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28.修行と実験①

最近ベルの成長の速さ嬉しくもあり、恐ろしくもあった。

おれの成長速度を上回っているため、このままでは魔法技能で追いつかれてしまう。


(このままのペースだとあと1年後には……。)


教え子に抜かれるのはある意味いいことだが、おれも負けたくはない。

今週の休みはダンジョンで修業することに決めた。


食事のこともあるので同居人の二人にも相談しておく。

レクチェはついてきたがっていたがギルドの仕事もあったので、今回は不参加だ。

メープルから二日分の食事をもらいアイテム袋にしまう。


◆◆◆◆


ギーロ山の奥地にある中級ダンジョンに着いた。

入口にはギルド職員が数人いた。

その一人がダンジョンに入ろうとするおれを見つけ声をかけてきた。


「君一人で潜るのか?」


「あぁ、そのつもりだよ」


ギルドカードを見せると、おれのことを知っていたようだ。


「君が噂の……大丈夫だとは思うけどソロは危ないから注意してくれよ」


「分かった。気を付けるよ」


ダンジョン内部は以前とは違い、多くの冒険者でにぎわっていた。


戦闘の邪魔にならないように一気にダンジョン内を駆け抜け、15階層まで下りる。

階段の場所は大体覚えているため、迷うことはない。


途中のモンスターとの戦闘は魔法で一気に片付け、火球で燃やし尽くしておいた。




「この辺りでいいか」


八時間ほどかけ15階層に到着した。

ここまでくると冒険者はほとんどいない。

たまにパーティでゴーレム狩りをしているが離れていれば迷惑をかけることもないはずだ。


アイアンゴーレムが現れたので早速魔法を試してみる。

新しい魔法のイメージは頭の中にある。


(水球よりも魔力を溜めて……ダメか)

水球が直径1mを超えたぐらいから球体を維持できなくなって割れてしまう。


ゴーレムが接近してくるがいったん氷壁で押し返す。


今度は魔力を溜めながら魔力に流れを作り、高速で回転させる。

回転の力で魔力を圧縮しながら水球のサイズを大きくしていく。


(魔力が維持できないなら維持できるように魔力の流れを作れば……)


「よし。このまま風の魔力を使って押し出して……」


ドッゴーーーン


放たれた魔法はアイアンゴーレムの身体を簡単に貫いた。

破壊力だけなら水風刃を超えている威力だ。


「できた。水大砲(ウォーターキャノン)でも名付けるか」


新しい魔法ができたのは良かった。

が、今思いついてるのはこの魔法ぐらいだ。


移動しながら頭の中で可能性を探る。


今使えるのは主に弾系、球系、槍系、盾系、刃系で単体攻撃がほとんどだ。

探知系や範囲攻撃、移動系の魔法を覚えたいところだが……。


範囲魔法は大規模に魔力を使えば、火でも水でも氷でもできそうな気はする。

ただ探知や移動につながる可能性がありそうなのは……『風』だとおれは思っている。


風魔法は他の魔法に比べると威力が低い。

見えにくいという特徴は強みだが、真に能力を発揮するのは他の魔法とハイブリットさせることや弾速をあげることで威力の底上げにつながるところだ。

今はまだ水魔法としかできてないが、もう少し研究していけば他の属性ともできると思う。



(風魔法で移動速度を上げるとなると、弾速をあげるときのように風魔法で自身の身体を押すか、足の裏から魔法を発動してロケットのように進む感じか)


広いスペースに着いたので試しにやってみることにした。


「身体を風で押すイメージで……」


ドンッ


「痛っ」


結果は大失敗。

移動速度が速すぎて、制御できずに壁に衝突した。

緊急の場合は使えるかもしれないが、通常の戦闘で壁にぶつかってたら、自滅してしまう。


長時間移動するときに弱い追い風を吹かせるぐらいにしておいた方がよさそうだ。



もう一つの案だった、足の裏から出す方もやってみたがこっちの方はいい感触だった。

瞬間的に風を出すことで、出足で加速したりやブレーキをかけることができ戦闘にも応用できそうだ。

ただ、足から魔法をだすことに慣れていないので発動が遅いのと、魔法の出力は練習が必要になると思う。


風噴流(ジェットムーブ)とでも名付けとくか)



移動魔法に目途が立ったので次は探知を考えることにした。


(探知系はソナーのように弱い風の波を放って、辺りを探る感じか……)


(自分を中心に弱い波を放つ感覚……跳ね返ってきた波に意識を集中する)


「うーん。これは微妙だな」


風の波だとちょっと跳ね返りが弱く、大きな障害物はぎりぎり分かるもののそれ以外は分からない。


(跳ね返った魔法をキャッチして探知するアイデアはあってる気がするが……)


その時、転生前の知識が頭によぎる。

(位置を把握するGPSは電波を使ってたはず。なら探知に最適なのは風じゃなくて雷魔法の方か!)


おれは両腕を軽く広げ、アンテナ代わりにした。


電波探知(ソナー)


両手から電波を放ち、前後左右から跳ね返ってくる電波をキャッチする。

跳ね返りの速度や強度を感覚的に把握する。


「これだ!」


なんとなくだが近くのダンジョンの構造、近くのモンスターの位置までわかる気がする。


(感覚的にはその通路を入ったら、モンスターがいる気がするが……)


確認に行くと

「いたな。ゴーレム」


通路にはしっかりとサンドゴーレムがいた。


魔法で瞬殺し、電波探知の研究を続ける。

移動しながら、探知をしては確認、探知をしては確認を繰り返す。



50回を超えたぐらいから、電波探知にも慣れ始め、この魔法について理解が進んできた。


自分を中心に全方位探知もできるが、有効範囲が30mぐらいになる。

それ以上だと電波の跳ね返りが多すぎて、頭で処理ができない。


方向を定めて電波探知をすると、100mぐらいは行けそうな感じだ。


移動系魔法と探知系魔法を考え始めてからだいぶ時間がたった。

成功した高揚感でダンジョンをどんどん進んでいたが、疲れを感じ始めたので一旦休憩をすることにした。


メープルが作ってくれた食事を食べながら、軽く横になる。

少し寒いが氷魔法で壁をつくり、たまに電波探知をしながらモンスターの不意打ちに備えておく。


(ダンジョンに潜り始めてから20時間か……今日は充実してたな。あと24時間に街に戻るとして、どこまでできるか)


魔法のことを考えながら、眠りに落ちていった。




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