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崖下

こんにちは

「どこまでいくんだ」

「安心しろ、もうすぐつく」


 町から南に向けてかなりの距離を歩いた。代わり映えのない森の中をエミリスと進んでいく。

 時々遭遇する魔物はレイクが狂化するまでもなくエミリスが倒していく。エミリスは街の中ではトップクラスの冒険者で、この辺りの魔物なら難なく倒すことができる実力を持っている。

 他の街に依頼されて魔物討伐をしにいくことはあっても、エミリスはこの町を離れることはない。それはエミリアがこの町にいるからに他ならない。


「ついたぞ」


 そこは崖の真下だった。6メートルくらいはあるだろう壁が立ちふさがって、これ以上前に進むことはできなくなっている。

 崖の他には何もないように思えたが、崖の下にそこそこ大きな穴が空いているのが見える。斜め下に向かって伸びているその穴が、今日の目的地らしかった。


「この洞窟の奥はほとんど光が届かない暗闇だ。炎の魔法が使えるやつか松明でも持っていない限り、まず入るやつはいないだろう」


 中を覗くと、うっすら地面が見える。斜面ではあるがかなり急で、道具無しで降りたいとは思わない。


「中にいる魔物は聴覚や嗅覚に優れていて暗闇の中でも動けるやつらが多い。その分攻撃力は低いがな」


 暗闇の中で相手から一方的に攻撃され続ければ、暗闇であることも重なって恐怖に陥るだろう。

 しかし相手を見ずに戦う練習としてはこれ以上にない場所だろう。もちろん攻撃力が低いとはいえ、相手は人間を餌にする魔物だ。きちんと安全を確保し、万全の状態で挑まなければ危ないだろう。


「じゃ」


その言葉と共に背中に強い衝撃が当たる。レイクの体は穴の中へと放り出され、急な浮遊感に包まれた。

後ろを振り向けば小柄で可憐な少女、の見た目をした鬼がとびっきりの笑顔でこちらをみていた。


「生きて帰ってこい」


そうしてレイクは穴の中の暗闇へと転がり落ちていった。

落ちました

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