意識が戻る(高次脳障害)
車椅子に乗っていてエレベーターで移動をしていた。
後ろを振り向くと、綺麗な看護師がいて
「何処に行くのですか」
「集中治療室から一般病棟に移ります」
エレベーターを降り、左に向かいナースステーションを過ぎ、直ぐの個室に入って行った。
ベッドに横になるように言われ、車椅子から降りてベッドに横になると、
母親と姉が入って来て、明るい表情で姉に
「大丈夫。一般病棟に移って来れて良かった」と言われ、あまり状況が分からず頷いた。
「どうなってるん」
「ここで2回倒れて、手術をして集中治療室からこっちに移って来たんや」と姉に言われ、
訳が分からず、尿意がありおしっこの管を付けていたが「トイレに行きたい」と言うと、
母親が「おしっこの管を付けてるから、そのまましたらいいから」と言って来て、
パンツを触るとおしっこの管とオムツをされていて、
「気持ち悪くてスッキリせえへんから、管を取ってトイレに行きたい」
「看護師を呼んで、聞いてみないとわからないから」
看護師を呼ぶナースコール子機を押すと、直ぐに看護師が来て
「どうされました」
「おしっこに行きたくて、おしっこの管が気持ち悪くてスッキリしないので取って貰えないですか。
オムツも外して欲しい」
「オムツは大丈夫だと思うけど、おしっこの管は先生に聞いてからじゃないと分からないので」と言って部屋から出て行き、少ししてから戻って来て、
「許可が取れたので取ります」と言って取って貰い、トイレに連れて行ってもらったが、おしっこが出なくてスッキリせずに戻って来た。
母親と姉にその事を伝えると笑っていて、看護師が
「ここが何処で、今、何月か分かりますか」
「ここは沖縄で12月」
「ここは大阪で10月ですよ」
「また、そんな冗談を言って」
3人で苦笑いをいて、看護師が出て行った。
「ここの病院はおかしい。前の都大学病院で俺のクローン人間を作っていて、ここの病院でも東南アジア系の人間を騙して連れて来て人体実験を兼ねて金持ち相手に闇の移植をしていた」
「そんな事をするはずがない。幻覚を見てたんやろう」
「え、ハッキリと覚えてるし、人体実験をしていた時の臭い匂いと映像が頭から離れない」
「集中治療室にいてる時には、ご飯を食べていなかったからな」
「匂い臭くて食べれんかった」