脳神経外科(高次脳機能障害)
「もしもし、そちらの脳外科で通院している松本純一ですが、
1週間位前に頭の中でプチンと音がして頭痛とめまいがしてるのですけど」
「診察券はありますか、診察券番号を教えてください」
「はい。08-773-337です」
「生年月日とお名前を教えてください」
「1670年12月7日で松本純一です」
「分かりました。脳外科に繋ぎますのでしばらくお待ちください」
しばらくガイダンスが流れて男性の声が受話器から聞こえた。
「お電話変わりました、脳外科の山田です。どうされました」
「1週間位前に頭の中でプチンと音がして頭痛とめまいがしてるのですけど、今もフラフラしていて頭痛があります」
「どのようにいたいですか?頭の前、後ろ、左右のどちらがいたいですか」
「分かりません、とにかく痛いです」
「吐いたりしましたか」
「吐いてませんけど、気分が悪く吐きそうです」
「直ぐに病院にきてください」
「病院まで1時間ぐらいかかりますけど大丈夫ですか」
「大丈夫です。今日は土曜日で通常の診察はしてないので救急の入り口があるので、そちらから入って救急の受付で診察券を出してください」
「分かりました」
肩から下げるタイプの鞄に通帳や印鑑、診察券など大事だと思う物を入れて家を出た。
国立脳医療研究センターまでは難波まで自転車で行き地下鉄で終点の駅で降りバスに乗り換え、国立脳医療センター前で降りて歩いて2分の所に合った。
病院に着き救急の入り口から中に入ると警備員の男性に声を掛けられ、事情を話して受付の女性を呼んでもらった。
受付の女性に事情を話して診察券を渡すと、慌てた様子で
「少し待っていて下さい。直ぐに脳外科の先生に連絡をとりますので」と言って奥に入って行き、
看護師と戻って来て救急の診察室に看護師に連れられた。
「ベッドに横になって先生が来るまで待っていて下さい」と言って看護師が何処かに行き、直ぐに戻って来て
「いつ頃から、頭のどの辺りが痛いのですか」
「1週間位前から頭の中でプチンと音がして頭痛とめまいがしてるいのですけど、今もフラフラしていて頭痛があります」
「どのようにいたいですか?頭の前、後ろ、左右のどちらがいたいですか」
「分かりません、とにかく痛いです」
「分かりました、先生が来るまで休んでいて下さい」と言って、何処かに行った。
しばらく休んでいて、かなりの時間が経ったように思えた頃に若い男が来て
「脳外科の山田です。
いつ頃から、頭のどの辺りが痛いのですか。
どのように痛みますか」
「1週間位前から頭の中でプチンと音がして頭痛とめまいがしてるのですけど、今もフラフラしていて頭痛があります」
「どのようにいたいですか?脈が打つようにズキズキとかバットで殴られているようにガンガンとか、頭の前後、左右のどちらが痛いですか」
「分かりません、とにかく痛いです。
子供の頃、小学1,2年生の頃に頭痛とめまいがよくあり、保健室で寝るとやわらいだので大丈夫だと思って我慢していたのですけど、あまりにしても痛くて痛みが続くので、おかしいと思って電話しました」
「分かりました。
直ぐに検査をしますので、しばらく休んでいてください」と言って出て行った。
しばらくすると30代位の男と山田先生が来て、30代位の男性が
「脳外科の田中です。検査の準備をしていますのでもう少し待っていて下さい」
「はい。
以前、都大学病院でバイパス手術をしてから狭いMRIに入るのが苦手になっているので検査をする時には寝かしてもらえないでしょうか」
「え、はい。分かりました、もう少し待っていてください」
「分かりました。宜しくお願いします」
少ししてから4人の若い女性の看護師と山田先生が来て
「準備が出来たので検査に行きます」と言って、4人の看護師に背中にバスタオルを敷いてもらいそれを囲うように持ちストレッチーに移され検査室に連れて行ってもらった。
CTを撮り、直ぐにMRIを撮りに別の場所に移動して、若い医者に麻酔の注射をして貰ってMRIを撮り病室に戻った。
山田先生に
「出血しています。
身内の方に連絡をとりたいのですけど、どなたか連絡が取れる方はいますか」
「はい、親に連絡を取れます。
家の電話番号をケータイに入れているので鞄を持って来てください」と言って、鞄を持って来て貰いケータイを取り電話番号を調べて伝え、
「姪にも電話を掛けたいのでケータイを持っていても大丈夫ですか?ここで電話を掛けても大丈夫ですか」
「事情が事情なので大丈夫ですよ」
「 分かりました、ありがとうございます」
「身内の方と連絡が取れたら連絡しに来ますので、 休んでいて下さい」と言って病室から出て行き、
看護師から点滴の注射をされた。
母親、父親、姉はケータイ電話を持っておらず、家に電話を掛けたが留守番電話になっていて、
メッセージを入れ、姪のケータイに電話を掛けたが留守番電話になっていたのでメッセージを入れた。
頭痛とめまいの中、朦朧としていると電話がなって電話に出た。
「どうしたん、何かあったん」と姪の声が聞こえ、
「脳出血をしてるみたいやねん」
「え、大丈夫なん。
脳内出血、くも膜下出血」
『脳内出血』って言っててた」
「脳内出血やったら大丈夫やと思うわ、くも膜下出血やったら危ないけど」
「そうか、家に話かけたけど誰もでえへんねん」
「分かった、一回かけて見るわ」
「頼むわ。所で今は何時」
「5時半」
「え、夜の朝の」
「夜の5時半やで」
「そうか、分かった。
電話頼むわ、医者に言って掛けてもらってるけど」
「分かった。
連絡取れたら電話するわ」
電話を切って暫くすると医者が来て
「身内の方と連絡がとれました。
『こちらに向かう』と言っていたので」と言われ、眠りについた。
どれくらいたったのか分からず、母親と姉の声が聞こえて目がさめた。
母親と姉が、田中先生と山田先生と何かを話していると主治医の高田先生が来て、
顔を覗き込み「大丈夫だからね。1週間位で退院できるからね」と言われ、母親と姉と何かを話して出て行った。
母親が
「顔を見たら安心した。高田先生が
『脳内出血で、1週間位で退院できる』って言っていたから大丈夫」
「そうか」
「明日香からも電話があって
『くも膜下出血じゃないから大丈夫だろう』って言ってたから、大丈夫だと思う。
今日はもう遅いから帰るから、明日また来るから」と姉に言われ、眠った。