例えば、涙として悲しむという事象。
何があったのか。一瞬の事のようで僕には理解ができなかった。
「えっ……」
パニックに陥っていたのかもしれない。今まで感じた事のない感情が体を締め付けた。
「何で、どうすればよかった?」
もう、どうにもならない事はわかっていた。冷静な判断力を失っていた。
ただ淡々と涙だけが流れているのだから。
翌朝、気がつくと僕はベッドの上から天井を眺めていた。
「明日は晴れるかな?」
白い天井には何も描かれてはいない。結局は何も無いのだ。
ただ淡々と涙だけが流れているのだから。