前編
気が付いたらスライムだった
どこのラノベだよ!って思ったね
いやアニメか?
なんで判ったかと言うと目も鼻も口もなかったから
いやその前に手足がないって気が付けよ!
ってツッコミをありがとう
一緒にM-1でも目指そうじゃないか(笑)
冗談はさておこう
本当にスライムに転生したらアニメと違っていたね
目がないんだもん
だからスライムだって自覚するまで結構かかった
アニメでは目が描かれていたよね
先生の嘘つき!って言っていい?
・・・軽いガハラジョークなので感想でディスるのはやめてくださいね(汗)
またまた冗談はさておくとしよう
実際にゴロゴロ転がったりして
「ああスライムじゃん」
って判った
お正月の鏡餅みたいな形をしたものは他にないからね
まあなってしまったものは仕方がない
人生、いやスライム生を全うしようと思った
この時点で生まれたてなのかミカンくらいの大きさしかなかった
だからもう頑張ったね
その辺の草を食べた
果物も食べた
木の実も食べた
誰かが倒して美味しい内臓だけを食べた残りの死骸も食べた
雑食なのをいいことに食べて食べて食べまくったね
おかげ?でミカンからリンゴくらいの大きさにまで成長した
もっとも成長してもレベルアップしたりはしなかったね
あと人化の方法を習得するとかのチートもなかった
・・・アニメと違って現実はこんなもの(涙)
そんな訳で毎日毎日森の中で食べ物を探しまわっていた
そしてある日、倒れた人間を見つけた
最初は鹿かイノシシかと思った
だって大きさからいってそんな感じだから
でも触りまくってようやく人間だと気が付いた
もう大変だったね
なにせこちとらリンゴ大のスライム
人間と判るまで触りまくるまでが一苦労
あ、さすがに人間は食べないよ
元人間としてはその辺の一線は超えたくない
触りまくった結果、お腹を怪我していることが判った
洋服を切り裂いて包帯を作ってお腹に巻いていたからね
もっとも血が滲んで包帯の態を成していなかった
こういうのって傷口を押さえて圧迫するんじゃなかったっけ?
たしか圧迫法とか言ったはず
そう思って傷口のあたりを押さえてやった
袖すり合うも多少の縁、っていうじゃん
死なれても目覚めが悪いからね
結構な時間傷口を押さえていたら割と早く血が固まり始めた
そのせいか知らんけど人間は目が覚めた
傷口にスライムがいて驚いていたけど傷が塞がっていたことの方にもっと驚いていた
助かって良かったね
そう思って身体から地面に移動して立ち去ろうとした
そうしたら
「まてまて、命の恩人みたいだから恩返しくらいさせろ」
と言われた
・・・耳がないスライムなのになぜ人間の言ったことが判るのかというツッコミを作者は一番嫌う
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リム〇様だって耳もないにの会話しているからギリセーフだと声を大にして言いたい