番外編 フェインタ王国に帰った勇気達 その9
「二首火蛇!」
俺たちは前は逃げるだけだった十六階層で、なんとか戦うことができている。前に覚えた火蛇を練習し続けて二首の二首火蛇を出すことができた。ダンジョンにくる前に、ムラクモ師匠に放ってみたらあっさり断ち切られたときは心が折れかけたが、師匠の
「二首に別れていようがもともと一つの場所から発生したものなら元を断ち切ればいい」
と言う言葉で改善点に気がつけた。なんとか改善しながらもこの階層だったら大丈夫そうだ。
「早くこの階層から出たいな」
「あぁ。同感だ」
「そうだね。私も早く行きたいよ」
「勇気君早く!」
「・・・・・」
全員この階層は嫌いらしい。俺も嫌いだが。
「もうちょっとみたいだからな・・・・三首火蛇っと」
また来たGを首を増やした火蛇で倒していくと、目の前に階段が見えてきた。
「急ごうか」
「早く!早く!」
「・・・・・」
春野と町田、それに奏音は無言で走りながら階段に向かっていった。それを見ながら三人の男子で
「じゃあ俺たちも行くか」
「そうだな」
「次は違うモンスターがいいな」
と話ながらもう三人の背中を追いかけるのだった。
それらの映像を見てにやにやしている者に気づかないまま・・・・・・・・・・
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