エピローグ
勇者の印を受け取った俺は、ギルドへ行き、転職を済ませた。
転職というよりは、守護騎士に勇者のスキルが上乗せされる形だ。強いて言えば守護騎士の勇者だ。基本は変わらない。
──それから、数日が経過した──
今日は、勇者お披露目の日だ。俺は、ロッジの自室にいた。
今は日が昇る、少し前の時間だ。渓谷ルートの中腹でケンタ君を待たせている。半日で城に行けるはずだ。
俺は、お披露目にはあまり乗り気じゃなかった。勇者のお披露目は他国への牽制にすぎないとソエルは言っていた。北の魔女を倒すことができる勇者のいる国家だと、自慢したいだけなのだ。
まあ、スパイが送り込まれてくるぐらいだ。詳しいことはよくわからないが、この国に勇者が存在すると、他国にとっては都合が悪いのだろう。
まあ、何かあったとしても、俺には拒否権がある。実際、使えるかどうかはわからないが、うまくごまかしてやるつもりだ。
俺は、机の上に置いておいた仲間銃を手に取った。
今ではただの銃だが、思えば、こいつのおかげで本当の仲間を持つことができたんだな……。
俺は、仲間銃に感謝し、机の引き出しの奥にしまった。
「マスター、準備が整ったそうです。皆外で待っています」
「そうか、ありがとうサヤ。元に戻ってくれ」
サヤは、夢幻真剣に姿を変えた。俺は、それを腰に差す。
俺の異世界無双計画は、まだ始まったばかりだ。
読んでくださってありがとうございました。
これにて本編、完結とさせていただきます!
短い文章で、長々と投稿してまいりましたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。
いたらない点もあったと思いますが、ご指摘いただければ幸いです。