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14.レクチェとデート?①

 翌朝、レクチェとの集合場所は、薬屋だった。

 店の中でポーションを見ながら待ってると、荷物を抱えたレクチェがやってきた。


「おまたせ―。ごめんね、買い物してたら遅れちゃった。これアイテム袋に入れておいてもらえる?」


「いいけどこれは?」


「内緒。ポーションは買った? まだなら、回復ポーションと上級回復ポーション、魔力ポーションと…」


 次々にかごに入れ、お会計へと向かう。

 

「じゃこれもお願い」


 購入したポーション類もアイテム袋に収納し、店を出る。


「じゃあ、ダンジョンいこっか」


 レクチェとのデートの行先はまさかのダンジョンであった。


「え?」



 おれは何も理解できないまま、勢いでダンジョンへと連れていかれた。


 到着した場所はどうにも見覚えのある場所であった。


(こっちの方かよ)


 レクチェは新ダンジョンの方に行くというのだ。


「こっちはAランク冒険者が確認するまで立ち入り禁止じゃなかったか?」


「そうだよー。だから早くクリアしないとね」


 頭がこんがらがっているおれにレクチェが説明をしてくれる。

「王都のギルドでここの調査を依頼しているんだけど、そろそろ決まりそうらしいのっ。だからそれより早く、最深部に行こうってこと」


「おれたち2人で攻略ってこと?」


「そうだよ。あたし元Bランク、アルス君は特別魔物のミノタウロス倒してるし実質Aランクみたいなものでしょ」


「レクチェBランクだったのか……。ダンジョンに入ることはモラードには言ってあるのか?」


「そこはばっちり。こないだの調査の特別ボーナスで無理やり許可をもらったよ。ただ、2日間しか待てないって。それ以上は依頼が決まるから帰ってこいって言われてる」


「でもなぁー。ミノタウロスより強いモンスターが出たら……」


「そのときはアルス君が守ってくれるよね? たぶん、大丈夫だと思うよ。あんな上層部でミノタウロス出てくることなんて、めったにないから。それに、初踏破できたらドロップもおいしいよ」


「……わかった。やばくなったらすぐに帰る、それでいいなら行くよ」


「よーし、決まり。ガンバロー」



 おれたちはダンジョンの中を移動しながら、作戦を立てた。


 前衛はレクチェ。

 種族的に耳がいいのと、直感が働くので斥候としてダンジョンに潜っていたとのこと。


 後ろからおれがついていき、敵を補足したら魔法で倒すことになった。


 1~4階層まではマッピングが終わっていたので、ほぼフリーパス状態だった。

 モンスターもボアやゴブリン程度で特に苦戦することもなかった。


 5階層から先もレクチェの索敵、おれの魔法で止まることなく進んでいき、5時間ぐらいで10階層に続く階段へとたどり着いた。


「次は10階層、ボス部屋だよ。少し休憩しよっか。アイテム袋に入れてもらった食料、もらってもいい?」


「はいよ。おれも飲み物もらうよ」


 この階層まで楽々進んできたが、レクチェのレベルの高さには驚かされる。


(どうして受付嬢してるんだろう。冒険者でもやっていけるはずなのに……)


「アルス君魔力はまだ大丈夫?ポーション飲んどく?」


「大丈夫。まだ余裕あるよ」


「さすがだね。アルス君ボス部屋は初めてだよね。ボス部屋のフロアは大きな空間になってて、1部屋のみなの。だから階段下りたら、すぐ戦いが始まるからそのつもりでね」


「了解。じゃあ行くか」



 階段を下りるとそこでおれたちを待ち構えていたのは、緑の大きな巨体、右手に鉈、左手に小盾を装備したオークであった。


「オークだね。あたしが引き付けるからその間に……」


「水刃」


 ドォォン

 放たれた水刃はオークの命を一瞬で刈り取った。


 レクチェが驚いた表情で振り返る。


「倒したけど……」


「もー早すぎるよ。あたし何も出来なかったじゃん。ミノタウロスとの戦いでだいぶ腕を上げたね」


 オークの遺体のそばにはドロップ品の腕輪が落ちていた。


「うーん。あんまりドロップなかったね。これだけか―」


 鑑定してみると魔封じの腕輪と表示された。

「これ魔力を抑える効果のある腕輪みたいだ。使えるのか……」


「とりあえず持って帰って考えよー」


 魔封じの腕輪、オークの装備、血抜きした肉、魔石をアイテム袋に入れ、先に進む。

 オークの肉は見た目に反してかなりおいしいらしい。


 11階層からはモンスターのレベルも上がり、ワイルボアやゴブリンが集団で出現するようになった。


 ゴブリンは単体では弱いが、リーダーの役割ができるホブゴブリンやゴブリンシャーマンがいるとかなり厄介だ。


 自分たちは後方で身を隠し、部下に連携をさせ攻撃を仕掛けてくる。


 おれが魔法で注意を引き付け、その間にレクチェがリーダーを倒すことで進んでいたが、先ほどよりも進行速度は出せなくなっていた。


「今、どのぐらい時間がたったんだ?」


「潜り始めて1日は過ぎたね。階段見つけたら休憩しようか」


 二人ともダメージこそ受けていないものの、連戦と長時間の休憩をとっていないため見た目以上につかれていた。



「あったよ。16階の階段。きゅうけーーい」


 おれたちは此処で長めの休憩をとることにした。


 軽食や水分を取り、交代で横になり身体を休める。


「アルス君、昨日のデートはどうだったの?」


「昨日はメープルに買い物に付き合ってもらって……お礼のプレゼントも渡したよ」


「よかった。メープルこないだの件で疲れてたから、良い息抜きになったと思う」


「レクチェにもこれ……あの時ミノタウロスがいると分かってて助けに来てくれただろ」


「あたしもいいの? ありがと。――これ多分付与ついてるよね?」


「よく分かったな。レクチェのは俊敏性、メープルのは幸運の付与が付いてるのを選んだんだ」


「スキルもデザインもセンスいい!大事にさせてもらうね」


 レクチェにも喜んでもらえてよかった。



 二人とも身体を休め終え、次の階層に向かうことにした。


 16階層からは出現するモンスターが変わった。

 ゴーレム系が多数出現するようになった。

 硬い石、金属で身体が覆われ、物理攻撃が効きずらいゴーレムだが魔法には滅法弱い。


 ゴーレム集団ででてくることは少なく、サンドゴーレム、ロックゴーレム、アイアンゴーレム、ブロンズゴーレムたちを一方的に倒していった。


 ゴーレムたちからは金属が取れ、レクチェもニコニコしながら拾っていた。

 ギルド的にも金属素材が取れるダンジョンは価値が高いらしい。


 ゴーレムから採取しながら疑問に思ってた質問をぶつける。

「なぁ、レクチェはなんでギルドの受付やってるんだ? 前は冒険者だったんだろ?」


 レクチェの表情が曇った。

「……以前組んでたパーティで裏切られたの。それで死にかけてダンジョンが怖くなったの。その時にギルマスから声をかけられて……」


「そんな……ごめん。軽々しく聞いていいことじゃなかった」


「うん、でももう大丈夫。今はこうしてダンジョンに入れるようになったから」


 おれは聞いたことを少し後悔した。

すみません。25連勤&残業で発熱して倒れてました。

また今日からがんばります。


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