調理をして、脱出へと
----ジュー、ジュー、ジュー----パチパチパチ。
取り除いておいた脂身から出た油を使って肉を焼き始めた。塩と胡椒をかけてこんがりと焼けるまでじっと待つ。ここでひっくり返し過ぎると駄目。肉汁が肉から出てしまって味が落ちるらしい。ひっくり返したくなる気持ちを必死で押さえて肉を焼く。すると凄く美味しそうな匂いが辺りに漂っていった。そこで無限袋から鍋を取り出して、水を入れた鍋に採取してきたキノコと野草を入れて簡易スープを作るためにことこと煮だしはじめた。すると辺りが暗くなってきたのでついでに朝から今日の出来事を思い出していた。
ふぁ~あ、今何時なんだろう?まぁ別に気にしなくてもいいか。と心の中で思っていると、
----グゥー----・・・・
と、お腹の音がなった。そういえば昨日は何も食べてなかった事を思い出してまたお腹の音がなった。
「とりあえず今日は食べられる物を探しますか」
そう考えて、外に出て近くにあった森に足を向けることにした。そのまま30分ほど森の中を探索していたら、目の前にウサギが現れたのでとりあえず鑑定してみてみることにした。すると・・・・・
======================
ポップラビット HP1000 MP0 レベル10
======================
「はあっ!?」
ふぁっ!?ちょっとちょっと!レベルにしてはHPおかしくない?鑑定スキルの故障か?と、現実と向き合いたくないので何度も見たけど結果は変わらなかった。そして見直している間にこちらに気がついたウサギが体制を低くしたと思ったら急に突進してきた!
やばい! そう感覚が言っていたので横に飛んだ。すると自分の後ろにあった木が粉砕された。それを見て自分もこうなりたくないその一心で直ぐに二つの刀を取り出して構えた。そしてついでに武器の性能確認もしようと思い早速、崩絶のスキルを試した。 《次元斬!》 といってスキルを使ってみた。すると敵の姿が消えたと思ったら急にウサギがいた場所に肉と毛皮があった。恐る恐る鑑定すると、
======================
ポップラビットの肉
全くポップラビットがダメージに気がつかず繊維が全く傷ついていないウサギ肉。焼いて食べると美味しい。
======================
ポップラビットの毛皮
ポップラビットの毛皮。なめしたり繊維にして、コートを作るときや手袋を作るときなどによく使われる。初心者でも簡単に扱うことが出来るため、練習材料としても重宝されている。
======================
「えっ どうやって倒したんだろう・・・・?」
そう思いながら考えると一つの可能性が出てきた。もしかして次元斬?もしかしてもしかするとだけど名前の通り次元を切ってその中に斬撃を送っているんだとしたら、強すぎない?と思った。そして後五回戦ってその可能性が本当だと気がついた。そして敵を倒すと敵からドロップが出てくるらしい。それに気がついた時に思わず叫んでしまった。
「ゲームかよ!!!」・・・・と。
・・・・・まぁ、そんなこんな有りながら家に帰った。
そして家に着いて袋に入っているものを全部確認していくと中には十個ほどの小瓶と調理セットが入っていたので鑑定すると、
======================
魔法の調味料セット
料理に必要な調味料が全て揃っているセット。使い終わり、蓋を閉めると元の量に戻り、永遠に使うことが出来る。また元の量に戻したい場合は持ち主の魔力を使い、自動的に戻る。そして使いたい調味料はイメージによって増える。
======================
魔法の調理セット
初心者から達人までが使い満足できる調理セット。全く汚れが付かずほぼ永遠に使うことが出来る。
======================
この二つを四苦八苦しながら使って肉を焼いて、食べることが出来る野草とキノコを見つけて食べた。ウサギ肉は臭みが無く、キノコと野草の簡易スープもいい感じにキノコの出汁でこくがあって好きな味になって満足したのだった。
「よし。本格的にここから出ますか。」
次の日、そう考えて昨日入った森に着いた。とりあえず昨日来た場所まではたどり着いたので、更にそこからまだ言ったことの無い、未知の場所に足を向けた。まぁ直ぐに出れるだろうと思っていたが、そんな簡単には行かなかったようだ。
・・・・・さすがにおかしくないか?もう二時間程度は歩いているはずなんだがと思いながら額の汗をぬぐった。更に一時間後。気づきたくなかったことに気がついてしまった。途中あった木に目印のために傷を付けていたのだが、その目印を付けていた木が目の前にあった。それにかちんと来て心がイライラしていたので剣を木に向かってブンブンと振り回してザクザクザクと軽快な音をたてて切っていた。すると・・・・・
急に目の前に開けた道が見えてきた。自分はラッキーと思っていたが後からあの場所について聞くと、恐ろしくモンスターが強く、あの森に入るための必要ランクはSランクで、今まで中に入ったことがあったのはSランクの一パーティだけだったらしい。
更にそのパーティが言うにはそこにある森はその場所のどこかに潜んでいる、ボストレントを倒さなければ出ることが出来ないと言っていた。自分が出ることが出来たのは偶然であったらしい。 それを後々聞いた僕は運が良くて良かったなぁと楽観的にしか考えていなかったのだった。
読んでくださりありがとうございます。