イルティクスとの戦い その5
「「「あー!?」」」
エマ達が叫んだ数秒後に春野さんが離れた。
「えっ、えっ、えっ、えっ!?なんで!?」
「雪君のMPが無かったから魔法で私のMPを渡したんだ」
そう言われて確認するとMPが結構一割ほど戻っていた。
「でも流石雪君だね・・・・私のMPのほとんどだったのに回復できないなんて・・・・」
「うんうん。ありがとう。これであいつが倒せるよ」
「それならよかった・・・・」
そう言って気絶しそうになっている春野を雪は横にしてから、
「ついさっきのは人工呼吸とでも思って忘れて!僕も忘れるから!その方がいいよ!」
そう言って黒龍とイルティクスが戦っている場所に向かう雪に澪は
『なんでそうなるのー!!』
と叫びたかったが気絶してしまい、言うことができなかった。そんな澪に
「・・・・・流石にかわいそうですね」
「追及するのはやめておきますわね」
「そうですね」
三人の心は『『『流石にあれは酷い・・・・・』』』と澪への同情心で一杯なのだった。
黒龍のところに向かいながらとある魔法をねりはじめる。
「・・・・・・・」
詠唱を口ずさみながら進んでいき、最後の方になってようやくつくことができた。その場所では黒龍がいろいろな場所から攻撃したりしているけど避けられている姿だった。
魔法をねりながら詠唱を途中で発動直前で中断して、勇気に話しかけた。
「勇気。イルティクスの足止めできる?」
「少しならできるがどうした?」
「あいつを倒せる。だからそのために足止めしてほしい」
「わかった。でいつだ?」
「いま」
「了解。じゃあ逝ってくる」
「逝ってら~」
ネタにネタで返してから、黒龍を呼んで、
「黒龍、最大攻撃はいまだせる?」
「少し時間があれば出せるのじゃがあやつは避けるぞ?」
「それは大丈夫。だからお願い」
「・・・わかったのじゃ」
そういうと龍状態のまま魔法の準備に入った。
「流石にもうきついぞ!」
そう勇気がいったタイミングで
「くらうのじゃ!混沌の息!」
黒龍のだした混沌の息は一直線に飛んでいったが、そのタイミングでイルティクスは空間魔法で逃げようとした。その瞬間、僕は魔法を発動させた。
「・・・・・かのものから奪え能力吸収」
「グアアァァァァ!!!!」
急に空間魔法が使えなくなったイルティクスは避けることが出来ずに混沌の息が直撃して、空から落ちたのだった。
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