表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
じょばれ! 〜城上女子高校バレーボール部〜  作者: 綿貫エコナ
第二章(城上女子) VS音成女子高校
21/374

ねたばれ1

『ねたばれ』は、城上女バレー部の日常を主に台詞で四コマ漫画風に描くものです。過度な期待はしないでください。

<登場人物>


宇奈月うなづき実花みか:バレー大好き少女。一年生。声が大きい。


三園みそのひかり:中学時代はリベロ。一年生。背が低く、癖っ毛。


藤島ふじしまとおる:中学時代はレフト。一年生。背がとても高い。


霧咲きりさき音々(ねおん):中学時代はセッター。一年生。バレーなんて興味ない、と言っているが……。


北山きたやま梨衣菜りいな:中学時代は水泳部。一年生。漫画『High-Q!!』に感銘を受けた。


岩村いわむら万智まち:城上女バレー部・主将。二年生。テディベアに似ている。


道重みちしげ幸子さちこ:中学時代はバスケ部。一年生。透、音々のクラスメイト。


星野ほしの珠実たまみ:中学時代はバスケ部。一年生。幸子と同中。実花、ひかりのクラスメイト。




 * 身長差1


 ――体育・ミニゲーム後・色々あって談笑中。


幸子「にしても、藤島さんって本当に背高いよねー。何センチあるの?」


透「この間の身体測定では……181センチ、だった」


音々「ちなみに、前に計ったときからは?」


透「……2センチ伸びてた……」


実花「ひかりんはー?」


ひかり「私は前に計ったときから1センチも伸びてませんよ」


珠実「ひかりん、150ある?」


ひかり「いえ。147センチです」


幸子「藤島さんとは34センチ差かぁ」


珠実「おっ、ぎゅっとしやすい身長差に近いね!」


透「ぎゅ、えっ!? な、なにそれ!?」


珠実「ネットで良く見るコピペだよ。32センチの身長差が一番ぎゅっとしやすいんだってー」


透「ぎゅっ!? 三園さんに、ぎゅっと……!!」


ひかり「藤島さん? 大丈夫ですか? 顔真っ赤ですよ?」


音々(あれ? 『に』……? 『を』じゃなくて?)




 * 身長差2


幸子「同じやつで、キスしやすいのが12センチ差ってのもあるよね」


珠実「12センチ差って実際どんなもんなの?」


音々「あたし(172)と道重(159)くらいね」


ひかり「それを言うなら、私(147)と道重さん(159)がぴったりです」


幸子「なんと! これは両手に花ならぬ上下に花ですな!」


珠実「検証してみましょうよ! 検証!」


実花「よしっ、じゃあ、まずはひかりんからだ! むちゅー!」


ひかり「おいやめろです」




 * 身長差3


珠実「あと、理想のカップルは15センチ差らしいよ。さあ、みんな自分の身長に15を足すのだ!」


幸子「私、174! ほどよい!」


珠実「私は176! こんなもんね!」


ひかり「162ですか。なるほど」


音々「187は……あまり見ないわね」


透「えっと、私、196になるんですがそれは……」


実花「大丈夫だよ、とーるう!」


透「えっ?」


実花「私、180だよ!」


ひかり「いや大丈夫の意味がわかりません」




 * バスケットボール


幸子「いやー、でも話せば話すほど、藤島さんの背の高さがわかるわ」


透「あはは……」


珠実「ねえ、藤島さん! ちょっとダンクに挑戦してみない?」


透「え? い、いや、さすがにダンクは無理だよ。中学のときやってみたけど」


音々(やってみたんだ……)


幸子「でも、2センチ伸びてたんでしょ? 今ならいけるかも!」


珠実「そうだよ! 藤島さん、ジャンプ力もすごいし!」


透「じゃ、じゃあ一回だけ……たぶんご期待には副えないからね……?」


実花「はいっ、ボールどーぞ!」


透「あ、ありがと」


 わしっ。


幸子(ええっ!? ボール片手で持った!?)


珠実(すごいナチュラルに片手持ちしたわ!)


音々(バスケットボールを片手で持てる女子初めて見た……)


ひかり(さすが藤島さんです)


透「えっ? な、なに……?」




 * バスケットゴール


透「え、えっと、じゃあ……行きますっ!」


幸子・珠実「頑張って! 藤島さんならできる!」


透「む、無理だってばー」


音々(と言いつつできてしまいそうな気がする)


ひかり「頑張ってください、藤島さん」


透「えっ、が、わ……わかったよっ!!」


 だっだっだっ、


透「えいっ」


実花「おおっ!」


幸子・珠実(跳んだ!)


音々・ひかり(高いっ!)


透「やっ!」


 がんっ!!


幸子・珠実・音々・ひかり(リング直撃!?)


実花「おおおー!」


透「あぅぅ、やっぱり無理だったかぁ……」


幸子(藤島さん、なんかしょんぼりしてるけど!)


珠実(バスケットゴールのリングの高さは305センチ!)


音々(片手持ちしたボールをリングに直撃させるってことは)


ひかり(最高到達点は一体どれほどになるのやら)


透(ううぅ……みんな黙っちゃった。変な空気になっちゃったよぉ……)


実花「ねっ! とーるう! もう一回もう一回!!」




 * High-Q!!


 ――音成女子へ移動中


梨衣菜「ところでっス!」


音々「なによいきなり」


梨衣菜「自分、まだ三園殿の意見を聞いてないっス!」


ひかり「私の意見、とは?」


万智「もちろん『High-Q!!』のことだよねぇ?」


梨衣菜「いえっス! その通り!」


ひかり「あー……」


実花「私も聞きたいなー! ぜひぜひ!」


透(わ、私も気になる……! すごくっ!)


ひかり「まあ別に隠すつもりはないので言いますが」


梨衣菜「お願いしまっス!」


ひかり「日向ひゅうが総受けです」


梨衣菜「ふぉぉぉぉおぉぉ総受けとな!!」


万智・実花「おぉー!!」


透(三園さんは総受け……!? 三園さん総受けっ!?)


音々「ちょ、藤島! 急にふらふらしてどうしたの!? あとさっきからみんなが話してるやつなんなの!? 気になるんだけど!!」




 * 布教用


梨衣菜「わかったっス! 霧咲殿! 自分、明日『High-Q!!』全巻持ってくるっス!」


音々「えっ? 全巻を一気に? 有難いけど、北山は困らないの? 毎日読むくらい好きな漫画なんでしょ?」


梨衣菜「問題ないっス! 布教用ふきょうようっスから!」


音々「え、えっと、その……不教養ふきょうようでごめん」


梨衣菜「? 何を言ってるっスか、霧咲殿」


音々「あたしもあんたに同じことを言いたい」




 * 後日


 ――後日・霧咲家


音々「で、これが『High-Q!!』。バレーを題材にした少年漫画なのね。どれどれ」


 読書中。


音々「ふーん……この影山かげざんってやつ、なかなかやるじゃない」


 読書中。


音々「面白いわね……」


 読書中。


音々「……ふう、読み終わった」


音々「………………」


音々「どうしよう。読み終わったけど北山たちが何を言ってたのかわからない」




 * さらに後日


音々「はい、北山。ありがとう」


梨衣菜「いかがでしたっスか!?」


音々「とても面白かったわ。まだ続くみたいだし、せっかくだから一巻から集めてみようと思う」


梨衣菜「それは何よりっス!!」


音々「でも、その……なんだっけ? 日影?」


梨衣菜「そう! 日影っス!」


音々「悪いんだけど、ちょっと、意味がよくわからなかったわ。どういうことなの?」


梨衣菜「日向ひゅうがが攻め! 影山かげざんが受けってことっス!」


音々「っ! わかったわ!」


梨衣菜「おおおお!!」


音々「で、でも、漫画を読んだ限りでは、影日、って言えばいいの? 影山かげざんが攻めで日向ひゅうがが受けに思えたけど」


梨衣菜「よし、霧咲殿! ちょっと戦争するっスか!!」


音々「えええぇー!?」




 * 攻め受け


音々「ま、待って! あたしなんか変なこと言った?」


梨衣菜「変ではないっス! 趣味嗜好は人それぞれ! ただ自分とは相容れないというだけっス!」


音々「で、でも、やっぱり、日向ひゅうがだと性格的にも遠慮しちゃうし、影山かげざんが攻めるのが普通なんじゃない?」


梨衣菜「逆に考えるっス! 日向ひゅうがは性格的に強気に出れるタイプじゃない――だからこその攻めだと!!」


音々「う、上手くいかないんじゃ……?」


梨衣菜「そこがいいんじゃないっスか!? ぎこちなくても、ちょっとくらい下手でも、好きだから頑張れるんス! 足りない分は気持ちでカバーっス!!」


音々「な……なるほど」


梨衣菜「わかってくれたっスか!?」


音々「え、ええ。そうね。好きだから……自分から一歩踏み出す。うん、素敵だと思うわ」


梨衣菜「霧咲殿ー!!」




 * 納得


音々(よし。ようやく北山たちが何を話していたのかわかったわ)


音々(みんなが話していたのは、誰が攻めて、誰が受けるのが似合うか、ってことだったのね)


音々(対人練習で、スパイクを打つ『攻め』。それをレシーブする『受け』)


音々(あたしは、上級者の影山かげざんがスパイクを打って、レシーブの下手な日向ひゅうががそれを受ける……のが普通だと思った。実際、そういうシーンはあったし)


音々(でも、北山的には、逆なのよね)


音々(日向ひゅうが影山かげざんほど上手くないけど、バレーが好きだから、自分から一歩踏み出して、受けるだけじゃなく攻めもやってみる、と)


音々(日向ひゅうがはアタッカーだもんね。対人ではレシーブ側がトスを上げることになるから、そういう意味で、セッターの影山かげざんが受けに回るのは自然なこと)


音々(三園の言ってた総受けってのは……たぶん、誰からのスパイクでも受けるってことよね。人懐っこい日向ひゅうがが色んな人に『スパイク打ってください』って頼みにいくイメージかしら。リベロの三園らしい発想だわ)


音々(他にも専門用語があるみたいだけど……基本は攻め(スパイク)受け(レシーブ)。よし、これで次からは話についていけるわ!)




 * さらに納得


梨衣菜「あ、そうっス、霧咲殿!」


音々「なに?」


梨衣菜「『High-Q!!』以外にも、楽しめる作品ってまだまだいっぱいあってっスね!」


音々「へ、へえ(バレーの漫画ってそんなにたくさんあるの……?)。例えば?」


梨衣菜「もう完結したっスけど、『白子しろこのバスケ』っていう漫画もなかなか良いっスよ!」


音々(ん……バスケ? ああ、攻め(オフェンス)受け(ディフェンス)ってことかしら。いや、でも、ディフェンスなら『受け』じゃなくて『守り』な気が……)


梨衣菜「あと、『Freedom!』っていう水泳のアニメとか!」


音々(え? 水泳で攻め受け……? クロール攻め、水飛沫受け、的な?)


梨衣菜「『泣虫なきむしペダル』っていう自転車競技の漫画とか!」


音々(自転車!? どういうこと? コーナー攻めとか、上り坂受けとか、そんな感じ!?)


梨衣菜「『進軍の巨人』とか!」


音々(それ知ってる! でも、あれで攻め受け? 巨人総攻めってこと!? だとすると壁総受け? は?)


梨衣菜「他にもたくさんあるっス!!」


音々「ごめん、北山。あたし『High-Q!!』だけでお腹いっぱいだわ」


梨衣菜「そっスか! ま、興味が湧いたらいつでも言ってくださいっス!!」


音々「う、うん、ありがとう……」


音々(結局よくわからなかったけれど、深入りしないほうがいい世界だというのは、よくわかったわ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ