表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タカシの異世界無双計画 ~銃と仲間と異世界と~  作者: 夢奏 舞P
第1章 仲間を見つけよう
6/137

第6話 ミツユスキー

 ──この状況、なんとかしなくては……。


 なるべく大きな騒ぎにはしたくない。俺は、ない知恵を絞り、ごまかすための作戦を実行した。


「おっさん、しっかりしろ!」そう言って、ミツユスキーの肩をゆする。


 案の定、屈強な男達が俺に話しかけてきた。


「どうした兄ちゃん、何があった!」


「と、突然このおっさんが倒れたんです!」


「なんか、でかい音もしたよな、あれなんだったんだ」


「音って何ですか? わかりません! おっさん、しっかりしろ!」


 俺は、音の事を聞かれても反応せずに白を切り、ミツユスキーの意識が回復するのを待った。


 人が大勢集まり始めた。そんな中、ミツユスキーはゆっくりと目を開け、俺の方を見て話しかけた。


「あれ……ご主人様……どうして」


 俺は、ミツユスキーが仲間になった事を第一声で確認した。


「みなさんもう大丈夫ですよ、なんともないです。立ちくらみで倒れるなんてらしくないですよ!」


「私……立ちくらみで倒れて気を失ってたんですね……支えてくれて有難うございます」


 ミツユスキーは、丁寧に礼を言う。作戦通りに事が運んだ。ミツユスキーが、立ちくらみで倒れた様に見せかけることができた。それを見ていた周りの屈強な男達は、興味を失ったようにざわつくのをやめた。


「立ちくらみかぁ」


「殺しかと思ったぜ」


「でも、さっきの音はいったい……ま、いいか」


 屈強な男達は、ゆっくりとラウンジへと戻っていった。ひとまず、ピンチをしのぎ切ることに成功した俺は、髪を引っ張られたメイデンの様子を伺った。


「髪、大丈夫か?」


 彼女のツインテールの髪の毛は、片側だけ解れていた。


「大丈夫です、タカシ様」


 メイデンは、髪の毛を直し始める。金色の髪に手櫛を通し、綺麗に整えていた。


「もしかして、彼女はお連れ様でしたか」ミツユスキーは俺の顔色をうかがうように話す。


「ああ、そうだ」俺は強気で答えた。


「先ほどのご無礼、お詫び申し上げます」ミツユスキーは彼女に深く頭を下げた。


「身売りしなくて、済んだのかな」メイデンは髪を整えながら安心した表情を見せた。


 それにしても、この銃声は厄介だ。撃つ度に人目を引いてしまう。面倒に巻き込まれない様に対策を考えなくてはいけない。それと、確認しなければいけないものがある。それは、弾数だ。


 俺はマガジンを抜き、弾丸を抜いて弾数を確認した。残りの弾丸は5発だった。つまり、あと5人仲間にできるわけだ。だが、仲間を5人増やしてどうする?


 ──俺はこの地で何をする?──


 撃った人を無理やり仲間にしてしまうこの銃で、何ができるのか考える必要がある。まず、俺が何をしたいかだ。俺としては、楽に生きていくのが理想だ。なら、その目的に合う人物を仲間にしなくてはいけない。


 楽するには金が必要だ。金の力は、おそらくこの世界でも絶大だ。とりあえず商人を仲間にできたのは願ったり叶ったりだ。だが、それではちょっと足りない。どうせやるなら、この国の権力者を仲間にしてしまったほうが、色々な意味で楽できるのではないか。例えば、王様とかだ。王様を仲間にすれば、この国でやりたい放題だ。


 俺は、ミツユスキーに問いかける。


「なあ、ミツユスキー。この国の王様は金持ちか?」


 ミツユスキーは答えた。


「この『ツンダーラ帝国』の『ツン・デ・レイ』国王ですね。この国は一応、魔鉱石の取れる資源国家なので、そこそこ金持ちですよ」


 ターゲットは決まった。『ツン・デ・レイ』国王がターゲットだ。


「王様に会うにはどうすればいい?」 


「いやいやいや、私どもでは謁見すら叶いません。謁見が叶うとすれば、SSSクラスの任務を達成した時に報奨と称号を貰う時ぐらいです。ただし、SSSクラスの任務ともなると、一般冒険者には少し難しいですねぇ~」ミツユスキーは難しそうな顔をして話した。


 やはり、国王ともなると、そう簡単に事は進まない。


「じゃあ、一般冒険者じゃないSSSクラス任務の達成者がいればいいのか。でも、この辺にそんなやついるの?」


「この界隈ではちょっと……!!」ミツユスキーは突然気づいたように、目線をラウンジの方に向ける。「ああ、うわさをすれば……例えば、あの人です。小柄で赤い髪。赤い鎧を着た、大剣を持つ女性。確か名は……『死神ファリス』」


「ああ! あいつは!!」


 俺は、ミツユスキーが見ている女性を確認した。小柄な体格に大剣、赤い髪と赤い鎧。


「さっき俺にぶつかった奴じゃないか!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ