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最弱勇者は最強魔王  作者: 村正/正宗
第一章 勇者になる
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序章

いやぁ、遂にしてしまった..

趣味で書いていきますw初心者が書いたものですので面白いなぁと、少しでも思っていただけたら幸いです。

 均等に切り分けられそれを組み合わされて作られている石造りの通路、辺りは薄暗く窓はない。広さは四人通れれば良いほどの狭さに高さは4メートルほど、壁に均等に掛けられた松明の光が唯一の光となりその光もゆらゆらと揺れその場に少なからずの不安を与えている。

そしてそこを複数の人が歩いていた。

数は5人、こんな空間でありながらしかし何故か皆はまるでピクニックにいっているといわれても違和感のない表情をしている。

静かなあまりその者達が着用している物の音やが辺りに反響して聞こえる。


「結構余裕だったな!祐希(ゆうき)いや勇者様か?クックックッ」

「ああ、難関不落って言われてたわりには簡単だったな翔流(かける)

「私達が強いだけよ!ね~汐里(しおり)~!」

「う、うん!み、皆で、頑張ったし…それに美紀(みき)ちゃんのお陰も……」

「やーねー!私は後ろでちょくちょく魔法で攻撃してるだけよぉ~!」

「美紀、あんたの攻撃は強すぎるのよ!もう少し自重しなさい!」

「フフ、それほどでも無いわよ~。でも~、里奈(りな)ちゃんは普通でも力が強いじゃな~い」

「なっ!?そ、そんなこと無いわよ!!」


この薄暗い通路に笑い声が響く。

その会話だけで仲の良さが分かるだろう。

彼らは同じ高校の同級生であり、いつも一緒にいるグループだ。


「お、あれじゃね?国王が言ってたやつ」


翔流と呼ばれた者が指した先には天井ギリギリの高さまであり見事な彫刻がされた大きな扉があった。


「うん、国王が言っていた通りのドアだね」

「聞いていた通りねぇ~」

「す、凄い…です…!!」

「ここが魔王の居るところか、クックックッ直ぐに終わらないといいけどな」

「翔流あんまりはしゃいで出番とらないでよ?」


ここは魔王城、そして彼らはここの魔王を倒すために国王にクエストとして呼ばれ今まさに攻略中であり、話のままであれば残すは魔王のみとなっていた。


皆はその場で自分のステータスの再確認とポーションの残りの確認を終わらせる。


ドアに近づくと祐希はドアに触れ「準備は良いかい?」と皆に問いかける。


「うん!いいわよ!」

「ぶっ飛ばしてやる!クックックッ」

「いつでも良いわ~」

「い、行けますっ!」


全員がそれぞれ答えると祐希は皆に微笑み掛けながらその扉をゆっくりと開けていく。


中に入るとその内部がうっすらとだが確認できた。

それは国王に呼ばれたときに入った謁見の間のと呼ばれる部屋ような造りでありそのときのことを思い出す。しかし中は薄暗く光となるものは左右両端にある窓から差し込む月明かりだけで、奥は暗くよく見えなかった。

足元には赤色のカーペットが敷かれており、道筋を示すようにして窓から覗く月明かりが道を照らしていた。


「綺麗ねぇ」

「はい……」


その光景は無意識に言葉にしてしまうほどであり、ここが本当に魔王城なのかと疑問を抱いてしまう程に綺麗であった。


月明かりが照らすカーペットの上を少し進むと五人の前に大きな椅子のシルエットが見えてきた。

そこには誰かが座っているのが遠目でも確認できる。そして皆はそれが魔王だと認識する。


皆はお互いに顔を合わせるとなにも言わずただ頷き、いつもの陣形をとる。


前は勇者の祐希と聖騎士の翔流、剣士の里奈が並び後ろには魔術師の美紀と聖女の汐里とういう感じだ。


陣形が整ったことを横目で確認した祐希はいつものように敵となる魔王に対し声をかける。


「我は勇者なり!王の命により貴様を倒しに来た!」


祐希が宣言をし終えると、椅子に座っていた者がゆっくりと立ち上がる。


すると突如部屋に掛けられていた松明、道の端に置かれた灯籠に火が灯る。


祐希達は魔王が攻撃体制に入ったと判断し祐希達は剣を抜き、汐里達は援護のための詠唱を唱え始める。




クエスト開始の音が響き渡る




汐里が詠唱を終え、皆にバフをかける。


「え、えい!」


戦いの場とは思えないような可愛らしい声と同時に。


バフがかかり五人の体が淡く輝く。

それを確認した祐希達は魔王に向かって走り始める。


まず攻撃したのは聖騎士の翔流だ。


「先手必勝!はぁぁぁあああああ!!」


気合いと力を込めてほぼ身長と同じ長さの剣を上から降り下ろす。



ガギンッ!!



鉄に鉄を打ち付けたような音が響き渡る。


見れば翔流が降り下ろした剣は魔王の手によって受け止められていた。

刃を掴んで。

それを翔流は確認すると即座に剣を一気に引き抜こうとする。


「うっ………なっ!?」


しかしまるで剣がその場に固定されたかのようにピクリとも動かない。


翔流はその事に驚き動きが固まってしまう。


「くっ....うっ、うわぁあああっ!?」


気が付くと体が宙に浮いていた、しかしそれに気付いた時には既に宙を飛んでいた。

ダメージが入ると同時に自分が吹き飛ばされたのだと気付く。


翔流の職業は聖騎士、そしてその役割は前衛職でタンクとも言える。

その翔流攻撃を易々と止められそのまま投げ飛ばされたのを目の前で見させられた祐希と里奈は相手が今までの敵よりも格上なのだと気付く。


「っ、エアスラッシュ!!」

「ダブルスラッシュ!!」


スキルを発動し祐希と里奈は切りかかる。

しかし全て魔王の手によって防がれ、しまいには止められてしまう。


そして翔流を追うようにして投げられてしまう。


だが二人の顔はそれを待っていたとばかりの顔をする。

次の瞬間、



ッダァアアアン



魔王がいた場所に直径二メートルほどの大きさの火の玉が飛んできてそれが当たりその場で大爆発を起こす。


「よし!ナイスだ美紀!」


「へへ~ん!あったり前でしょ~!」


二人がスキルを使い攻撃し、投げられたのはこの攻撃を当てる確率を上げるため、そしてその攻撃に巻き込まれないためであった。


美紀の放つ攻撃魔法の強さは聖剣を抜く前の勇者のスキルを遥かに凌駕している。

だからこそ勝ちを想像した。


突如、魔王がいた付近を中心に突風が吹き荒れ周りの煙が消し飛んだ。


「………くっ!!」

「チッ!!」

「う、うぅ~」

「な、なに!?」

「くぅ~~」


その強さに祐希達は足を踏ん張り飛ばされないようにするのが精一杯であった。


吹き荒れていた風が止み皆は元凶となる場所に目を向ける。


「クックックッ………マジかよ…」

「…………クソ」

「あ、ありえないわ……」

「そ、そんなぁ~」

「……うそ~~」


そこには片手をまるで何かを払うようにして無傷で立っている魔王がいた。

倒せる、もしくは倒せなくとも深手は追わせられると考えていた。

しかし状況から見て判断すると相手は深手をおっているどころか傷ひとつなく美紀の攻撃を防ぎ、更に先程の突風は右手一つで起こしたと考えられる。

この状況に皆唖然とし、自分達が今置かれている状況を把握しきれていなかった。

そして、今まで黙っていた魔王の口が動く。




「おい、余興(・・)は終わりか?」




魔王の一言に全員顔をしかめる。

今の攻撃は死力を尽くしてはいないもののほぼ全力で放っていた。

しかしそれを受けてなお魔王はこれが余興だと言うのだ。


「化け物かよ……」


つい翔流が呟いてしまった言葉に皆共感する。


「おい、翔流……聖剣使え、本気出さなきゃマジで勝てねぇぞ。」

「ああ、分かってる……」


聖剣、アーティファクトと呼ばれ神が造ったとされる物。

その力は絶大であり、たった一降もっているだけで小さな国であれば消滅させることすらできるほど。

場を逆転するにはそれしかないと判断する。


「あれ、使うの?」


しかし、力あるものには必ず制限がある。

その中でもこの聖剣の制限は生半可じゃない。

剣を振るえるのは、勇者の称号を獲たものだけ。

聖剣を抜くにも時間が掛かり、抜いている間は動くことができない。

更に使えたとしてもそのあとにリバウンドが発生しステータスの低下、HPMP供に底ギリギリにまでなる。

更に大幅なLv減少が起こり下手をすると勇者の称号も消えてしまう可能性があった。

だからこそ皆心配した顔で祐希を見ている。


一度翔流は聖剣を使ったことがある。

そのとき祐希は力を制御することができず味方にまで被害を加えてしまった。

リバウンドにより一時期は普通の冒険者よりもステータスが低くくなり、勇者の称号は消えなかったものの戦力として数えることができないまでになってしまっていた。


「皆、時間を稼いでくれ」


祐希の言葉に皆に顔つきを変え、祐希を魔王から隠れるようにして並ぶ


「フン、任せとけクックッ」

「任せなさい」

「了解よ~」

「が、頑張り、ます……っ!」


祐希が装備から聖剣を選択し、聖剣を抜き始める。聖剣を抜く間は動くことができなくなペナルティが発生する。


皆がそれを確認し魔王に攻撃を加えようとしたとき、魔王が動く。


「ふん、次はオレのターンかな?あまり簡単にやられてくれるなよ?」


その言葉に何か引っ掛かる感覚を覚えるが、魔王からの攻撃に集中しその事を忘れてしまう。


「先ずは余興といこうか……」


そういうと供に魔王の足元に魔方陣が現れる。

すると右手を上に上げフィンガースナップで音をならす。


パチン


翔流達は何が起こるのかと身構えると、気付けば回りを囲むようにして大量の魔方陣が現れていた。


「「「「なっ!?」」」」


その光景に皆唖然とし、又何が起こるのかそれを見つめていた。

その答えは直ぐに明らかになる。


その魔方陣から黒い煙のようなものが漏れだしそれが徐々に人の形を型どっていく。

それらの目は赤く蘭々と輝き、その光の数は次々と増えていく。

最後の魔方陣からそれが現れ終えたときには、既に周りが真っ暗になったように感じるほどの数で埋まっていた。

その中に光る赤い光は不気味そのものであった。


祐希達はそれらを見たこともなければ、そんな敵が居ることを聞いたこともない。


「おいおい………なんだこいつら..クックックッ…やべぇーな」

「量が半端じゃないわね…」

「.....凄いわぁ~」

「か、感動してる場合じゃ無いですよぉう~」


皆、いや一人だけ反応は違うがこの状況に焦りを感じていた。


だがこれを打破しなければ魔王は倒せない。


「クックックックッ!どうせあいつらを倒さなきゃ魔王も倒せねぇんだ、俺らなら倒せるさ。」

「そうね、やるわよ!汐里!美紀!」

「は、はい!」

「見せてあげるわ、私の魔法!」


翔流の言葉と同時に皆無意識に下げていた剣、杖を黒き軍団に向ける。


「い、いきます!パワーアシスト!ラックライジング!!」


汐里がバフをかけるとともに翔琉と里菜が近くの敵を攻撃し始める。


「シールドバッシュ!!」


「ウィンドトルネード!!」


魔王には効かなかった攻撃も流石に効くのか、近くに居た者共々巻き込み後ろに吹き飛ばされる。

しかし、殆どダメージが入っているようには見えない。


「二人共下がって~」


美紀の言葉に翔琉と里菜は一度後ろに下がる。


「これはどうかな~、ライトニング!」


美紀の詠唱が完成すると同時に現れたのは無数の稲妻、それらが黒き者達に降り注ぐ。


霧が晴れると其処には無数の魔石が落ちていた。


「よし!行ける!」


更に先程の光のお陰で見えたことがあった。


「魔石は右胸辺りに埋まってるぞ!そこを狙え!!」


魔石を破壊すれば魔物は死に、霊体であれば実体を保つことは出来なくなる。故に魔石を破壊すれば魔物を倒すことはできる。しかし魔物の魔石は貴重であり普通ならば壊さずに倒す方法を選ぶ。

今はそんなことを言っていられる状況でないためこうするしか方法はない。


「うらぁああ!!クイックっ!!」

「やぁあああ!!ライトブレイド!!」


翔琉と里菜の攻撃に次々と魔物が倒されていく。


そして気が付けば魔物の数は数えられるほどに減っていた。そして更に、祐希が聖剣を抜き終え、聖剣から発される光が城内を照らし始めていた。


「皆...有り難う。後は任せろ。」


祐希の言葉に皆が頷く。


「祐希、仕留めなさいよ。」

「後は頼んだぜぇ~」

「ようやく本命ね、ああ、もっと魔法を....」

「ゆ、祐希さん。が、頑張って下さいっ!」


それぞれが思い思いの言葉をかけ後ろに下がって行く。


聖剣は徐々に輝く光をよりいっそう強くする。裕希はそれを頭上に掲げるようにして構えをとる。


「悪を滅滅せよっ!!聖剣!エクスカリバァアアー!!」


聖剣は今まで以上に光輝きだしその光に当てられた黒き者達が消えていく。

裕希が頭上に掲げた聖剣を降り下ろす。


聖剣の剣筋がまるでレーザの如く魔王に向かい延びていく。

先の光を逃れた者達もそれに触れた途端例に漏れず魔石ごと消えていく。


体感時間は長く感じられ、然れどそれは一瞬にして魔王を飲み干す。


「.....っくっ!!ハァーハァーハー、や...た、か..」


聖剣の力を使った裕希の姿は満身創痍そのものであり、その手にぶら下がる聖剣は先程とはうって変わり光を微塵も出していなかった。


斬撃のあとには黄色く輝く粒子が飛び交っていた。魔王のいた王座は消え去り、そこに魔王の姿も見つけることは出来なかった。


「や、やった..やったよ裕希!」

「危なかったな裕希、クックックック」

「ゆ、裕希さん、だ、大丈夫です、か?」

「手強かったわねぇ~~」


裕希が聖剣を抜かなければいけなかった敵であったために、魔王を倒したことに皆興奮が収まらない。

裕希の攻撃に巻き込まれないよう下がっていた皆は裕希が今だ立たない為に嬉しがりながらも裕希を心配して駆け寄ってくる。




「....ぁかっ!!皆逃げろ!!!」



「ど、どうし...」


急に声を荒らげたことに驚き皆の足が止まる。

裕希に問おうとするもそれは最後まで成し遂げられることはなかった。


「な、なにがっ!?.....」

「か、かけるさ....」

「しお......」




勇者を除く全員の頭が一瞬にして消えた。


そして気が付けば、黒いマントのようなものが見え、裕希の目の前に魔王が居た。


「うんうん、まぁまぁだな...あ、君が勇者だね?さっきの攻撃は良かったよぉ~!何せ久し振りに攻撃を加えられたんだからねぇ。しかも俺が見えなくなっても油断せずにいた。そこは誉めてやろう。でも実力差を見誤ったのは減点だな。でもまぁ、ゲームの世界で遊ぶ君たちにしては頑張った方じゃないのかな?」


魔王から発せられた言葉が耳に入るも理解することが出来なかった。いや、したくなかった。

攻撃を加えられたと言うがその体に、纏う装備にダメージの跡は見受けられず、唯一見つけたとすれば、それこそ奇跡的に見つられたくらいのマントについた()くらいなものだ。



「お前、は....」



裕希の問いに魔王は




「俺は魔王ユウヤ・サトミチ。この世界最強の魔王(・・・・・)さ。」




残りHPが消え、GAME OVER の文字が出る前にそんな声が聞こえた気がした。

な、長いかなぁ~、長いよねぇ~

ハハハハハ...ハァ( ´Д`)=3

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