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第4話 水のバリア

「血が……血がああああ……!! はぁはぁはぁ……」


 国王陛下を見捨てクロスレッグ王国の屋敷へと戻ったバロスは屋敷内の回復薬を大量に頬へかけ治す。


「な、治った……まさかこの私がこの程度の事で取り乱すとは、しかし幾らなんでと街中が暗すぎるな、何があったと言うのだ?」


 バロスは暗い部屋から外を見ると街中にスライムやらゴブリンが徘徊しているのを見てギョッとする。


「なんだこの数は!? まるで街中がダンジョン化してるようではないか!?」


 一方その頃、元パーティーと国王陛下はこれからどうするかを話し合っていた。


「まさか、このような自体になるとはの」


「安心しなよ父上、隣国との婚約を利用して住まわせてもらえばいいじゃないか。」


「た、確かにその手があったか!」


「そうは言っても、どうすんだ? この国の現状見てみろよ、元々お前らウィンビス女王騙して野菜だけしか食えない生活にしてたんだろ? 今更謝りにでも行くつもりか?」


「何を言う! 欲しい物を手に入れるには多少手洗いマネをするのは当然だろう?」


「レイドの言う通りじゃ、我が国から逃げた不埒者は一人残らず粛清してくれよう。 今や隣国ウィンビスには逃げた民により飢饉が訪れていよう、ならそれを救う為の害虫駆除をやってやらねばな。」


「まじかよ、もしウィンビス王国の民間人を殺っちまったらどうすんだよ?」


「んなもん、クロスレッグ王国の民として扱えば良いだけの話しさ。」


「では行くとしよう。」


 元パーティーと国王陛下はバロスと合流し街中のスライムとゴブリンを斬り伏せながら国外へ出ると真っ直ぐにウィンビス王国へと歩を進める。


「先程は取り乱して申し訳ない。」


「ふん、貴様の腕は知っておる。 じゃがもしまた同じ様なことをしてみろ、ただじゃおかんぞ?」


「承知しております。」


「見えて来たぜウィンビス王国、皆寝静まった後か暗いみたいだな。」


「外で寝てる連中はクロスレッグ王国の民間人に違いないな。」


「寝てるうちに事を進めるとしようかの。」


「悪く思わぷ!?」


「レイド、どうした?」


「いや、なんかに阻まれてウィンビス王国に入れないんだよ!」


「そんなものは力ずくで突破すればよいだろう? ふんぬ!!」


 元パーティーと国王陛下とバロスはウィンビス王国に出来たドーム状の弾力性のある水のバリアに阻まれて中に入ることが出来ず弾き飛ばされていた。


「ええい! 何がどうなっておる!? たかがバリアくらい魔法で突破できんのか!?」


「ロアならバリアの解除くらい出来るだろ?」


「それが、このバリア魔法じゃねえから出来ねえよ!!」


「魔法じゃない!?」


「お、おい! そんなことより囲まれとるぞ!?」


「なっ!? こいつらは先程斬り伏せたモンスターばかりじゃないか!?」


 ゾンビ化したモンスターの群れはバロス達に襲いかかる、一方ウィンビス城内ではアレスとセレナは一緒にお風呂に入っていた。


「アレス様はやっぱり凄いわ、魔導具一つで一瞬にして水をお湯にするなんて。」


「小精霊の力を利用してるから当然だよ、明日は枯れた井戸水や田畑の土を調べて食物の枯れた原因を調べないとな。」


 互いに身体を洗い合いしばらく温まり風呂から上がると俺はセレナと同じ部屋にて一緒に寝ることにした。


「なんだか外が騒がしい気がするけど、おやすみセレナ。」


「もう寝るの?」


「ん?」


 セレナは顔を赤くしながらキスをし服を脱いでいき、布団で自身と俺に覆い被さり中にはセレナの良い匂いが充満し誘われるままに営み一夜を過ごす。


 翌朝、俺とセレナは裸のまま目を覚ます。


「おはようアレス様♡」


「ああ、おはようセレナ昨日は気持ち良かったか?」


「はい♡ とっても♡」


 俺とセレナは服を着ると城から出て騒がしかった場所へと赴くとゾンビ化したモンスターとクロスレッグ王国の国王陛下と元パーティーと元父上バロスが疲労困憊ひろうこんぱいになりながらも折れた剣で戦い続けていた。


「何やってんだお前ら?」


「アレスてめえ!? 何俺のセレナの隣にいやがる!!」


「貴様何のつもりじゃ!? ワシらを国へ入れぬとは!!」


「アレス! 貴様だろ、このバリアを張っているのは!? 早く中に入れろ!!」


「えーと、アレス様この方達は?」


「俺を裏切ったクソ野郎共だよ、因みにこのバリアは邪悪な者が入れないようになってるからな。」


「なんじゃと!? ワシらの何処が邪悪だと言うのだ!?」


「そりゃ、ウィンビス王国へ逃げた国民殺そうとしてただろ? それに、ウィンビス王国の被害がクロスレッグ王国の者がしていた事も既に発覚してるのに、よくそんなことが言えるな?」


「なっ!?」


「バレてるだと!?」


「あっ、そうだレイド。」


「何だよ?」


「お前の悪事バレたから婚約破棄するってさ。」


「はあ!?」


「あと、昨日の夜セレナとヤっちゃった♪」


「…………は?」


「おい、レイド! 手を動かせやられるぞ!?」


 レイドの脳は俺の言った事をすぐに理解し否定しを繰り返しピシピシと破壊されていく音が鳴り響き泣き喚く。


「うわああああああああ!! 嘘だああああああああああああああああ!!」


「レイドおおおお!! 貴様よくも我が息子の脳を破壊してくれたなあああああああああ!!」


「も、もう駄目だああああああああ!!」


「アレス! 先程は悪かった、父である私だけでも助けてくれ!!」


「貴様また裏切る気か!?」


「やだよ、もう父上じゃないし。」


「ふざけるな貴様!! ぐわあああああああああ!!」


 元パーティーと国王陛下とバロスの心地良い悲鳴を聴きながら、これからウィンビス王国の現状をよくする為の考えを思考する。

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