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精神病院に入院した  作者: 幸(ゆき)
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初めての会話

 時間が気になり、100均で買った小さな目覚まし時計をカバンの中から取り出し見ると17時25分を指していて、(もうすぐ晩飯の時間やな)と思いながら入院事項を見てから広めのホールに向かった。


 ホールに行くと数人の人達がまばらに座っていて、テレビを見ていたり、話をしていたりしていた。


 冷たいほうじ茶をコップに入れて、テレビの横のカウンターに新聞が置いていたのでそれを持って昼飯を食べた席について新聞のテレビ欄を見た。

 

 しばらくすると小さな音で「夕食の準備が出来ました」と、放送が流れ多くの人が集まり、看護師が夕食のワゴンを押して来て、夕食の名前を呼び、配った。


 飯を食べて部屋に戻りパソコンを開いてFacebookを見ると、障害者グループで(ハラスメントを受けている)と投稿しているのを見つけて、その文章をコーピーしてWordに貼り付け、Facebookで目について心に残った文書を張り付けていこうと思った。


 ひと通りFacebookを見て、


 高次脳機能障害で通院している医者がが書いている本を読もうと開いたが、少し読むと集中力がなくなり疲れて読むのをやめた。


 時計を見ると19時30分頃になっていて、時間を持て余してテレビがある場所に向かった。


 テレビの向かいの椅子に30代ぐらいのガタイの良い髪を金髪に染めた男と、テレビ前の奥側に小柄な年のいった男がいて、野球の巨人戦を見ていて、年がいっている男が、何を言っているかわからなかったが野球を見ながら騒いでいた。


 それを見ながら、年配の男が補聴器を付けていたので(聴覚障害者なのだろう、何で阪神戦じゃなくて巨人戦を見ているのだろう)と思いながら奥を見ると、背が高い60代ぐらいの男がパソコンをしていて、40代ぐらいの女性がそれを見ながら何かを話していた。


 テレビの巨人戦には興味がわかず別にする事もなかったので部屋にもどり、パソコンを開いてイヤホンを付けて音楽を聴いたり本を読んだりして時間をつぶした。


 9時が消灯時間だが「10時まではテレビを見てもいい」と言われていた。


 9時に眠剤などの薬を取りに行ける人はテレビのある所で看護師が配るので取りに行き、取りに行けない人達は看護師が各部屋に回り、配っていた。


 9時になると部屋の明るい電気を消して、スタンド型の小さい電気をつけて眠剤を飲んだ。


 寝つきは悪かったが、色々あって疲れていたせいかすんなり眠りに着く事が出来た。


 よく朝目が覚めてケータイを見ると4時30分頃で、やっぱり早く寝たから早くに目が覚めたのだろうと思ったが、家では3,4時間ぐらいしか寝れなかったから5時間以上眠れているからまだましかと思いながらトイレに行って布団に入ったが、やはり眠れずケータイゲームをした。


 5時ごろに看護師が見回りに来て「ケータイを使うのは6時以降にしてください」と言われ、「はい」と答え、ゲームを止めて入院案内の用紙を読んだ。


 起床時間の6時になり、テレビの所に行くと数人の人がいてカウンター奥で何かをしていて「何をしているのか」と聞くと


「朝と昼に血圧と酸素濃度、体温を測って、おいてある用紙に記入をしている。

 昼は入院してから2週間だけでいいけど、朝は毎日計らないといけないから」と言われ、それらを測って記入した。


 記入が終わってテレビの方を見ると、30代ぐらいのガタイいい髪を金髪に染めた男がテレビの正面でテレビを見ていたので、テレビの左側の見やすい場所に座ってテレビを見た。


 8時から朝食なので7時過ぎにコっプを持って来て冷たいお茶を入れて飲みながらテレビを見ていると、ぽつり、ぽつりと人が来て、昨日の夜にパソコンをしていた男が隣の席に座って、話しかけてきた。


「おはようございます、いつもここに座っているので隣いいですか」


「はい、大丈夫です。8時からいつも見てる朝の連ドラがあるので、見てもいいですか」


「別にいいけど、他の人にも聞いて」


「分かりました」


 テレビの正面に座っている30代ぐらいの男と、その後ろに座っている70代ぐらいの太っている女と、正面に座って首にハンカチを(食事をこぼれても良いように)前掛けのようにセットしている30代ぐらいの女にその事を話した。


みんな快く「いいよ」と言ってくれ、食事をしながらテレビを見た。


 隣に座っていた60代ぐらいの男が


「俺、坂口やけど、名前は」


「斎藤。昨日の夜パソコンをしてたやんな」


「あ、うん。特許を取るための書類を作る仕事をしててパソコンがあったらここでも仕事が出来るから」


「凄いですね、弁理士」


「そうや。今はチャットgptなんかがあるから人への依頼がほとんどない、俺にはあるけどな」


「へー、凄いやん。難しいんやろうな、稼ぎも良いんとちゃうの」


「まあー、それなりの稼ぎはある。ところでここははじめて」


「はじめて、脳の難病があって普通の病院には何回も入院してるけど精神病院ははじめて。坂口さんは」


「俺は、ここは2回目。この近くの小さな病院に2回と、少しはなれた病院に1回入院したことがある。

 斎藤さんは何が原因でここに入院したん」

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