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訓練

がんばってます

 次の日同じように街の門から出かける。しかし昨日と違い、街道を通らずに森の中を進んでいく。

 今日はクエストとしてではなく訓練として森に出てきていた。新しい戦い方を見つけるために。

 木の枝や茂みが引っかかったりなどして歩きづらそうにしながら進む。視界が悪く動きが制限される森の中では細心の注意を払わなければならない。周りを警戒しながらも、訓練相手の魔物を探す。


 ほどなくして少し開けた場所が見えてきた。そこから何かの鳴き声がして、近くの木に隠れるレイク。木の影から様子を伺い、鳴き声の正体を確認するとすぐに目線を戻して心を落ち着かせる。目をつむって深呼吸をし、なんとか心を狂わせないように努力する。

 泣き声の正体はストレイトディア。大きな角をもった鹿の魔物。まっすぐに突進してくるためよけるのは簡単で、新人冒険者が経験を積むときなどに戦う魔物だ。


 レイクは懐から一枚の長い布を取り出す。そしてそれを目隠しするように巻くと、背中から剣を抜く。

 目隠ししてなら魔物を視界に入れずに戦うことができ、正気を失わずに戦うことができるはず。厚い布で目隠ししているから光はほとんど入ってこない。


 木の影から飛び出してストレイトディアの前に出ると、前方から地面を蹴る音がする。

 数秒前に見た記憶から位置を予測して脳内にストレイトディアの幻影を作り出すが、性格な位置と距離が計れない。


 もっと置くか?それとももっと左?

 音がする方向はわかるがそれでも確かな姿をとらえることができずに、いつくるかわからない攻撃に不安が募る。

 視界を塞いだ状態が作りだす恐怖と戦っている間に、ストレイトディアの準備が整ったのか、レイクに向かって走り始める。

 地面を蹴る音だけが近づき、それでもやはり距離がわからない状況に身体をこわばらせ、剣を盾にするように構える。

 しかし、正確な方向もタイミングもわからない状態では足にしっかりと力を入れることもできず、ストレイトディアの大きな角と剣の腹がぶつかった瞬間、レイクの体は大きく後方に飛ばされてしまう。


「が、はぁっ!」


 そのまま後ろの木にたたきつけられて一瞬呼吸ができなくなるほどの衝撃を受ける。

 呼吸が乱れ、心臓が激しく鳴り響く。

 ストレイトディアはどこにいる。次の攻撃はいつ。防御の体勢を。でもどの方向に。

 光を閉ざし、ストレイトディアの攻撃を喰らった状況に頭が混乱している。考えなければいけないことが多く、しかも一つとしてまともに答えが出せない。

 感情が不安と恐怖に飲み込まれそうで、レイクはすぐさま頭に巻いた目隠しを外した。

がんばりましt

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