゃないってえの。神様がそんな事していいのかよ。」
「当然いいに決まってるでしょ。ここは僕の世界なんだから。それに君は特別だよ。」
と威張って言ってくる。
「おい、ジョアンそれって真面目に言ってるんですか?もしかしてあの態度の悪い連中はジョアンが仕向けてるのかい?」
「さすがに、子供等から自由を奪うつもりはないよ。自分の意思で成長を遂げて欲しいからね!」
「そうかじゃあいいや、僕に対してやっちゃったものは仕方ないしな。」
楽観的な僕を見てジョアンが口を鋏んでくる。
「このままでいいのか?戻す事も出来るんだぞ!」
「なんで戻す必要があるんですか?若返ってしかも知識は今まで蓄えたもの全て持ってるんですよ。至れり尽くせりじゃないでさすか。」
「ブー。ギャハハハ!シリュウちゃん面白いわ。『戻せって』言われると思ったから呼べるようにしてたんだからなあ。ヒッ、ヒッ、ヒッ、笑いが止まらないわ!気に入ったシリュウちゃん僕と友達って事にしておこう。いつでも呼んでいいぞ!暇な時は来てやるからさ。じゃあもう今回はもういいのかな?」
「ジョアン、頼みがあるんだけど、時間って戻す事ってできるかい?」
「まあ、出来ない事もないが戻してどうするんだ?」
「この人達が何を考えて、どうしてこんな酷い事が出来るのか知りたいんですよ。」
「ん~。知っても変わらないと思うけど、シリュウちゃんが嫌な思いをするだけだと思うぞ!」
「僕の精神的な事は問題ないです。そんなに柔じゃないんでね!ただ人の心を知りたいんですよ!」
「変わってるなあ。じゃあ見易くするためのヒントを2つ、1つ目はマップ&サーチを使うと色でその人の感情が判るからどんな想いで話してるか判りやすいと思うぞ!後もう1つは簡単な質問は意識内で問いかけると答えてくれるぞ試してみるといいよ!」
「判ったよジョアン。じゃあ宜しく頼みます。」
「じゃあ戻すぞ。頑張れよシリュウちゃん。」
と言うと時が戻っていく。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
4人組がこっちに走りだした処まで戻ったようだ。
ジョアンに言われた通りに魔法を試して見る。
「マップ&サーチ」
4人組の状態を調べてみた、4人共に灰色の逆三角すいがクルクル回っている。狼は赤色の逆三角すいがクルクル回っているのを確認した。
「小僧、今直ぐに行くもう少し我慢しろ。」
(カッコいい事いってたんやなあ。)
頭に変なのが着いている。
皮の鎧を着た人が Lv.8、 Lv.7、 Lv.7、ローブの人がLv.9となっている。狼の頭にも Lv.3 とあった。
(なんだ、表示の内容ってレベルだったのか。でっ僕はと・・・Lv.1 あっやっぱりね、はぁ。)
Lv.1で落胆しているが、ジョアンに100倍化してもらっていることを忘れている抜けている僕であった。
そうこうしていると戦闘が始まろうとしていた、まあ結果はわかってるんだが。
「いくぞ!」
(なるほど、こう言ってたのね。)
3人が各自、狼一匹づつに付き戦闘を開始している。
僕とローブの人に狼が行かないようにしているのがよくわかる。
(なるほど、狼のレベルが低かったから各1人で別れて攻撃したのか。納得だなあ。攻略しかたもレベルを見て出来るわけか。)
ジョアンに言われた事を試してみることにした。自分の意識に問いかける。
(レベルってずっとこのまま頭の上にでてるの?)
『回答・・・レベルは初期時に強い敵と当たって命を落とさない
為の措置であるためです。レベルが10になると自動的に消えますし。基本的には自由なので隠す事も出す事も出来ます。パーティーを組むのに同じレベルを見つけるのに適しています。』
(キタ~。いいね~。便利だね~。ジョアン様々だね~。)
満足して観察を続ける。
などと考えていると、ローブの人が魔法を発動し、火の玉が3匹に向かって飛んで行ったのだ。
3匹に見事命中し、狼は倒された。
その直後ローブの人の上に出ていた『Lv.9』がなくなった。
(あっ、ローブの人『Lv.10』に達したんだな!。判る、判るぞ~。)
倒し終わって、皮の鎧を着た1人が声をかけてくる。
「小僧、無事だったか?」
(心配してくれてたんだ。優しいじゃないか。)
とローブを着た魔法使いが自己紹介を始めた。
(あれ、ちょっと違うぞ。まあいいか。)
「俺は魔法使いでリーダーの『サン』だ。こっちの髭の濃い泥棒みたいな顔をしている奴が、『セイジ』だ。このヒョロっとしてるのが、『シュン』だ。最後にこのチビが『クロイ』だ。でお前はなんて名前なんだ?」
セイジ 「どうした、ビビって声もでないか?」
と大笑いしている。
(なるほど笑うわけだな。言葉が判らないだけだったんだがな。)
(ここで、挨拶をしたんだったな)
言葉は判るが日本語でしなければ意味がないからな。
「助けて頂き、ありがとうございました。」
「???」
(そうそう、ここで『何を喋ってるんだこいつ。』みたいに見られて顔つきが変わったんだよな!おっ相談始めるんだったな、前回は聞いても判らないから聞かなかったけど今回はしっかり聞かなきゃな!)
すると、4人組が集まって相談を始めた。
セイジ 「おい、あいつ言葉喋れないぜ。」
サン 「もしかして、亜人か?」
セイジ 「そんなのどうだっていいさ」
クロイ 「言い換えたら喋れないって事は、誰もこいつがどういう素性なのか判らないって事だよな。」
セイジ 「ある程度怪我させて、魔物に襲われてたとこを助けたって事にしてさ。」
マップ&サーチの色がセイジが灰色から黒色に変化していった。
(なるほど、悪どい事を考えると黒色に変化するんだ。あっ又1人黒色に変化していくぞ。)
クロイ 「こいつを奴隷商人に売ったらいい金になるんじゃないか?」
セイジ 「いいねえ、じゃあやるか!」
と悪い笑みを浮かべた。
(こいつら腐ってやがる。喋れないってだけで対応が変わるものなのか?」
話終わった4人組の中からセイジが近づいてくるなり、僕の腹を蹴りあげてくる。
セイジ 「喋れないお前が悪いんだ。魔物に殺られたようになって貰うぜ。」
といい、腹と顔を蹴る。
もう1人ニヤニヤしながらやってきたクロイだ。
マップ&サーチで、黒色に変わったのはクロイだった。
クロイ 「1人じゃ時間かかるだろう。手伝うぜ。」
と言いながら背中から蹴りを入れてくる。
(何故、平然とこんなことが出来る!同じように喋れない人がいれば奴隷商人に売ると言うんだろうか?酷すぎる。)
僕はメラメラと怒りの炎が燃えるのを覚えた。
耐えていると、どれだけ蹴りを入れても傷一つ付けれないのに業を煮やし遂に、剣を抜いてきたのである。
セイジ 「なんて耐久力だよ。仕方ねえ、手の一本でも落として治療して連れてきたことにするか?」
(さすがに手を切られるのは問題があるなあ。反撃するか?)
と考えていると。
サン 「もう気が済んだだろ、そこまでする必要なんてないだろ。治療したからどこも悪くないって事にすればいいじゃないか!」
とローブを着た魔法使いのリーダー、サンが止めてくれた。
マップ&サーチには灰色のままだった。
(あまり荷担したくないって事なんだろうなあ。丸投げタイプかこれはこれで、考えもんだなあ。)
セイジ 「まあいいか。縛っておけよクロイ。」
と言われしぶしぶクロイが縛りにきた。僕は筋肉を緊張させて縛りに緩みが出来るように工夫しておいた。こんな事は近代格闘技を全て理解している僕にとっては容易いものであった。
夜になり4人が焚き火をしながら狼の肉を焼いている。夕飯は狼の肉のようだ。
4人で夕飯を食べているようだ。
そこから、リーダーのサンが自分の肉と水を持って僕の側にやって来るのが見えた。
セイジ 「サンそんな奴に飯なんて食わす必要ないぜ。ほっとけって。そいつに食わすくらいなら俺が貰ってやるぜ!」
と相変わらず最悪の事を言っている。
サン 「馬鹿言うな。俺の飯なんだお前にとやかく言われる事じやないだろ!黙ってろよ!」
僕の処まできてセイジに言う。
サン 「すまんな。4人で決めた事だからこうするしかないんだ!飯ぐらいなら俺の分をやれるから食べさせてやるぞ!言葉は判らないだろうが食べれるだろ!」
と言いながら僕の口の前に狼の肉を運んでくれた。サンのこの優しさに感動して涙が自然にでた。
(これが、人間だよな。サンみたいな人ばかりならいいのに、『マップ&サーチ』)
サンの逆三角すいの色が白色に近くなっているのが見えた。
(なるほどね。白色になるんだ。みんな白色ならいいのになあ。)
肉を食べ終わらせて、水を飲ませた後にサンが申し訳なさそうに言う。
サン 「明日は町に連れて行って奴隷商人に渡すことになる。だからここから逃げろ!」
と僕の手に小さな刃物を渡してくれた。
(なんていい奴なんだ。まあ貰わなくても逃げれたんだけどな。)
そして、サンは焚き火の処に戻って行ったのだ。
それと行き違いでクロイが僕の方にやって来るのが見えた。
(この刃物はヤバイんじゃないか?どうする、よし決めた。)
僕は手首だけで力一杯刃物を遠くに投げた。
『ぎぃ~。バタン、バタン、』
投げた方向の木が次々に倒れているのである。
(何~~。なんで刃物を投げただけで木が倒れて行くんだよ!)
焚き火をしている3人と僕の近くまで来ていたクロイが驚いて集まる。魔物が攻めて来たのだと勘違いして臨戦体制に入った。僕の事なんて全く無視しているのだ。サンだけはこっちをチラチラと見ているがまあ何もできない!
緊張感の中、何も居ない事を確認し焚き火の周りに集まる。
サン 「何だったんだ。木が何もしないで倒れるなんておかしいだろ。」
セイジ 「まさかあの小僧が何かしたとか?」
シュン 「ナイナイ、縛られた奴が何出来るってんだよ。ギャハハハ。」
クロイ 「だよなあ。ギャハハハ。」
とクロイが僕の方にやって来た。隣まで来てニヤリと笑う。
クロイ 「おい、みんな来てくれこいつの横に刃物が落ちているぞ。」
と自分が持っていた刃物を拾うように見せみんなに見せつけた。サンは自分が渡した物が見つかったのだと思っていた。
クロイ 「さっき、サンお前ここに来てたよな!逃がすつもりだったのか。裏切ったな!」
と叫んだのだ。サンは刃物を見て自分が渡したのと違う事を確認していう。
サン 「俺がそんな事をする必要がないだろう。」
セイジ 「判らないぞ。その小僧に飯を食わせたりしてたからなあ。情がわいたのかも知れないしな!」
と言いながら、悪い笑みを浮かべる。
(コイツらグルか。)
セイジとクロイは有無を言わせずサンに詰め寄る。それをシュン
が止めようとした。だがレベルの高いセイジがいるので抑える事も出来ないのであった。
サンは魔法使いなので腕力は全く無かった。レベルが高くても呪文には時間がかかるから対応が出来ないのだ。
サン 「仲間だろ、俺を信じろよ。」
クロイ 「この、刃物はどういう事なんだよ。」
と訊ねてきたので自分のではないと言い切った。すると
セイジ 「俺はサンが持っていたのを見たことがあるぞ!」
セイジの言葉で自分を填めるための口実だとサンは悟った。
セイジとクロイはサンをボコボコにし始めた。
シュンは止める事も出来ずにあたふたしている。
サンを縛り僕の横に並べて座らせた。
クロイ 「お前が前から嫌いだったんだよ。セイジにお前が別の奴を入れてセイジを外そうとしているって嘘を教えたら今回の事を実行することになったんだ。ギャハハハ、いい座間だな。」
(最悪な男だなあ、なんで好い人がやられるんだろうか?間違ってるよなあ。)
そして、焚き火の前に3人が集まり夜が更けて行く。
3人が寝静まった頃にサンが口を開く。
「小僧、もしかしたらお前はついでだったのかも知れない。すまなかったなあ。」
「いいえ、そんな事無いですよ。」
僕がサンに話を返すとサンは驚いている。話なんて出来る筈がないと思っていたからだ。
「お前、喋れるのか?何故今頃話をするんだ?最初から話せば何もされずに済んだのに!」
「アハハ、ちょっと確認したかったんでね。」
「???、何を確認すると言うのだ?初めて会った人間だろうに?」
「まあいいじゃないですか。それよりサンの優しさがすごく嬉しくって涙流しちゃいましたよ。それから、ここから2人で逃げませんか?」
「逃げるってどうやって逃げるんだい?僕の魔法は杖がないと出せないし!」
「こうするんですよ。」
と僕は筋肉の張りを緩めて縄抜けを行ってみせた。
「ねっ簡単でしょ。」
「なっ!なんだと~。」
「し~。騒がないで下さいよ。折角寝るのを待ったんですから。」
「あっすまん。ちょっとびっくりしてしまってな。縄脱け出来るならさっさと逃げればよかったじゃないか。」
「まあ最もなご意見ですねえ。さっきも言いましたが見たかったんです。」
と喋りながらサンの綱をほどいていく。
「さあ、もうここに居る必要も無くなったんで逃げ出しましょうか」
とニコニコしながらサンに言うと、
「コイツら2人許せんのだが、魔法でぶっ飛ばしていっていいか?」
「わざわざこんな連中殺す事ないでしょ。サンの価値が下がっちゃいますよ。さあ逃げましょう。」
こくと頷くサンを連れて走りだした。
とふと気付いた。僕が先導しても意味がないのだ。
「サンごめん、僕地理が判らないわ!」
「プゥ。なんだよ・・・おっと小僧名前聞いてなかったな!名前聞いてもいいかな?」
「初めまして、僕はシリュウ。異界から来た者です。」
「ふうん。で異界ってなんだ?聞いたことのない地名だなあ。」
(なんだ、異界って知らない人が多いのか!次からは聞かれても言わないでおこうかな。恥ずかしいしね。)
「まあいいでしょ!では逃げる方向を示して下さいね!」
(マップ&サーチを使えばどうということないのだけどね。)
「じゃあ行こうかシリュウ。」
こうして神様以外で初めての友達が出来たのであった。