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酒場

新キャラ

 男が一人、酒場のカウンター酒を飲んでいる。ジョッキに並々と注がれたエールを一気に飲み干すその男の名前はレイク。

 ボロボロの恰好でクエスト帰りにそのまま酒場に寄って飲んでいた。


 「世界とか滅べばいいのに」


 そして彼はすでに出来上がっていた。

 目隠しを取ったレイクはストレイトディアを見た瞬間、意識を失って気が付いたら採取する箇所のないほどに切り刻まれてたたき潰されたストレイトディアだったものがその場に落ちていた。

 防御を捨てて攻撃するレイクにとって、同じくただまっすぐに突進して攻撃してくるストレイトディアの攻撃は相性が悪く、狂化状態になってからもかなり攻撃を受けた。攻撃を防いでからとか、動きを止めてからとか、そういった行動が候補にすらないレイクにはストレイトディアの攻撃を受ける可能性が高くなる。

 そうしてなんとか帰ってきたレイクは一人寂しく酒を煽って、世界の滅びをぼやいていた。


 「よう、レイ坊。相変わらず根暗だな」


 いつのまにか隣の席に座っていた女性が話しかけてきた。

 カウンターの高い椅子に乗ると足が届かないほどの小柄な容姿。左右の腰にはそれぞれ短剣が刺さっていて、防具は必要な場所のみな軽めの装備。素早い動きと二本の剣で多くの攻撃を行う、質より量が彼女のスタイル。

 受付のエミリアの実の姉で、顔立ちは瓜二つで似ている。しかし髪が長くたれ目なエミリアと対象的に髪は肩までと短めで、目つきは鋭い。だから間違えることはほぼない。


 「今日は一段とボロボロだな。何と戦ったんだ?」

 「……ストレイトディア」

 「ははっ!ストレイトディアか!あんな攻撃、新人でも避けられるだろ!」

 「………」

 「ま、今のお前じゃ、そうなるだろうな」

 「知ってたのか」

 「エミリアに頼まれてな」


 エミリスは酒を頼んで一口飲む。


 「お前には一人で戦う戦い方なんてもの教えてないからな。教えても昔のお前には無駄だったし。あいつらが一緒ならそれでもいいと思ってた」


村から出て、この町で冒険者を始めた頃に、右も左もわからないレイクたちに戦い方や冒険者としての生き方を教えてくれたのはエミリスだった。

レイクもギロもアインも、彼女に育てられた。

ちなみにエミリアと違ってレイクが敬語を使わないのはエミリスが冒険者同士が堅苦しい言葉で話すのを嫌ったこともあるが、従順なエミリアを妹に持つエミリスが反抗的な弟的な存在を欲したからというのもあったりする。


 「視覚に頼らない戦い方。探してるんだろ?」


さらに一口酒を飲んだエミリスは、酒場のライトに照らされて蠱惑的な笑みを向けてくる。


 「おねえさんがいいところにつれていってやろう」


 酒が回っているからだろうか、年上とはいえ小柄すぎる体型からいつもはそんなこと思ったこともないが……少しだけその表情にドキッとしていた。

だが、エミリスの「いいところ」がいいところだった試しは、今のところない。

小柄でかっこいいキャラすき

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