巡り巡って
「ねぇお姉さま」
「なぁにロザリンド」
帝国産蜂蜜に北方のメープルシロップでも混ぜたかのような甘ったるい声は、姉と呼んだ少女とそれに答えた女、二人のものだった。
「正直に言わせていただくとね? あの種馬、とても鬱陶しいのですけれど」
「まぁ、そんなことを言ってはだめよ」
「だぁってぇ、お姉さまの近くをうろうろするだけしか能のない代物じゃないですかぁ。顔がいいから許してますけどそれでも気安くお姉さまに触れることがあると思うだけで首を刎ね飛ばしてやりたくなりますの。
ねぇお姉さまぁ?」
「駄目よ。まだ彼には生きていてもらわないと困るの。何のために買ったと思っているの?」
「ふふ、そうでしたわね。あぁ、早くお姉さまの子が生まれるといいのに。アレも顔だけはいいのだから、お姉さまの子であるならば男の子でも女の子でもとぉっても愛らしいでしょうねぇ。うふふふふ」
「あらあらロザリンドってば。まだできてすらいないのにもう生まれた時の事を考えているの? せっかちさんねぇ」
くすくす、と脳内を侵食されていくかのような甘ったるい笑い声は、決して大きくはないはずなのにマティアスの脳を揺さぶっているかのような錯覚に陥らせてくれた。
思わず膝をついて耳を塞ぎたい衝動に駆られたが、それをすれば間違いなく今以上に自分の立場が悪くなると思いマティアスは努めて冷静にその場を立ち去ろうとする。
言いつけられた仕事はまだ残っているのだから……
マティアス・ラグニード。
それがかつてのマティアスの名であった。
今は家名を名乗ることも許されない立場である。
かつて彼は伯爵家の跡取りとして育てられていた。
父と母、そして妹。
だがしかし妹は身体が弱く外出もままならない。
外を出歩くにしても屋敷の中庭が精々。それ以外の外出などは、本当に近場でなければいつ体調が急変するかもわからない。また、そんな状態で外に連れ出すのは不安で結局は屋敷の中だけが妹の世界の全てであった。
妹――メイベルにはだからこそと言うべきか、友人と呼べるような者もできず兄であったマティアスが兄兼友人のような立場だったと言えるだろうか。
身体が弱いばかりに親しい友人一人できず、不憫だと思っていたのは確かだ。
だからこそ自分が代わりに、とできる限り寄り添った。
時として外の話を、新しい本を、少しでも妹に屋敷の中以外の出来事を楽しんでもらおうとあの手この手でマティアスなりに、妹のために。
どうして自分の身体はこうも弱いのか、と幼い頃から己の境遇を嘆いていたメイベルにも、その甲斐あってか笑顔が見られるようになってきたのだ。
だから、その対応が正解だと思ってしまった。
マティアス自身友人がいたが、その付き合いだって同年代の他の者と比べれば少ない方だったかもしれない。けれども身体の弱い妹がいると事情を知っていた友人たちはそれに何か文句を言うような事もなかった。事情を知っていたからこそ多少付き合いが悪くともそういうものだと受け入れてくれた。
いや、もしかしたらマティアスがいなくとも他に友人がいたのだから、マティアスとの付き合いはただの暇つぶしのようなものであったのかもしれない。ともあれ、父は仕事で中々家に戻ってこれなかったし、母も家をあけている父の代わりに取り仕切らねばならない。だからこそずっとメイベルに付きっ切りというわけにはいかなかった。メイベルにはマティアスしかいなかったのだ。
マティアスに婚約者ができてもそれは続いた。
フレイア・ペシュティル伯爵令嬢。お互いの家の利になるという事で結ばれたものだったが、マティアスは一目見てフレイアを好ましいと感じていたし、それはフレイアも同じだったらしい。
だがしかし、メイベルはそうではなかったようだ。
兄を盗られるとでも思ったのかもしれない。
それ以前に兄以外にまともに話し相手もいなかったようなメイベルだ。
最初は歩み寄ろうと思ってくれたかもしれないが、いかんせん血の繋がらない他人との関わり方がわからずに――メイベルは兄の陰に隠れることを選んでしまった。
フレイアも最初はメイベルに歩み寄ろうとした。したけれど、その態度が逆にメイベルを頑なにさせてしまったのかもしれない。
フレイアがマティアスの屋敷に訪れた時は部屋のドアを開ける事すら拒否し会おうとしないくせにフレイアとマティアスがデートにでかけようとすると途端に身体の不調を訴えて兄に助けを求めた。そうして何度もデートは延期になり、中止になり、マトモに二人がでかける事ができたのは数える程度でしかない。
マティアスはメイベルの不安な心を理解していた。今まで変わらなかった自分の世界、屋敷の中にフレイアという新しい風が吹いたのだ。何かが変わることを恐れるその気持ちを、マティアスは理解できてしまった。フレイアも妹についての事情は知っていたようだし、もう少し時間が欲しいと説得してゆっくりと、メイベルの心が変わるのを待った。
けれども、メイベルの気持ちの整理がつくよりも先にフレイアに限界が訪れてしまった。
家族を大事にする気持ちはわかるけれど、限度というものがある。フレイアはそう言った。
一緒に出掛けられない事は問題ではない。けれども貴方はその埋め合わせをすると言いながらも結局何もしなかった。そう言われて思い返してみれば、確かにそうだったかもしれない。
埋め合わせに次こそは出かけよう、そう言った覚えはある。けれども結局出かけられたかというと……結果は今現在こうなっていることで言うまでもない。
せめて、手紙でも送っていただければ。
悲しそうにぽつりと呟いたフレイアの言葉に。
思えば妹を優先しすぎて手紙はおろか誕生日などのプレゼントを贈る事もまともにできていなかった事を今更のように理解して。
そうして理解した時には手遅れだった。
婚約は破棄された。
病弱な妹がいるからといえど、あまりにも婚約者をないがしろにしすぎるという理由からマティアス側が有責となった。
有責となった原因のメイベルだが、実は途中から医師に病気はほとんど治っていると言われていた。あとは外に出て身体を動かして体力をつければ問題ないとも。
しかしメイベルは外に出ることを恐れ、結局家の中からほとんど出なかった。
時々外に出る事があっても、それはマティアスが一緒にいる時だけだ。
フレイアとデートに出かける時は具合が悪いから一緒にいて、とか細い声で兄を頼るメイベルだったが、次の日には兄とともに出かける姿を見せることもあった。
身体が弱いと言われていても医師からは既に問題ないと言われているのもフレイアは知っていた。だからこその、マティアス側の有責である。事実はどうあれ第三者からみれば妹が妨害しているようにしか見えなかったからだ。
結局慰謝料というか賠償金を支払った事で、家の財政が大きく傾いてしまった。
王都住まいであったけれど、屋敷を引き払うしかなくなってしまった。
父の実家の伝手で小さな領地で暮らす事なら可能だという話になったが、そこでの生活は決して楽なものではない。
今までロクに外に出なかったメイベルはたまの外出ですっかり王都の店に魅了されたのか、色々なものを欲しがるようになったけれど、その願いを叶える事はもう無理だろう。
そもそも領地は本当に小さな土地で、店と言えば生活必需品を売ってるくらい。服を売ってる店もあるにはあるが、それはあくまでもその土地で暮らす領民たちが着ているような物だ。メイベルが欲しいというようなドレスとは程遠い。
メイベルが原因で婚約者を失ったマティアスは、メイベルを甘やかしすぎたと思っていた。今更すぎる気付きだが、それにより若干距離を取るようになった。
そもそも王都にいた時はまだしも、ここでは仕事も限られていてそれこそ朝から晩まで働かなければいけなかった。婚約を破棄されたという話が広まって、しかもその原因は病弱だと言っていた妹。だがその病弱だという部分は医師から治っているとお墨付きをもらっている。それらの話も広まってしまえば、もう王都で他の婚約者を見つけることは無理だろう。
仮に見つかったとしても、また妹が邪魔してくるのでは……? という疑いを持つ事になる。
田舎に引っ込んだ事で、今までの仕事とは異なる内容というのもあってマティアスは慣れない環境に馴染むので忙しかった。今までの暮らしと比べるとあまりにも貧乏な生活。どうにか少しでも改善しようと思えば、とにかくがむしゃらに働くしかなかったのだ。
田舎の空気が良かったのか、それとも他にやる事もなかったからかメイベルもまた不貞腐れつつも外に出るようになった。とはいえ、今までロクに動けなかったようなものだ。最初はまず体力をつけるところから……とあちこち移動するようになって、そこで一悶着を起こした。
今までまともに相手をしていたのは、兄であるマティアスだけだ。
一時期フレイアもメイベルと仲良くなろうと努力はしてくれたが、結局のところ自分の我儘を叶えてくれるマティアスだけとしか関わらなかったメイベルがいきなり他人と上手くやれるはずもない。
よりにもよって、父の実家で働く人間に怪我を負わせる形となってしまった。
マティアスの父の父――つまりは祖父だが、彼は酷く激怒した。
今まで病弱でまともに周囲と関わってこなかったとはいえ、年齢の割に礼儀も作法もなっていないメイベルに、一体どういう教育をしてきたのかときつく叱責した。
今まで甘やかされる事が当然だったメイベルには、きつく叱られるという経験がなかった。
あまりの恐怖にその場から逃げ出そうとして――彼女は町の外れで怪我をした。
どこへ逃げるつもりだったのかは……なんとなく想像がつく。きっと王都へ戻ろうとしたのかもしれない。戻ったところでもうそこに自分たちの家なんてないのに。
ちょっとした段差で足を滑らせて転び、打ちどころが悪かったのかメイベルは再びベッドでの暮らしを余儀なくされた。下手に周囲と諍いを起こさなくて済む、と考えれば良かったのかもしれない。
良かった、と考えるその発想もどうかと思うが。
確かにやらかしたとはいえ、メイベルはまだマティアスにとっても両親にとっても可愛い娘であり妹だった。
甘やかした自覚はあれど、それでもまだ情は残っていた。
だが、医師に見せようにも既にロクな資金は残っていなかった。祖父は一切手を貸さないと言い切っていたのでアテにはできない。
今でも生活は厳しいのに、メイベルを医師に見せる事を考えればそんな余裕はどこにもなかった。
困り果てていたところに手を差し伸べた者がいた。
それが――悪名高きストロベル侯爵家である。
婚約破棄をされた回数数知れずの瑕疵ありまくり令嬢。血筋と家柄だけが取り柄だとか散々陰で言われているも当人は一切気にしていない。
あまりにも醜いからこそ破棄されたのか、と思えばそんな事はない。では逆に貞淑さの欠片もないのかと思えばかつて婚約していた男たちとは指一本ロクに触れ合った事もないと聞く。
血筋は確か。家柄も申し分ない。更には資産も。本人も美人ではあるし、噂が事実なら今までの婚約者とはロクに触れ合った事もない。
であれば、そういった者を求める貴族は多くいる。だからこそ婚約が破棄されたとしても次の相手には困らない。
自分たちから売り込んでおきながら結局婚約を破棄する相手が多い、という点が気になったものの当事者であるかつての婚約者たちは多くを語らず言葉を濁すため詳しい事情はわからなかった。
そんなストロベル侯爵家の長女であるルイーズとの結婚話が持ち上がったのである。
マティアスがルイーズと結婚すれば資金援助がされる。メイベルを医師に見せる事も問題なくなる。
メイベルは酷く反対した。
いかないでお兄様。一人にしないで、と。
だが、ストロベル家が支援してくれるのであれば、少なくとも生活に困ることはない。王都へ戻るのが難しくともそれに近しい大きな街へ移動するくらいはできるかもしれない。
両親はストロベル家の噂に多少難色を示したもののそれでも今までと比べ厳しい生活に日々困憊していた。だからこそ揺らいだ。
メイベル以外に反対したのは祖父である。
あの家と関わる? 冗談ではない! もし結婚すると言うのであれば貴様は家から完全にその名を除外するとまで言わしめた。
本来ならばマティアスが何事もなくフレイアと結婚していたならばラグニード家の新たな当主としてマティアスがその座に収まるはずだった。だがしかし婚約は破棄され王都に住める状態でもなく、更にはメイベルがしでかした一件。マティアスの父が未だ当主であるとはいえ、次の後継者はマティアス以外にいるはずもない。
だがしかし祖父は。
「ならば養子を迎える。今からでも遅くはない」
などと言い切った。
メイベルを妻として婿に来てくれる相手を探すより余程手っ取り早いとまで言われてしまった。
ラグニード家の現当主はマティアスの父であるけれど、実権は祖父が握っていた。父も祖父に強く言えなかった。現状を考えれば確かに言えるはずもない。こちら側有責で婚約破棄をされた次期当主、更にロクに礼儀も作法も弁えていない娘。家を潰したいのか、と祖父に冷たい眼差しで睨まれた父は言い返す事もできず、ただその身体を縮こませているだけだった。
ロクな援助もしていないくせに――
そんな思いがマティアスにあったのは事実だ。
今こうして辛い生活を送っているマティアスたちに住む場所こそ与えてくれたがそれ以上は何をするでもない祖父に、あれこれ口を出されるのも不愉快であった。
一種の反抗期のようなものであったのかもしれない。
とにかく金さえあれば妹を医師に診せてやれる。この生活から抜け出す事だってできるかもしれない。
それに、両親や妹はともかく自分は婿にいけばストロベル家で生活できる。
考えれば考える程自分たちにとっては利しかない。
そう判断して、マティアスはストロベル家との話を引き受ける事にしたのだ。
結果、祖父の怒りを買いマティアスはラグニード家からその存在を消されてしまったけれど。
いない者となってしまったマティアスではあるが、それでもマティアスの両親や妹に対して資金を援助するという約束は果たされた。
ラグニード家の人間であるという事を名乗る事は許されなくなってしまったが、ルイーズの夫として、社交の場に出る事もあるだろう。まだ、己の名誉を回復させる機会はある。
この時点でマティアスはそう考えていた。
しかし実際は――
「貴方に求める役割は言い方が悪いけれど、跡取りのためよ。子が欲しいの。でも誰でもいいわけじゃない。生まれが下賤なのは問題だし、最低限まともな血筋の人間であることが望ましい。性格や人間性は育て方で如何様にも矯正可能ですから、そこは問いません。貴方に求めているのはその血と、あとは……そうね、顔くらいかしら。それ以外の役割は必要としていないの」
話を引き受けていざストロベル家へと行って最初に言われた言葉はこれだった。
侯爵家の人間としてだとか、そういった役割は一切求められていなかった。
「貴方を外に連れ歩くつもりもないわ。屋敷の中は好きに移動してもいいけれど、勝手に外を出歩くのはやめてちょうだい。守れないならこの話は無かったことにするわ」
そう言われて、マティアスは正直この話に乗った事を後悔した。今から引き返したところで祖父は決して自分の存在を許さないだろう。もうあの家に居場所はない。であれば、こうしてここに残るしかないのだ。
自由に外を出歩くことが許されないからなんだ。自分にそう言い聞かせて。
だがしかし、マティアスのその考えは早々に打ち砕かれるのである。
言葉通り、本当に必要とされているのは夜だけだった。
昼の間はロクに目も合わない。そもそも会話がない。
こちらから話しかけても用がないなら話しかけてこないでとすげなくされる。夫婦となったのだからせめて、とマティアスが言えば、ルイーズはコロコロと笑った。
「夫婦? 最初に言ったでしょう? 貴方の役割は子を作るためであって、この家の婿としてじゃないのよ? ただの種馬が随分と思い上がったこと」
そこでようやく気付いたのだ。
マティアスはこの家では人間としてみなされていないと。
更に日中、ルイーズが屋敷の中で何をしているかといえば、彼女の妹と名乗ったロザリンドと常に一緒にいた。仲の良い姉妹なのだろう。
だが少しばかり度を越えている気がした。
ストロベル家の悪評を思い返す。
婚約を破棄した男たちの話は言葉を大分濁されていたが、あの家の家族についていけなくて、だとか家族仲が良すぎて入り込める余地がない、だとか言われていたのを覚えている。
家族仲が良い事の何が悪いのかその頃のマティアスにはわからなかった。
何故なら自分もまたメイベルを溺愛していたからだ。
だがしかし、何をおいても妹を優先するルイーズを見ていると、その光景が異常に思えてくる。
夜、行為の最中であったがまともに話ができる機会はこの時間だけだ。だからこそマティアスはそれについて聞いてみた。
「あら、貴方は理解してくださると思ったのに。だって貴方も同じ事をしていたでしょう? 家族を大事にしただけよ。何が悪いの?」
悪びれもせずにそう返されて、マティアスはそれ以上何も言えなかった。
そうだ。やっていることはほとんど一緒だった。
ただ、最初から相手にされていないマティアスですら蔑ろにされている事に若干思う部分があったくらいだ。これがまともな婚約者として関係していた男たちならもっと内心で思うことが大量にあったに違いない。
そして気付く。フレイアはこういった思いを抱えていたのか、と。今更過ぎる気付きであった。
ルイーズがロザリンドと共にいる間、マティアスが近くで何をしていようとこちらの存在は一切気にも留めていない。マティアスという人間の存在などその場にいないかのような扱いだ。
かつてフレイアが零した不満の言葉を思い出す。
あぁそうだ、今になってわかる。彼女の気持ちを今になって痛い程理解できた。
違う点は、フレイアは最初メイベルと歩み寄ろうとした点であるが、こちらはそもそも歩み寄ろうにもそれを許してさえもらえないという部分だろうか。考えようによっては気が楽になれるかもしれないけれど、それでも自分の存在を無かったかのように振舞われるのは案外堪える。
それだけではない。
マティアスはこの家に婿としてではなく、種馬として買われたに過ぎない。
自分の役目が終わった後、一体どういう扱いをされるかわからなかった。無事に家に帰してもらえる……とは到底思えない。
だから、少しでも自分がここにいてもいいという理由を求めるために、使用人の真似事を始めた。使用人は他にもいるが、せめてどんな小さな事でもいい。何かしていないと落ち着かなかった。
使用人の仕事を奪うのはやめろ、と言われるかと思ったがルイーズは逆にいくつかの仕事を与えるようになった。種馬としての役目を果たした後、このままここで使用人としての存在を許されるのであれば……と思うようになった。
そんなマティアスを見てロザリンドは笑うのだ。
「必死ね……とても不様」
どうせ役目が終われば処分されるのに、という言外の声が聞こえてきそうな言い方だった。
はっきりと言われたわけではない。けれどもほのかに漂う命の危機。そのせいだろうか、身体は必死に子孫を残そうとしているが、もしルイーズが孕んだら。子の性別如何では次の子を、という事もあるだろう。だが――
もし跡取りとなる子ができて、それでもういい、と言われてしまえば。
きっとその時がマティアスの最期なのだ。
嗚呼、と思う。
一体自分はどこで、いつから間違えてしまったのだろうか……と。