番外編 ユキの魔法練習(マリナ編)
次の日、ヴァリスに別れを告げてからドワーフの国を出て、すぐ近くの村について、宿をとってから僕はマリナに言った。
「魔法の練習に付き合ってほしい・・・ですの?」
「うん。ちょっと試してみたい魔法があるんだけど・・・いいかな?」
「ふむ・・・」
「マリナにしか頼めないんだ。お願い!」
「!!・・・・・分かりましたわ」
「ほんと!ありがとう!」
「どちらで練習をするんですの?」
「そうだね。・・・ちょっとごめんね」
「えっ?!きゃっ!」
マリナが悲鳴をあげたけどその悲鳴に答えずに、マリナをお姫様だっこ?だっけ。そんな感じで抱えながら強化魔法を使って少し離れた森に走ったのだった。
「・・・・・・・・・・・・」
「お~い、マリナさん?大丈夫?」
ほっぺたをペチペチペチペチと弱く叩いてから少しして、
「ハッ!何やら幸せな気持ちになっていた気分ですわ!」
「?マリナは何をいっているの?」
「!・・・さっ、では早速練習を見せてほしいですわ」
「え?見るの?」
「当たり前ですわ。直す場所があればビシバシと鍛えていきますわ!」
「う、うん。わかったよ」
僕はそう答えてから魔法の準備に入った。
「いくよ。雷炎龍、雷水龍、風雷龍、土雷龍、雷光龍、雷闇龍。ってところかな」
「・・・・・」
二属性で作った六種類の龍を出現させるとマリナが絶句しているようだ。
「どうしたの?」
「あ、あ、あ、あ、あり得ませんわ!!!!」
マリナが絶叫した。
「あれはいったいなんなんですの!?神聖な龍の形をしていますし、しかも見たところ二属性の魔法ですわよね!大事件ですわ!『二属性の魔法は始めてみましたわ!』」
「えっ?二属性って見たことないの?」
「そんなの無いに決まってますわ!」
そう言ってマリナの魔法講座が始まったのだった。
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