その理由とは
僕がきっぱりと言い切ると、村田君は、
「どどど、なんで俺のせいなんだ!?」となぜか恐ろしいくらいに動揺している。それを見て皆が、
「まさか村田が!?」
「お前がそんなやつだったとはな……」
「村田君……」
「そんなやつだったんだ~」という反応をしている。それを見て、言い方を間違えたことに気がついた。
「ちょっと待って。間違えた。村田君は、悪くないよ。ただ村田君の物が悪いだけで。」
「どういうことだ?」
「それはね、村田君。君は今、指輪をしているよね。」
「あ、あぁ。これだが、」と言って、指にはめてあるものを見せてくれる。それを見て、顔をしかめてしまったけど、ばれないように話す。
「勇気達にはどういう風に見える?」
「俺にはただ、銀の指輪にしか見えないが。」
「私も。」
「俺もだ。」
「私もだよ~」
「皆同じだが、それを聞くってことは雪。お前にはどういう風に見えているんだ。」
「僕には、人が奇声を発している状態のレリーフが見えるよ。」そう伝えると、皆ぎょっとした。
「まじで?」
「うん。それに村田君。最近ボーッとしたり意識が消えたり体が重くなることがなかった?」
「あぁ。あったが、なぜ分かるんだ?」
「それは、その指輪のせいなんだ。その指輪には、効果で全ステータスの低下、それにHP、MP減少。さらに、この指輪から映像と声が聞こえるようになっていて、持ち主から奪った魔力で映像が、体力で声が聞こえるようになっていて、さらに、余った体力と魔力で意識を奪うことができるみたいだ。」
「はぁ!?マジか!だから体が重かったりしたんだ。」
「とりあえず今からとるね。」と言って、皆が反応する前に魔法の準備をするのであった。
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