手がかりによって
「なんであそこに・・・・・」
そう僕は静かに呟いた。イルティクスがいる場所は両親がいた村・・・・・・でもなんであそこに?
「・・・・様、・・・キ様?ユキ様?聞こえておられますか?」
「・・・・・あぁ、うん。なに?」
「呆けておられましたがどうしました?」
僕はどうやら心配されるくらい顔がポカーンとしていたらしい。
「大丈夫だよ。ありがとう。・・・・・ヴァリス。ここなんだけどわかる?」
そう前置きしてから地図を広げて、場所を指差した。
「こ、ここは!?なぜこのような場所に!?」
「なにか知ってる?」
そう聞くと殆ど全員が驚いて――――何人かは納得していないみたいだけど、エマ達は納得したようだ。
「お主知らないのか?ここは死の森といわれている場所でエルダートレントが支配しており強いモンスターしかいない場所だぞ!」
「えっ?そうだったんだ・・・・・」
はい、そんな場所を通り抜けました。雪です。
「だがこの場所にいるのなら追うことができない」
「もしかして強いから?」
「そうだ。モンスターが強すぎて入れないんだ」
「・・・・・じゃあ僕達が行くよ」
「本気か!?」
「うん。いいかな?」
「良い事は良いんだが本当に大丈夫か!?」
「うん。大丈夫。だから行くよ」
「雪、ちょっと待ってくれ」
「勇気?」
それはついさっきまでなにも話さずに空気になっていた勇気だった。
「なんかディスられた気がするが・・・・・まぁ今はそんなこと良い。それよりも、一緒に俺達もついていって良いか?」
「勇気達が!?」
「あぁ、俺もあいつには用があるんでな」
「・・・・・分かった。良いよ」
「助かる。お前達は別に来なくて良いぞ。これは俺の問題だからな」
「みずくさいぞ勇気」
「そうだよ。皆で行こうよ(そしたら雪君と長く入れるし)」
「皆の方が良いと思うよ~」
「そうだぞ。俺たちは仲間じゃねぇか!」
「僕達を信用してよ・・・・」
と、皆勇気とついてくることにしたようだ。
「あっ、どうすっかな」
「ん?なんかあるの?」
「実は今回俺らは依頼できたから報告しに戻らないと行けねぇんだ」
「ふむ。それについては心配要らんぞ。お主らに依頼したものは人族の王であろう?」
「はい。そうです」
「それならわしが依頼を出したと伝えておこう」
「あっ、ありがとうございます」
「よい。ただ、あやつを倒してくるのだぞ」
「ハッ!」
こうして、まず、両親がいた村の近く―――――――――――死の森に向かうのだった。
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