事件があり
始まりの森から帰ってきて、砦の人にギルドカードを渡して通らせて貰った。あ、もちろん返してもらってからだけどね。
シンラさんは居なかったので明日お礼を言おうと思い、そのままギルドに向かった。するとギルドの中でなにやら叫んでいる声が聞こえてきた。ため中を覗いてみることにした。
「他の町にいないのか!?」
「だからいま近くにCランク以上の冒険者はいないんです!」
と声を荒らげているシンラさんとギルド員の人がいた。
「何があったんですか?」
前に居た人に聞いてみると、
「んっ?あぁなんかそこで叫んでいるやつの子供が人攫いにあったらしいんだ。だからギルドに依頼を出そうとしたんだが、Cランクの冒険者が今いなくて無理らしく争っているわけだ」
それは大変だ・・・・シンラさんにはお世話になったしこのステータスなら人攫いも大丈夫なはずだから僕が行ってみようかな。
そう考えてシンラさんに近づいていった。
「シンラさん。大丈夫ですか?」
「きみは・・・?」
と聞かれたので
「今日砦で教えてもらった者です。僕の名前はユキといいます」
そういえば名前をいってないことを思い出したためそう答えた。すると・・・
「あぁ!君か!教えたところにちゃんとあったかい?」
「はい沢山有りました。教えていただきありがとうございます。それでどうしたんですか?」
「あぁそれはよかった・・・・あぁそうだ。それはそうとそうなんだよ!大変なんだ!娘が人攫いに拐われてしまったんだ!!」
「なんで連れていかれたんですか?連れ去られたときの状況はどんな感じだったんですか?」と聞くと
「それが私の妻が娘に買い物にいかせたんだが時間がたっても帰ってこなくて、探しにいった際に周りの人に聞くと誰かに捕まえられていたと妻にいわれて急いでここに来たんだ。でも依頼をだそうとしたんだが冒険者が居ないために無理だと言われてしまった所なんだ」
その理由はなぜかを受付の人にきくと、
「シンラさんの娘さんをつれていった者の特徴は分かりませんが、この頃誘拐が二十件ほど起こっていまして、同一半だと思われます。なので大人数の敵だと思われます。その場合救出となると、Cランク相当かそれ以上でなければ不可能ですのでCランクの方に依頼したいのですがこの近くの村や町にはCランクはいないはずですし、ましてやこの村にはCランク冒険者はいません。ですから救援が車でお待ちください」
と言っていた。
そんな話をしていたら、一人の人が言った。
「俺達はシンラさんに助けられたんだ!こんなときに恩を返さないでなにになる!」
と一人がいったのをかわきりに
「そうだな」
「こういう時に恩を返さないとな」
「俺もつてを使ってCランク冒険者を探してみるよ!」
と言っていた。
「みんな・・・・ありがとう!」
そう感極まったからか泣きそうになっているシンラさんに
「じゃあ僕も手伝いますよ。これで失礼しますね」
といってからギルドを後にした。
ギルドを出て直ぐにエマが口を開いた。
「どうやってシンラさんの娘さんを探すんですか?」
と聞かれたため
「まぁ、ちょっと待ってね」
その一言だけ言って目を閉じた。
「よし!わかった。こっちだ」
といって裏路地に向かった。
そのまま、日本にあるマンホールみたいな見た目の物をどかすと穴があり、その穴の中に入ろうとした。すると入る前にエマに聞かれて答えた。
「何故ここに地下への入り口があると知っているんですか!?」
「スキルで分かったんだよ。」
そう。自分が持っていたスキルである範囲捜索術式の効果である。ちなみに効果は
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範囲捜索術式
自分が見たり行ったことのある場所を範囲としてその範囲の中を捜索できる。地下や空中は範囲内に含まれており、範囲の中であれば分かるようになる。
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という効果なのでついさっきシンラさんの娘さんのに特徴を聞いたのと、この場所はこの都市のほとんどにいっているので範囲に含まれたのである。
という説明をエマにすると
「凄いです!」
といわれた。そんな話をしたあとにエマには他に入ってこないか見張っててもらってシンラさんの娘さんがいるはずの地下の入り口に入っていった。
入り口に入り、廊下を慎重に進んでいくと、その先にあった部屋のドアを静かに開けた。開けたところから見えた景色は地獄みたいだった。
沢山の檻がおいてあり全ての檻の中には獣人族の、見た目は少女くらいの子から二十才あたりのの青年くらいの獣人族の人が沢山いた。
・・・やった奴らは全員捕まえる。そんなことを考えながら偽装と隠蔽を使いつつ更に気配を消して辺りを見回すと、一つの檻の中にいた子に目が止まった。
金色の髪の毛に緑色の目、それに尖っている耳。 ライトノベルでよく見るハイエルフの容姿にそっくりだったのだ。
僕は目を疑った。なんでこんなところにハイエルフらしき人物がいてしかも檻に入れられているんだろう?
と考えたのだが分からなかったので偽装と隠蔽をかけて、ばれていないことを確認してから中に入っていった。
そのままゆっくりと中に獣人族の人が入っている檻をよけながら進もうとすると何故か偽装と隠蔽を使っているはずなのにハイエルフらしき人物に自分がいる場所をじっと見つめられていた。
「じーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」
と見つめられていた。
なんでこちらを見ているんだろう?と考えたのだがもしかしたらあのハイエルフの人は、自分がここにいることに気がついているんじゃないか?
そう考えて身ぶり手振りをすると反応していたので気がつかれているんだろう。
なので口に指を一本だけ持ってきて、
なにも言わないでという身ぶりをした。すると首をこくんと振った。
そんなやり取りをしてから、僕は静かに次の場所に向かうと何故かドアが開いていた。
なんでだろう?と思ったが、今は急がないといけない事を思い出したので先を急いだ。
「意外に多かったなあ」
そしてそうぼやいた。
ここの場所には意外にも人の数が多かったのである。
なんと30人もいたのである。
とりあえず人数と部屋を確認してから自分は鑑定が使えるので、敵である人のステータスを全部見られるのである。
そして全部調べ終わり、僕は外に戻ってきた。
戻ってきて直ぐにエマが
「どうやって助けるんですか?」
と聞いてきたので、これを使うんだと言った。
今自分が出したものを日本人が見たらこう言うだろう。
あっ。殺虫剤だ!と・・・・・・
何故異世界にあるのかというと、親がいた部屋の中に殺虫剤の空の缶が何故か分からないけど大量にあったのである。
何かに使えると思い考えた結果、無限袋に入っていた薬草たちがあったので特別な方法を使い、それにスキルを使って、中にいれたのである。
すると鑑定結果が変わった。 何もいれていない状態だと
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殺虫剤(中見無し)
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と書いてあったのが作ったものをいれると・・・・・・
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殺虫剤(毒薬入り)
ドリの花を特別な方法を使い容器にいれたもの。見た目と違い意外に多くの毒薬が入っているために人間だと、薄めなければ一瞬で死んでしまい、モンスターでも10分で死ぬ。
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殺虫剤(麻痺薬入り)
リンの花を特別な方法を使い容器にいれたもの。見た目と違い意外に多くの麻痺薬が入っているために薄めない状態で人間にかけると1時間動けなくなり、モンスターでも30分麻痺状態になる。
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殺虫剤(睡眠薬入り)
ダリの花を特別な方法を使い容器にいれたもの。見た目と違い、意外に多くの睡眠薬が入っているため薄めない状態で人間にかけると永遠の眠りについてしまう。モンスターでも5分で寝てしまう。
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という恐ろしい効果のものが、出来てしまい作ったときは恥ずかしげもなく、うわっ!と叫んでしまったものである。
閑話休題
その恐ろしい物を両手に殺虫剤の睡眠(ご安心ください。ちゃんと薄めてあります)を両手に二つもって戦闘装備完了!
でも日本人から見るとおかしな格好だなぁと思う自分がいたのであった。
そんなことを思っているので、自分の中では空気が凄い緩んでしまったのであった。
読んでくださりありがとうございます。