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第6話 奴隷化の刻印

 裏ギルドに忍び込んだ俺とミレイは物陰に隠れながら移動しセレナの連れ去られ閉じ込められている部屋へと到達する。


「アレスさん、あそこに縛られてるのミレイさんよ!?」


「しっ、静かに! 何か話してる。」


 ドアの前で聞き耳をたてると何やら裏ギルドの者がセレナに語りかけている。


「まさかウィンビス王国の姫様をこんな簡単に捕まえることができるとは思わなかったぜ!」


「ケケケ、これで奴隷の刻印を施してクロスレッグ王国の王子レイド様に引き渡せば全ては完璧ですな!」


 どうやら数名の部下が部屋の中に居り、計画を話しているようだ。


「アレスさん、今の聞きました!? あいつらセレナさんをに奴隷の刻印を施す気ですよ!!」


「ああ分かってる、だが奴隷の刻印を施したところでクロスレッグ王国は既に滅んでいるようなものだ。 もう少し様子を見るぞ。」


「はい!」


 再び筋肉質な声が聴こえ、これからの計画をつらつらと語り始める。


「貴方達、何が目的なの! こんなことしてアレス様が許さないんだから!!」


「アレス? あーあの農家に居たもう一人の男か、無駄だ。 この地下は、この俺【ハイボック】様か認めた者か奴隷しか開くことが出来ないのだからな。」


「何ですって!?」


「ハイボック様、そろそろ準備に取り掛かりましょうか?」


「まあ待て何も知らずに奴隷化させるのも不憫だろう、せめて俺様達の計画とそれを裏で操る者について話してやろうではないか。」


「そのようなことをして大丈夫でしょうか?」


「なーに問題無い、ここに居るのは俺様の仲間とこれから奴隷となるセレナ姫様しか居ないのだからな。 計画には抜かりは無い、そうだろう?」


「それもそうですね。」


「俺様達を裏で操る者、それは魔族だ。」


(魔族!?)


「くく、聴いた事くらいはあるだろう? 数年前、この世をその強大な力で支配していた存在だ。 しかし、そこへ突如現れたアレスと名乗る賢者が現れた。」


(アレス様と同じ名前。)


(俺の話をし始めたな、確かに俺は数年前に魔族に対して圧倒的なまでの力を使い殲滅していたが生き残りが居たのか、もう少し詳しい話を聴いた方が良さそうだな。)


「その賢者は膨大な魔力を持ち無詠唱で更には極大魔法にも匹敵する程の下級魔法を放ち魔族の大半はそのたった一撃で壊滅状態となった。 だが、その戦場を遠くから眺めていた魔族は生き残り密かに力を蓄え続けたのだ。」


「何を言ってるの? 魔族なんて絶滅してるはずよ、全く姿を見ないのにでたらめを言わないで!!」


「まだ分からないのか? 俺様がその魔族なんだよ、今は人の姿をしてるがな!!」


 ハイボックは全身からムワッと蓄え続けた邪悪な気を解放し部屋中に充満させる。


「そう言うことですな、さてそろそろ。」


「クククク、あまり怖がらせるのは趣味ではないからな目隠しとコイツを付けてから始めろ。」


 ハイボックが懐からアイマスクとボールギャグを取り出しセレナへと装着させる。


「いやっ! やめっ!! んんんんー!!」


 口にボールギャグを装着させられたセレナは何も喋られなくなり目隠しをされ暴れるも腕を縛られている為逃れることが出来ない。


「さあ、【ドレーカ】始めろ。」


「了解しましたハイボック様、服が邪魔ですね。 代わりの物を用意すれば良いだけですし入りませんね。」


「んんんんー!?」

(いや! 助けてアレス様!!)


 部屋の中からはセレナの服がビリビリと裂かれる音が聴こえるが飛び込むのはまだ早いとミレイの方へと目くばせし首を横に振る。


「へへへ、流石は世界中で婚約される程の姫様だぜ! 良い身体してやがる!!」


「なあハイボック様、ちょっとくらい楽しませてもらっても良いか?」


「あ? 何言ってやがる、レイド王子に献上すんだよ! てめえ、もし姫様を傷物にしたら分かってんだろうな?」


「じょ、冗談ですよ! 冗談に決まってるじゃないですか、やだな〜怖いな〜。」


「ハッ、どうだか……」


 そうこうしている内にセレナは服を全て剥ぎ取られ全裸にされてしまい背中へと奴隷の刻印を施される。


「ハイボック様、奴隷の刻印の施しを終わりました。」


「ごくろう、では最後の仕上げだ。 縄を解いてやれ。」


「承知致しました。」


 ドレーカはハイボックに言われるまま縄を解き、セレナのアイマスクとボールギャグを外す。


「えほっ! げほっ!!」


「気分はどうかな、セレナ姫?」


「最悪に決まってるでしょ!! アンタなんかアレス様にかかれば一撃で倒せるんだから!!」


「強がりな姫様だ、さてその手を退けて身体見せてもらおうか?」


「アンタに見せる胸なんて無い……わ……よ……? 嘘、やだなんで身体が言うことを聴かない!?」


 ハイボックの言葉通りに意識とは裏腹に両手で胸を隠していた腕を左右に開き胸部を顕にしてしまう。


「ん……」


「ハイボック様、どうされました?」


「侵入者が居るな、この部屋ドアの前だ。」


「なんですと!? どうしましょうセレナ姫様を献上して資金繰りをしてもらう計画がパァになってしまいますよ!!」


「ハッ、なーに息の根を止めてしまえば良いだけだ。 取り敢えず姫様は、そこの壁尻マシーンにでも突っ込んでおけ。」


「了解しました!!」


「な、何よこの恥ずかしい器具は! 止めて!!」


 セレナは壁尻マシーンと呼ばれた器具に固定され恥ずかしい姿を晒してしまう。


「おい、ドアの前の奴ら居るのだろ? 入って来たらどうだ? 死にたくなければこのまま逃げても構わんぞ?」


「誰が逃げるって? さっきから聴いてれば、たかが魔族の残党とはな、どうりでやる事が幼稚な訳だ。」


「アレスさん! 相手の部下凄い数です!!」


「ああ、20人以上? 30人以下? くらいは居るな。」


「ほう、その農家の女に施した奴隷の刻印の効果に変化が見られるな。」


「ミレイの事か? 俺の物にした、悪いがセレナ姫も俺の物なんでな返してもらうぞゲス野郎!!」

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