第5話 アホは伝染するらしい
こんにちは!こんばんは!村正です!(* ̄∇ ̄)ノ
何とか書き上げましたが、もうどう話が進んでいるのやらw
少しでも面白いと思って頂けたら幸いです!
シーナと別れ、今俺とアウトレアは戦場にいた。
辺りには剣の打ち合う音に女や男共の怒声、斬り裂かれる音に悲鳴などが響く、正に地獄のような光景が広がってる。
「劣勢か...」
ここから見ても分かる通り装備は未だこちらが良質なものを身に纏っているが、力で負け前線は徐々に村へと向かって来ている。
その中で一際目立っている二人がいた。
この村に入ったとき出迎えてくれた身長の半分以上もある長剣を振るう老人と、遠目からでも分かるほどに鍛え上げられた上半身を露出させ棍棒を振るう男だ。
その回りには敵味方居らず一騎討ちの状態で猛烈な戦いを繰り広げていた。
「アウトレア、一緒に戦うか?」
「嫌よ!そもそも私よりも弱い貴方がこんなところで戦ったって...って聞けっ!」
話が長くなりそうだったので無視して進む。
良い敵が居ないかと辺りを見回しながら歩いていると一人の男がこちらに向かって走ってきた。
手にはメイスのような棍棒を持ちこちらに向かって振りかぶっている。
「先ずは肩慣らしに....」
腰にぶら下げた聖剣?を抜く。
その間に敵が間合いに入る。
敵は雄叫びを上げながら棍棒を振るって来る。
「うぉおおおおおお!!!」
その形相は殺すことへの快感を覚えているようであり必死さも見受けられた。
動きは単純で遅く見えるが俺の体もまた動くのが遅く、避けられると思っていたが思いの外ギリギリで思わず棍棒を剣身で払ってしまう。
「うおっ!」
ガギンッ
ステータスで負けているためか反動が酷く手が痺れる。
「いっつぅ~」
剣身にダメージがないかちらりと見るが頑丈なようで傷一つない。
聖剣は伊達では無いようだ。強くはないが!
「うぁありゃああああ!!」
続けざまに棍棒を振るってくる。
横薙ぎに振るわれたそれを今度は身を低くすることで躱す。
こん棒が通りすぎる音と共に下から斜めに剣を振るう。
この一閃で腕を斬り剣を掲げるほどに持っていけばそこから戻すようにして剣を振るう。
この二振りで敵を斬り裂く。
「がはぁっ!!」
腕が宙を舞い、男が倒れると同時に落ちてくる。
ドサッという音ともに俺は剣を払い付いた血を払う。
「この体不便だなぁ~。」
ステータスの違いのせいか斬るときに少し抵抗がある。
「何で魔王がそんなに戦い慣れてるのよ...」
アウトレアが近くに来てそう言う。
別に魔王だからって戦わない訳じゃないっちゅうに。
「そら、次の敵さんも来たぜ」
「死んでも知らないですよ。」
アウトレアさんの声援を受け俺は戦場へと更に進む。
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どれだけ斬っただろうか、レベルアップのファンファーレが沢山鳴っていたな。
回りには敵は居らず斬った死体と遠くには劣勢と感じたのか逃げる者達が見える。
案外やれば出来るもんだ。
暖かい感覚が俺を包む。
徐々に身体中に付いた傷が塞がっていく。
「サンキュー、アウトレア」
アウトレアのヒールだ。
「無理しすぎです。あの娘が言っていたことは実に的を射ていますね。」
ムスッとした顔で言わないでください...あと誰がアホだ!アホって言うやつがアホなんだぞ!声には出さないが!
アウトレアがこちらを向きハァ~と溜め息をつく。
なんか虚しくなってきた...
今俺達の目の前には男二人が戦っている。
剣と棍棒が激しく打ち合わさったり空ぶる音が何度も聞こえてくる。
「ステータス的にあれは相手したくないな。」
「今の貴方が真っ正面から戦えば死にますね。」
とてもクールに言われた。事実だけども!
そのときふと後ろから走って来る音が聞こえる。
「覚悟...決めたか。」
後ろを見れば小さな弓を抱えてこちらに走るシーナの姿があった。
「アホは..移るのね...」
「酷くない!?」
アウトレアの顔は心底嫌そうで、少し距離をとられた...俺は病原菌か何かかっ!!
少し傷ついているとシーナがこちらにたどり着く。
「私..後悔したくないです。戦わずに、後悔はしたくないです!」
その目は幼くも覚悟に満ち溢れ、先程とは打って変わり良い表情をしていた。
「うん、良い顔だ。」
「.......」
そう言うと無言で後退られた。
もう何も言うまい。
隣には犯罪者を見るような目で見てくる女神の姿が....
前言撤回!そういう意味じゃないからね!?
「それだけ元気があれば十分だな。戦えるな?」
「はい!」
誤魔化すために言ったは良いものの、どうしよう、良い敵がいない。
うん、よしこれは
「シーナ、アイツしか敵いないけどあれでいいな?」
俺が指差した方向には今だ一騎討ちを続ける二人の男だ。
メイスが降り下ろされ地面が陥没する。
剣が振られ勢いだけで土を抉る。
「あれは...私の母と父を殺した者です!」
おぉ、一番のボスでしたか。見た目的にそうだしね。
それに願ったり叶ったりだ!
「ユウヤ、戦うの?」
「ん?あぁ、戦うしかないだろ?」
しかしどうしようか、あそこに介入できそうにないし...
女神の哀れみの目は今は置いておこう。置いておこうといったら置いておくのだ!
戦うなら先ずは宣戦布告だな。
俺は被害が及ばない程度の距離から声をかける。
「あの~!」
戦闘の音で声が掻き消される。
くそう、大声だすのは苦手なのにな。仕方ねぇ。
「あのうっ!!!」
大声を出すと喉が痛くなるな。
まぁ、その甲斐があってか声をかけられる。
「坊主!死にたくなけりゃ下がってろ!!」
「雑魚と男には興味ねぇっ!!」
ヤバイ話が通じない...
ハァ、これだから戦闘狂は。
「ウルドさん!」
無理だと思い断念しようかと考えていると少し後ろからシーナの声が聞こえてくる。
確か村長の名前だったかな?
「私は仇を討ちたい!もう、逃げたくありません!!私にも、戦わせてください!」
シーナの叫び辺り響く。
でかい声だせんだなぁ~
暫くするとウルドさんは剣で棍棒を弾き後ろに下がる。
「.....当てれるか?」
この言葉にシーナは思いっきり頷き弓を構える。
すぐにウルドさんは前に出て戦いを始める。
先程とは違い明らかに隙を作ることだけを考えた戦い方だな。
シーナはその隙を見逃さず矢を放つ。
その矢は真っ直ぐに飛び、刺さらなくとも傷を敵に付けていく。
「あいつぁ~、ッチ、しゃらくせえっ!!」
流石に無視できなかったのか、腰にかけられていたナイフをシーナに向け投げる。
それは一直線に飛び
「きゃあっ!」
ガキンッ
戦闘に入れなかった俺の剣に止められる。
「余所見するな。脚の間接を狙え」
それだけ言うと俺は前に、射線に入らないように出て護衛を続ける。
何本かの矢が弾かれたあと初めて一本が右足に深く突き刺さった。
「ぐあっ!」
「よくやった!あとは任せろ!」
敵がバランスを崩す。それが例え少しであったとしても戦いにおいては致命傷になる。
その隙を見逃さずウルドさんが攻撃するが、甘いな。
「うぉおああああありゃぁあああ!!」
崩れた体勢を使い剣を避ける。
ウルドさんは決める気で居たために直ぐに返すことができない。
形勢が逆転し大きな隙をウルドさんはつくることとなる。
「くっ!」
「邪魔だっ!!」
晒された腹に棍棒がめり込む。
着けていた防具のひしゃげる音と肉と骨が潰れる音が響き渡る。
「がっはっ!」
俺はそれを間近で見ていた。
戦いの内で一番防御が疎かになるのは攻撃時だ。
ウルドさんには悪いが利用させて頂いた。こちとら命懸けだしね。
まぁ多分ウルドさんも了承してくれただろう、目が合ったし。
俺は直ぐに懐に潜り込む。
俺の今のステータスじゃ一発でも食らえば即退場だ。
繋げるためにもやらなきゃいけない。
先ずは足だ。アキレス腱、太股の肉を撫でるようにして斬っていく。
次に横腹、脇下をそして腕の筋肉を断っていく。
「糞がっ!!」
奴の意地の攻撃で俺は吹き飛ばされる。
「ぐっ!」
だが俺の攻撃で奴はもう体を動かせない。
吹き飛ばされた時にシーナへ目線を送る。
覚悟を決めたのか先程とは違い魔法を展開し始める。
そこで俺の意識は途絶えた。
《ピコン》勇者の証を手に入れました。
称号、勇者(卵)が勇者に変わります。
ステータスに神の加護が掛かります。
.......
.......
.......
《神の加護が解除されました》
《エラーが発生しました》
原因:邪神の加護、邪神の慈悲etc.
最後まで読んで頂き有り難う御座います。
主人公弱いんじゃないのって?ステータスは弱く設定してるんですけどねwまぁ主人公は色々あり実戦経験は豊富なのでそのお陰だと思って頂ければw
戦闘シーンは難しいですねw少しでも御教授頂ければ嬉しいです。
誤字脱字があれば報告していただければ直ぐに直します(_ _)
これからも応援宜しくお願い致します!