戦いは終わり
イルティクスを倒して皆とエマ達のところに向かうと、一斉にエマ、マリナ、七美ちゃん、そして春野さんにじとーっとした目で僕だけが見られていた。
「あ、あの~、僕何かしました?」
極めて冷静に怯えながら聞くと
「別になにもありません」
「なんにも、なんにもなかったですわ!」
「そうだね。なにもなかったよ」
「ほんとうにね・・・・・・」
そう言いながら更にじと目の威力が上がった。なぜだろう。イルティクスとの戦いの方がましだった気がしてきた・・・・
「はぁ~、主には呆れてしまうがしょうがないのではないかの?」
そう言った黒龍の言葉でじと目が消えた。た、助かった・・・・・
「なぁ、そろそろ教えてくれ、あいつにいったい何をしたんだ?」
「あぁ、言ってなかったね!」
勇気の話にここぞとばかりに乗っかることにした。やっぱり持つべきものは親友だ!
「イルティクスが最後に転移出来なくなっていたでしょ。あれは僕の魔法でなんだ」
「じゃあなんで先に使わなかったんだ?」
「使いたかったんだけど使えなかったんだ。MPが足りなくて」
「最初なのにか?」
「うん。僕の魔法に魔法を作れるものがあるんだけど」
「おいおいおい!?それはヤバイぞ!?」
オタクである勇気が目を輝かせているけど、
「これ凄いMP消費が悪いんだ。だなら最初の方で、いろいろ制限をかけて使うMPを減らしていったんだけど、戦うときのために残しておくMPを考えると、決める時じゃないと出せないレベルだったんだ」
「なるほどな」
やっぱりオタクである勇気は理解力が高かった。
「雪がつけた誓約はなんだったんだ?」
「とりあえず一回しか使用できない。最大MPの最低一割か、全部消費、一割の場合成功確率が50%で、全部使うと100%成功って感じ」
「なるほど。でお前はどんくらい使ったんだ?」
「一割しか無かったから一割」
「まじか!?もしかしたら失敗の可能性があったのかよ!?」
「うん。でも成功したからいいじゃん」
「まぁ、それはそうだが・・・・」
納得していない勇気を含めた皆を連れて、あの家に向かうのだった。
「ねぇ、なんか一人足りなくない?」
「「「「「・・・・・あっ!」」」」」
勇気達パーティーの最後の一人、村田奏音に気がついたのは家についた瞬間で、勇気達はあわただしく戻るのだった。
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