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タカシの異世界無双計画 ~銃と仲間と異世界と~  作者: 夢奏 舞P
第3章 準備を整えよう
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第28話 逆賊ソエル

 ──次の日の朝──


 気が付くと、俺はベットで寝ていた。


「んんーっ」


 うなるように布団の中で背伸びをする。


 ──そうか、俺はあの後気を失って……。


 俺は目を覚まし、体を起こした。ここはギルド2階の寝室だった。


 新しいシーツの香り、それとパンとスープの香り、それと、独特のスッキリした柑橘系の香水の匂い……これはメイデンのものだ。


 傍にあるテーブルには朝食が用意されている。そして、ベットの足元で、もたれるようにメイデンがスヤスヤと眠っていた。


 突然メイデンが声を出す。


「わほーえはかひさあがいっはい……」


 起きたのかと思ったら、寝言だった。何の夢を見ているのだろう……。


「修行、終わったのか……早かったんだな」


 メイデンがここにいるということは、ソエルとの修行を終えたということだ。前よりも、かなりレベルアップしていることだろう。


 部屋のドアを叩く音が聞こえた。


「ミツユスキーです。入ります」


 部屋の扉が開き、ミツユスキーが入ってきた。


「ご主人様、回復したんですね」


「ああ、寝覚めスッキリだ」


「ケンタ君が回復しました。1階の診療所で休んでます」


「そうか、良かった。様子を見てくるか」


 音がうるさかったのか、メイデンが目を覚ました。


「タカシ様! 無事で何よりです! ふええん」


 彼女は、泣きながら俺に抱きついてきた。よっぽど心配してくれていたのだろう。


「元気だから大丈夫だ、メイデン」


 俺は、メイデンの頭を撫でて安心させた。メイデンは、泣き止んで落ち着くと、話始めた。


「タカシ様」


「何だ?」


「実は……」


「ソエル師匠はギルドにはこれません」


「なぜ?」


「ソエル師匠は、反帝国側の賢者として逆賊扱いされていると言ってました」


「ふむ」


「この国は、元は『クーデレ帝国』だったんです。ソエル師匠は、クーデレ帝国の賢者だったんです。ついでに言えば、死んだソエルさんの所の勇者もそうでした」


「それは初耳だ」


「その勇者の死後の話になります。クーデレ帝国の『クー・デ・レイ』国王時代に、政情不安から政権内で内部分裂が起こり、クー・デ・レイ派と、その従弟にあたるツン・デ・レイ派に分かれました」


「んん……派閥争いか」


「その後、内戦が起こり、ツン・デ・レイ派が勝利を収め、クー・デ・レイ派は逆賊になりました」


「ふむふむ」


「なので、クー・デ・レイ派だったソエル師匠は逆賊扱いなんです。それで国の政権の及ばない中立地帯の勇者の家近辺に住んでいたようです」


「逆賊扱いなのか」


「そうです。こちらに来れない理由は、私達が逆賊を仲間にしている事が帝国にバレないようわたしたちの立場を気遣って……との事だと思います」


「どのみち、バレるとまずいのね」


「それと、タカシ様」


「何だ?」


「ちゃんと魔法を習得できました。タカシ様がソエル師匠を引き合わせてくれたおかげです」


 メイデンは、急に笑顔になり、嬉しそうに報告した。


「そうか……それは良かった!」


「能力を発揮できる場をお与えいただければ、必ずご期待に添えさせていただきます」


「頼もしい限りだよ」


 軽くメイデンと話をした後、俺たちはギルド1階の診療所に向かった。ケンタ君は、診療所のベッドで寝かされていた。体の大きさの割にはベッドが小さいので、少し窮屈そうだった。


「ケンタ君、調子はどうだい?」


「ご主人様! すごく……良くなったです!」


「お、回復したか!」


「わたしたち獣人は、回復力が獣並みなので、すぐに良くなりまーす」


「そんな違いがあるのか」


「それと、ご主人様……今回とんだ失態をして申し訳ございませんでした!」


「それは、しょうがない。狙われていたなんて知らなかったからな。気にしなくていいよ」


「ありがとうございまーす」


 非戦闘員だからと、放置していた俺達の責任もある。やはり、ケンタ君にも武器は必要か。


「ケンタ君は、武器は何か使えるの?」


「昔、槍術を習ったことがありまーす」


「槍術が使えるのか……ミツユスキー、ちょっといいか」


「かしこまりました。ケンタ君の装備強化ですね。槍と鎧をこちらで用意させていただきます」


「まだ、何も言ってないんだけど……それ頼んでいいか」


「もちろんです」


 一瞬だが、ミツユスキーが有能な執事に見えた。


 これから先、危険度は増すだろう。水着みたいな軽装のケンタ君は、戦闘になったら格好の餌食だ。非戦闘員でも、身を守れるぐらいの万全な装備をさせておかなければならない事を、俺は今回の件で思い知った。


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