41.譲れない戦い②
1時間ほど経過して寝室のドアが開いた。
「……待たせました。話の続きをしましょ」
何かを決意したような表情でベルが部屋からでてきた。
「私は先生を独り占めしたいと思いはあるけど……レクチェの案にのらせてもらうわ」
ベルは続ける。
「だって、二人とも私より先に進んでるし……このままじゃ先生と結婚できなくなっちゃう。それだけは絶対に嫌。メープルはスタイル良いしかわいい、レクチェはきれいでおしゃれだし、二人とも先生と一緒に住んでる。私は教え子だけどあと1年ぐらいしたらその関係も終わる。二人と協力して先生と結婚できる可能性が増えるなら……だからお願いします」
ベルは二人に頭を下げた。
「あたしたちもさっき話して、ベルさんなら仲良くできるかなって話してたんだ。アルス君のこと大好きなのは伝わってきたし、あたしたちにはわからない貴族関係のこともアルス君の力になれるから」
メープルはニコニコしながらベルの手を握る。
「ベルさん。一緒に頑張りましょう」
「私もお二人ぐらい先生と距離を詰めれるように頑張ります。……メープルさん、レクチェさん、冷たい態度をとってしまってごめんなさい。」
「わたしはベルちゃんとお呼びしてもいいですか? 仲良くしていきましょう」
「あたしはあんまり敬語が……ベルでもいい?」
「もちろんいいです。えぇと、メープルさんあんまり撫でないでください……」
メープルはベルの頭をなでている。
「ベルちゃんは素直な方が可愛いです。みんなでお風呂に入りませんか?」
「あたしも入りたいかも、汗も流したいし……」
「ベルちゃんも一緒に入りましょ。このあとご飯も食べに行くと思いますし、アルスさんに会う前に汗流しとかないとね」
「メープルさん胸がすごい……アルスさんも大きい方が好きですよね。私も大きくなるかなぁ」
ベルは自分のふくらみの小さな胸を見ながらつぶやく。
「ベルちゃんはこれから成長期ですから、心配いりませんよ」
「だといいですけど……メープルさんはどうやってそんなに大きくなったんですか?」
「特に何もしてないけど……」
困ったようにメープルが返事をする。
「ベル、メープルは参考にならないよ。食べた栄養が全部胸にいってるのよ。」
「レクチェひどーい。でもアルス君、そんなにこだわりないと思うけどなぁ」
「それならよかったです。私もお二人みたいな素敵な身体を目指します!」
ベルにスタイルを褒められて二人ともまんざらではない様子だった。
◆◆◆◆
話し合いが終わったらしく、レクチェが部屋に呼びに来た。
「アルス君おまたせ。話し合い終わったよー。ご飯食べに行こっ」
「部屋はどうすればいい?」
「アルス君はこの部屋使っていいよ。あたしたちはこのまま三人部屋で大丈夫になったから」
おれたちが宿の入口に行くとベルとメープルが話していた。
「メープルさん今度お泊りに行ってもいいですか?」
「うん。ベルちゃんだったらアルス君もいいって言ってくれると思うからそのときね」
(メープルさん? ベルちゃん? この短時間でいったい何が……)
仲良く話す二人に驚く。
「あたしたちベルちゃんとは仲良くなれたから、心配いらないよ」
「そうか。なんかあったのか?」
「それは秘密かなー」
片目をつむりかわいくウインクする。
「わかったよ。でもこれで旅が楽しくなりそうだな」
おれたちは夕食を食べに行き、翌日の移動の打ち合わせをした。
いよいよ明日王都に到着する。




