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26.引っ越し③

 メープルの作ってくれた夕食を食べながら、今後の話をする。


「一緒に生活するし、レクチェにもあのことを話してもいいか?」


 メープルはコクリと頷く。


「なになに? 内緒話?」

 レクチェはおれの顔を覗き込むように見てくる。


「おれのスキルの話だよ。前にクインティプル(5属性魔法使い)って話はしたよな。それ以外にも固有魔法があって……」


 自分の持っているスキルをレクチェに伝えた。

 一緒に生活するんだ、信頼できる人にはあまり隠し事はしたくない。


「すっっごいね。5属性魔法が使えるだけでも化け物じみてるのに……鑑定もあるってことはあの時やっぱりあたしのスキル見たんだー」


 キャーっと両手で胸を抑え、おれを見る。


「……すまん。つい……」


「ならあたしのスキルはもう知ってるってことかー。びっくりさせたかったんだけど……」


「身体能力強化と短剣スキルは見れたけど、あと一つは鑑定のレベルが低すぎて見れなかったよ」


「あ、そうなの。あと一つは『直感』だよ。結構レアなスキルで、第六感が働く時があって、頭にピーンってくるんだ」


「だからあの時鑑定したのがばれそうになったのか」


「そういうこと、何かみられたなーって感じたから。でも確証はなかったからね。ばれないようにしなよー。マナー的にはグレーゾーンだから」


「分かったよ。今後は気を付けることにするよ。メープルに魔法のことは……」


 くびを振るレクチェ。

 どうやらまだ伝えていないらしい。

「あのね、メープル。あたし実は魔導書で雷魔法のスキルを手に入れたんだ」


「えぇぇぇぇぇ。レクチェ、魔導書見つけたんですか?」

 信じられないという表情のメープル。


「この間、ギーロ山の奥地ダンジョンの初回クリアでドロップしたんだ。で、その魔導書をもらう対価であたしはアルス君のものになっちゃったんだー」

 えへへっと嬉しそうに話す。


「そうなんですか、アルスさん?謎の金属だけじゃなかったんですかー?」


「黙ったことは謝るよ。でも、対価の話はレクチェが強引に……」


「分かりました。魔導書の話はギルドマスターにも?」


「もちろん言ってないよ。間違いなく騒ぎになるし……内緒じゃだめかな?」


「そう……ですよね。わたしもも黙っときます」


 レクチェの話も終わり今度はメープルの話になった。


「アルスさんもしかしてわたしのスキルもご存じですか?」


「さっき気になって……でもまだ見てないよ」


「アルスさんやレクチェみたいにレアなスキルではないんですが……見てみてください」


 言われたとおりにメープルを鑑定する。


 ステータス

 名前 メープル 

 スキル 

 料理    C/A

 事務    C/B

 回復魔法  E/D


「回復魔法……」


「そうです一応スキルは持ってるんですが、そのレベルが低すぎてあんまり役には……」


「ミノタウロスとの戦闘で怪我した時、治りが早かったのは……そういうことだったのか」

 やけに怪我の治りが早く、傷も目立たなくなっていた理由がやっと判明した。


「レベルが低いと治すのにかなり時間がかかっちゃって……わたしは料理で貢献出来たらって思ってます」


「メープルのご飯が毎日食べれるなんてアルス君幸せ者だね~」


「ほんとだな。この夕食もかなりおいしいしお店をだせるレベルじゃないか」


 毎日おいしい食事が食べられるのはほんとにありがたい。

 お風呂もあるし、あとは誰かに見つからないように祈るだけだ。


 ◆◆◆◆


 食事を食べ終わった後は雷魔法の話になった。

「なんで、成功しないんのかなぁ」


「庭でやってみるか?」


 この家のいいところは庭が広く、囲いがあり、外からは見えない。

 よほどうるさくしなければ魔法を使ってもばれないはずだ。


「サンダバレット」

 レクチェは雷魔法を放とうとするが発動しない。


(これは……ベルと同じか)


 レクチェはたぶん20手前ぐらいのはず。

 これまで魔力回路が使われたことが無かったから、魔力がうまく流れていかない。

 ということはまたアレをしないといけないのか……がんばれおれの理性。


「アルス君、何か分かった?」

 何も知らないレクチェはのんきに聞いてくる。


「分かったけど……」


「けど? あたしはどうしたらいいのかな?」


「治せるけど先に説明させてくれないか。できればメープルにも聞いてもらいたい」


 二人ともそろったところで説明を始める。

 もちろん一番大事な魔力酔いについてもだ。


 説明がおわるとレクチェがニヤニヤしながらそばに来て手を握ってきた。

「あたしはいつでもいいよ。アルス君の魔力楽しみにしてる」


「からかうなよ。始めるか。メープルも近くにいてくれ」

 魔力操作には慣れているが、一応メープルにも待機してもらう。


 レクチェと両手を繋ぎ、魔力を注入する。

 回路を壊さないように慎重に魔力で押し広げる。


「ふぁ。これが魔力……」


 初めて感じる魔力に少し驚いているようだ。


 ほどなくして魔力酔いの症状が出始める。

 トロンとした目、火照った身体……


「身体に異常はないか?」


「らいじょぶらいじょぶ。きもちいねこれ」


(やばい、エロすぎる。ベルは小さかったから大丈夫だったけど……)

 目をつむりこれ以上レクチェを見ないようにする。


「あるすくーん。こっちみてよ。えへへ」


(早くしないとおれのりせいが……)

 どんどんすり減っていく自分の理性を自覚しながらもなんとか回路を開通させた。


「終わった!メープル頼む」


「任せてください。酔い覚ましの魔法(ヒールティピュシー)

 なんとメープルは回復魔法(ヒール)と酔い覚ましの魔法を使えたのだ。

 これは非常に助かる。


 正気に戻ったレクチェはつまらなそうな態度であった。

「もう少し、あの状態でもよかったのにー。メープルも今度やってもらいなよ。すっごく気持ちいいよ」


「ダメだって、メープルが酔ったら誰も治せないだろ?」


「そこはほら、時間が解決してくれるよ」


 レクチェは冗談が言えるぐらいに回復しているようだ。


「雷魔法撃ってみたらどうだ?」


「やってみるね。雷弾(サンダーバレット)

 杖から勢いよく放たれた雷弾は木に当たり消滅した。


「成功だな。あとは繰り返しの修業次第で上達するとおもうぞ。次はおれに短剣を教えてくれないか」


「もちろん。あとで修業の仕方も教えてよね」


 おれたちは遅くまで魔法と短剣の練習にのめりこんだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

現在のアルス君のステータスです。

ステータス

名前 アルス 

スキル 教師(鑑定C/S、教育B/S、武具扱いD/A、スタミナC/A)

    魔法(火E/S、水C/S、風C/S、氷C/S、雷D/S)

    秘匿 D/A


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