そのころユキ達は
今回は七美ちゃん主流で戦いながらどんどん進んでいった。けど今は範囲捜索術式が使えないため、自力で今まで通ってきた道をすべて覚えなきゃいけないから、いつもより疲労感が強いようだ。
その事がわかったのが、三十分ほどゴーレムを倒しながら進んでいき、少し広がった空間に出たタイミングで休憩をとることにした時だった。
座ろうとした瞬間に、ちょっと体がふらついた。ふらついた体を立て直して座り直したときに、目のなかになにか入った感触があって、触ってみると汗だった。しかも額に多くの汗をかいていることに気がついた。
「はい。皆一応飲んでおいて」
それがわかって皆を見てみると、皆も多少の汗をかいていたから無限袋の中から鍛冶スキルで作った水筒にリンゴのような果物の果汁を使って作った疑似アップルティーを入れておいたものを渡した。
「あ、ありがとうございます」
「いただくのじゃ」
「あ、アップルティー?美味しいね」
七美ちゃんは飲んで、気がついたようだ。アップルティーと思ってもらえて少し安堵していると、
・・・・・・・ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
なにか変な音が聞こえてきた。
「ん?なんの音だろ?」
「なにか聞こえるのぉ」
「わかんないですね」
と言っていると、エマが
「・・・・・・・・なにかを削っている音ですね」
そう言った。
「わかるの?」
「はい。私は耳が良いので」
そう言ってふさふさしている耳をピクピクさせていた。かわいい。
「・・・じ、じゃあそっちに向かってみよう。マリナがいるかもしれないし」
エマの耳を凄くさわりたい気持ちを押さえてこらえながら音の方向に少し急いで向かうことにしたのだった。
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