表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

4-1 私たちは絶滅しましたが


絶滅種シリーズ第五弾 ニホンオオカミ編


はじまります。



はじめまして。私、ニホンオオカミと申します。脊椎動物亜門、哺乳網ネコ目 (食肉目)。イヌ科イヌ属に分類される、オオカミの一亜種。


・・・・・・絶滅種です。



実はニホンオオカミという呼び名は、明治時代になって現れたモノ。じゃぁ、それまでは?


オイヌとかオオカミとか、ヤマイヌと呼ばれて居りました。漢字だと御犬、大神。山犬、犲とも書きます。



『大神』は神を敬って言う語。つまり日本では、古くから『超自然の能力を持つ獣』とされ、山神の化身・使者、『御犬様』として敬われました。


『犲』は『豺』と同字。犭は犬、才は断ち切る。つまり『肉を食いちぎるヤマイヌ』という意味です。




オオカミと聞いてポンと浮かぶのは、『狼』でしょう。この字の良は、浪を表します。『押し寄せる浪のように、群れを成して襲う』という意味です。


コレだけ聞くとブルっとしますが、やまいぬは生態系の頂点捕食者。畑を荒らす害獣の天敵。つまりソレらを退治してくれる、有り難い存在でした。




日本各地の神社で祭られている『犬神』や『大口の真神まかみ』も、ニホンオオカミです。


奥多摩の武蔵御嶽神社や、秩父の三峰神社を中心とする山間部には、魔除けや憑き物落とし、害獣除けナドの霊験を持つ、オオカミ信仰が存在します。



つまり迷惑していた、というコトですヨ。鹿や猪、猿などの困ったチャンに。






私どもと同じく絶滅種である、北海道のエゾオオカミは別亜種です。エゾオオカミは大陸の、ハイイロオオカミの別亜種なので。


諸説あるようですが、ニホンオオカミもエゾオオカミも絶滅しました。つまり、解明したくても出来ません。



ニホンオオカミが大陸のハイイロオオカミと分岐したのは、約17万年前だとか。・・・・・・考えたダケでクラクラします。


アレですか? 日本列島が大陸と別れた時、違う道を選んだと。島で暮らすうち、小型化したと。



そうなんです。私どもニホンオオカミは、他のオオカミよりコンパクト。スラリと伸びた脚は、山を駆け回るのに最適。脚力も強く、最強ハンター集団でした。



人との共存を選んだ犬は野で暮らし、私どもは山暮らし。だからヤマイヌ。違いは他にも。尾です。クルンとしているのが犬、垂れているのがオオカミ。




耳が小さく、周囲の環境にも溶け込み易い。夏と冬で、毛色が変化するんですヨ。黄褐色から灰褐色へ。オシャレで機能的でしょ?


私どもの好物はカノシシ、イノシシ。そしてサル。エゾオオカミと違って大規模な群れを作らず、少数精鋭。二頭から十頭ホドで行動します。






因みに中国でオオカミと言えば、『豺』か『狼』です。ベツモノですので、混同される事は有りませんでした。今は、どうなんでしょう。



『豺』はドール。


食肉目イヌ科の哺乳類で、体長76㎝から100㎝。体形はキツネ似。耳の先は丸く、尾はフサフサした毛に覆われています。体色は黄褐色ないし赤褐色。


アカオオカミと言った方が、通りが良いでしょうか。



『狼』はタイリクオオカミ。


食肉目イヌ科の哺乳類で、体長60㎝から90㎝。体形はイヌ似。ふんは長く、耳は小さくて直立。尾は垂れ、体色は灰褐色のモノが多いですね。



どちらも気性が荒く、現役バリバリ。私どもは絶滅しましたが、末永くお元気で。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ