生活保護と障害年金
部屋に戻り漫画を読み始めたが集中力が続かず読むのを辞めた。
パソコンを開き時間をつぶし、昼ご飯の時間が来たのでテレビのある場所に行くと、坂口と浦がいてテレビを見ていたので席に着いた。
しばらくすると小柄だが目つきが悪い髪を後ろで縛っている男が来て、前の席に座った。
それを見ていた浦が
「そこの席、決って座ってる人がいるよ」
「そうなんですか」と言って奥の席の方に行った。
夕食の後に、1度部屋に戻りFacebookをチェックして歯を磨いてからテレビの場所に行くと、阪神戦を川口と小柄なおじいちゃんが見ていて巨人戦ではなかったので一緒に見始めると、髪を縛っている男が来て
「一緒見ても良いか」
「ああ、全然かまわないよ」と言うと、隣の席に座った。
「ここは初めて」
「3回目」
「俺は松本。名前は」
「白石」
「何が原因で病気になったん」
「離婚。女の子2人の子供がいて、まだ小さくて下の子供が凄く懐いてたから」
「そうなんや、それはキツイな。仕事は何をしてるん」
「今は何もしてない。前は大工」
「大工、凄いな。大工だけ日当2万5千円って言われてるもんな、他の電気とかクロスの職人は日当1万5千円って言われてるやんな」
「昔の話や。今は病気のせいで図面も引かれへんし、まともな仕事が出けへん」
「そしたら収入ないやろう、障害年金か生活保護もらってるん」
「両方」
「両方って」
「障害年金と生活保護、精神の2級を持ってるから生活保護に年金2万円プラスされるねん」
「それでも知れてるけどな、生活もギリギリや」
「そうなんや。市内やったら保護費が8万の家賃が3万9千円それにプラス2万やったら13万9千円やんな」
「俺、市内ちゃうし、岸和田やから安いねん。保護費もどんどん下げられてるしな」
「そうなんや」
「嫁と離婚する時、子供がおったから全財産やったんや。少しでも返してほしいわ」
「それ、やってなかっても全部使ってると思うで」
「そうかな、多分そうやろうな。今はしんどいわ」
「でも、ま、生活保護やったら1か月入院代タダやからいいやん。
「俺も精神の1級もってるから入院代は1か月3000円やけど部屋代1日550円の食事代1回210円やからな、本間は食費1食460円やけど仕事してなくて非課税やから安くなってる。
1か月タダでおれるんやったら家の家賃は掛かるけど、食費とか掛かる光熱費は掛からんやろう」
「まぁ、な。もう直ぐ試験引きで祭りやから直ぐに金はなくなるは、寄り合いに行かなあかんし」
「そうか岸和田、だんじりやな」
「そうや、試験引きには退院したいからな。
斎藤さんは何があってここに来てるん、何回目」
「初めて」と、話終わると、
小柄なおじいちゃんが大きな声で何を言ってきて
(聞き取りずらいな聴覚障害があるのかな。店に来ていた客でも聴覚障害がある人達が来てくれていたが、声が大きくて聞き取りすらかったな)と思いながら聞いていると、川口が
「このおじいちゃん、耳が聞こえへんねん」
「やっぱり、聴覚障害がある人は声が大きくて話している内容が聞き取りにくい人が多いからな。耳が聞こえへんから言葉を覚えづらいんやろうな」
「そですね」
3人で話を聞いていたが、何を話しているか分からず頷いていると、しばらく話をして部屋に帰っていった。
翌日はあまり眠れず、4時にトイレに行ったら通路からテレビの横の席に坂口が座っているのが見えた。
6時に血圧、体温を測りに行くと数人の人がいて、挨拶を交わした。
坂口に
「4時頃、座っとったっやろう」
「そうや、眠剤飲んでるけど眠られへんねん」
「俺も一緒や、4時前には起きてる。看護師が1時間おきぐらいに見回りにくるやろう。
ケータイを見てたら『6時まではケータイを使わないでください』って言われた。
「そうやろう、6時まではケータイやパソコン、テレビはあかんねん」
川口が来て、テレビをつけて
「何か見たい番組あります」
「朝は同じような番組やから、なんでもいいで。寝れた」
「眠剤飲んでるから寝れてます」
「いいな、どんな眠剤飲んでる。夜、薬配る時に見せてや」
「いいですよ」
「俺も見せたるわ」と、坂口が話していると白石が眠そうな顔をしながら来て、みんなで挨拶を交わした。
「寝れた」
「寝れたで、眠剤8個と寝る前に寝れる頓服飲んでるから」
「凄いな。俺も昔は5錠ぐらい飲んでてけど、今の医者が『体に悪いから薬を減らさなあかん』って言われて、今は2錠」
「俺も8錠飲んでるけど、眠られへん」
「めちゃくちゃキツイ薬のんでるから。川口君は」
「3錠と頓服です」
「俺のもキツイ薬やと思うけど。ま、夜見せ合いしよう。松本さんの薬師もどんな薬か見たるわ」
看護来て食事前に飲む薬を渡され、それを飲んで入れ歯をしに部屋に戻った。




