森を出てすぐ
・・・・・がさがさ、がさがさがさ。
体のあちこちが葉っぱに当たるせいで結構大きな音をたてながら森を抜けるとそこには大草原が広がっていた。
「うわぁ・・・・凄い広そうだなぁ。一体どのくらい広いんだろう?」
一人でちょっと寂しい気持ちだからか疑問に思った事をなんでも口に出しながら、なんとなく自分がいた場所の斜め左に向かって歩くことにした。その方向に進んでいると、通りすぎる横の木がふと気になって見てみると果実が実っていた。
「木が気になるって・・・恥ず・・・・」
誰にも聞かれてないけど恥ずかしいから、恥ずかしい気持ちをごまかすためと食べられるか確認のために早速手で届く距離の果実をもぎ取り鑑定してみるとこうあった。
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ドクの実
名前の由来になっている、強い毒を持っている実。味は美味しいが一口食べると吐き気が出てきて二口食べると意識を失い三口食べると死んでしまう恐ろしい果実。人が食べるとそうなるが動物が食べると最高に美味しいだけの果実らしい。
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「・・・・・・・いらない」
その鑑定結果を見て直ぐ遠くに投げ捨てた。そんなこんなしていると
「キャアァァァァァ!!!!」
「誰か、誰か助けてくれ!!!!」
と助けを求める声が聞こえて急いで僕はその方向に走った。
急いでその方向に向かうと馬車とその近くでモンスターに襲われている男の人がいた。
一刻の猶予も無さそうなので、刀を抜きながら走っていき、モンスターと男の人との間に入りこんだ直後に男の人に自作のポーションをかけて回復しているのを見てからモンスターと対峙しながら鑑定した。
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ゴブリンライダー HP100/150 MP0/0
レベル5
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ポイズンウルフ HP150/150 MP50/50
レベル5
スキル
噛みつき 毒付与
状態:テイム
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ゴブリンテイマー HP80/80 MP110/150
レベル5
スキル
テイム
テイムモンスター(ポイズンウルフ)
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とりあえず、初めて見るモンスターだったし今まで戦っていたモンスターはウサギだけだったので様子を見て動こうとすると急にポイズンウルフが突進してきた!
でも動きは見えていたため、焦らずに刀で突進を反らしながら刀で切りつけると、その一撃でポイズンウルフはドロップになった。どうやら死んだみたいだ。
その後、ポイズンウルフが死んだことに気がついたゴブリンテイマーが向かってきたがポイズンウルフよりも動きが遅かったため普通に回避して無防備な背中を切りつけた。
その後出てきたドロップを鑑定すると・・・
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ゴブリンの腰布
ゴブリンからよくとれる腰布 匂いがきつく持ち運びをしたくないと冒険者からは嫌われているアイテム。
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ポイズンウルフの肉
ポイズンウルフからとれる肉。毒を持っており特別な方法を使わない限り美味しく食べることができない。食べても死なない毒だが食べると吐いてしまう。よく新人冒険者の度胸試しに冒険者が使われることがある。
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とりあえずドロップをとり、倒れていた男の人に話しかけた。
「あの 大丈夫ですか?」
とりあえずそうきいてみた。すると・・・・
「おぉ!ありがとう!君がいなかったらわたしはもう死んでいたよ。どうもありがとう」
とお礼を言われた。
「いえいえ」
「いや~馬車がまだ無事でよかったよ。あの子が死んでしまうところだったよ」
「あの子ってだれですか?」
そう聞くと、
「・・・あぁ。この子の事だよ」
と言って中を見せてくれた。すると・・・・・中には鎖に繋がれている首輪をつけられた一人の女の子が座っていた。
この助けた人は奴隷商人だったのだった。
奴隷
地球では紀元前1900年頃の古バビロニア頃から奴隷制度が有ったらしい。
「・・・あなたは奴隷商人なんですか?」
ちょっとだけ雰囲気が恐くなってしまったがその事を聞いてみた。
「・・・・自分は違う! ただこれには理由があってね」
自分でも心当たりがあるからか強く否定してから話してくれた。
ハリスさん(ついさっき助けた人の名前)は凄腕の商人で、二、三の商談を成功させて多くの食べ物を買ってから隣の都市から今向かっている都市に帰る途中でとある獣人族の村に寄ったところ、なんとその村では飢饉に襲われていて食べるものが無く、また食べるものを買うお金もなかったためこのままでは死んでしまうところだったらしい。そこに村長がやって来て
「どうか食べ物を恵んでくださいませんか!」
と言われたらしいなので持っていたほとんどの食べ物をあげたところ大変喜ばれたのだが「食べ物を恵んで頂いてありがたいのですが払えるものが無いのです」
と言われたので
「別にいいですよ」
とハリスさんは言ったらしいが村長は
「渡せるものが無いのでこの子を貴方に。この食べ物のお代替わりに捧げます」
と言ってこの子を渡されたらしい。
ハリスさんは断ったらしいが断りきれなくなったらしい。
そんな話を聞いた後パリスさんに
「この子を君が見ていてくれないか?」
「えぇ!?無理ですよ!」
「いや、君しかいないんだ。」
「知っていると思うが、奴隷を持っている人のほとんどが貴族と冒険者で、どちらも奴隷は物だと思っている方が多いんだ」
「だが、君はそんな事をしない。きちんと一人の人物として扱うと私は感じたからさ」
・・・・そんなに信用してくれていたんだ。有りがたいなぁ・・・
「・・・・・分かりました。一人の人物として一緒にいます」
そういうと、
「じゃあこの子に付いている奴隷の腕輪に血を垂らしてくれれば主人としての契約が結ばれるから」
と言われたので聞いてみた。
「奴隷の腕輪を付けなくてもよかったんじゃないですか?」
と聞くと何故か村の人が渡されるときにもうつけていてしまったんだ、と言われたそれに奴隷の腕輪を付けると主人が一週間いないに見つからないと死んでしまうらしいんだよ。だからよかった。といわれてしまったので反論できなかった。
「それはそうと早く血を垂らさないのかい?」
といわれてしまったので急いで元月を持って指先に当てて血を出して腕輪に垂らした。すると自分とこの子が光輝いた。
「これで契約は完了だよ」
と言われた。
「それはそうとちょっと馬車の護衛の依頼を受けてくれないか?ちゃんと報酬は出すから。報酬は金貨十枚と住める家でどうかな?」
凄い高報酬だった。ちなみにお金の価値と量はこれだけあるらしい。
銭貨一枚 1円
連貨一枚 10円
鉄貨一枚 50円
銅貨一枚 100円
銀貨一枚 1000円
金貨一枚 10000円
なので金貨十枚は100000円である。高報酬どころかこんなに多く貰うのは上級冒険者位である。だが主人公は貰えるのなら貰っとこうと思っていたのでこの依頼を受けた。
そしてなにも起こらず平和に1時間が過ぎて、大きい都市らしき場所に着いた。そこに着くには何やら着くのに時間がかかると思っていたが、何かをパリスさんが見せると直ぐにはいることが出来た。そして都市に入った後にパリスさんが自分に向けて言ってくれた
「ようこそ! 商業とダンジョンが栄える都市 エリックにようこそ!」
ここから・・・・僕の物語が始まる。
読んでくださりありがとうございます。