世界樹から
改めてラシルと話すことにした。
「この前は森を戻してくれてありがとう」
「そんなことないよ。あなたから貰った魔力があったから出来たこと」
「でもしてくれたことに間違いはないからお礼は言うよ」
「たいしたことはしていないのに」
「僕達は感謝しているからね」
「うー。あなたは頑固だったんだね」
「あはは、そうかな。あっ。これ飲んでみてよ」
そう言って袋から陶器のような器を取り出して中に入っているのを確認して確かめてから渡した。
「これは?」
「ナキェさんが持ってきた奉納品だよ。せっかくだから飲んでみて」
「うん。じゃあ飲んでみる」
そう言って一口飲むと、
「ごくごくごくごく・・・・ぷはー」
とあっという間に飲み干してしまった。
「・・・美味しかった」
そう言うラシルの口の横から少し垂れてきていたので
「ちょっと動かないでね・・・・よし。とれた」
ハンカチを取り出して口元をふいた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「お礼に忠告。もう少しで魔族が飛んで来るから」
「えっ!?なんでわかるの!?」
「この近くの森は全て私の支配下にあるから。いまから少し前に一番離れている森の辺りで見えた。後三十分くらいでここに来ると思う。話していることから目的はあなたたちだと思う」
「・・・・・・うん。わかった。ありがとう。じゃあここを離れるね。さよなら」
そう言って急いで世界樹から村に向かうのだった。
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