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王族番外編1・私の初恋は

アルベルト視点です。

時間軸は6話目以降辺りです。

俺は小さい時から2つ上の兄であるシシュラス、皇妃の母と国王の父に可愛がられて来た。しかし、周りにいる家庭教師やら臣下はただ俺を褒めるだけで叱ってはくれなかった。他の貴族達も俺の第二王子という地位が好きなだけで俺の事は実際に見てはいなかった。


5歳を過ぎると普通王城パーティーでお披露目をする。俺も今度のパーティーでお披露目をし、そこで見ず知らずの令嬢から婚約者を選ばねばならない。正直に言って貴族の令嬢やその親は見えばっかり張って俺に媚びへつらってくるから嫌いだ。どうせ選ぶなら可愛く知性のある無駄に盛った令嬢じゃないのがいい。


「シシュ兄様、兄様の婚約者はどうやって決めた?」

「僕か?僕はね、お披露目のパーティーの後に僕達の次に地位の高いスタウヴェン家の嫡女のラピナリスが王位を継ぐために必要だったから婚約者にしたんだよ。アルも決められなかったら地位の高い令嬢が婚約者になるんじゃないかな?父上は決まった婚約者一目惚れしたらしいけど貴族で恋愛結婚なんで中々出来ないからね。パーティーで好きな子ができたらその子を婚約者にしちゃいなよ。でもラピもキリッとしてて可愛いんだよね。」

シシュ兄様もラピナリスに毎月花とかプレゼントを選んで文通しまくってるけど俺も婚約者が決まったらそうしなくちゃいけないのか‥…ま、今度決めよう。






___________________________





王城パーティーは思った通りつまらなかった。俺が出てくると貴族達が挨拶にくるが皆ペコペコして是非娘を婚約者に。って言ってきてくるから飽きて来た。



「はじめまして。爵位・侯爵のフローランス家次女のリーゼフォント・フローランスでございます。こうしてあえて事を心から喜ばしく存じ上げます。」


やばい。滅茶綺麗。とても綺麗で整った顔と凛とした声を持つ彼女に俺は一目で心を奪われた。成る程、これが一目惚れか。自分のところにいて欲しいと思い他の貴族達の挨拶が終わった後真っ先に彼女のところへ向かい婚約者になるように言った。緊張してしまいすっごく俺様目線で言ってしまったが彼女は了承してくれた。

 

それから俺は事あるごとにリーゼに会いに行った。天才である彼女の隣に並ぶ為に家庭教師に頼み込み猛勉強をした。基本的に王族は社交や外交をする為に初中等部には所属せず、家庭教師が勉強を教える。リーゼは、俺の社交や外交を婚約者だからと学校の合間をぬい来てくれた。彼女は俺が送った手紙にも毎回丁寧に返事を送ってくれ段々と親睦を深めていっていると思っている。後、お守りですと言ってリーゼが小さな石のついたピアスをくれた。手作りの。それから毎日つけている。もう結構使い込んでいるのに劣化しないのはさすがリーゼといったところか。








今日はリーゼの卒業式だったがいくら婚約者だからといっても学校の卒業式には参加させてもらえず、家族で久しぶりに温室でお茶を飲んでいた。


「失礼します!陛下、大変です!たった今緊急通信で国立ラインホルト学校に魔族が出たとの連絡がございました!魔族は悪魔を召喚し、会場は混乱状態にあります!」


国立ラインホルト学校…………リーゼのいるところじゃないか!


「父上!そこにはリーゼが!」


「魔族だと!?急ぎ討伐部隊を結成しろ!騎士と冒険者を集めるように指示を…「今!魔族及び悪魔が討伐されました!」はぁ⁉︎」


早くね!まだ父上指示出していたぞ!………もしかして


「その討伐したのは誰だ?」


「はっ。討伐したのはフローランス家の御令嬢であるリーゼロット様でございます。瞬殺されたと報告にはございました。」


やっぱりかぁぁぁ。リーゼェェ、怪我してないよな大丈夫かな。守れなかったな。


「シュン…サツ……アル、お前の婚約者は何というか……凄いな。」


「兄様……やっぱりリーゼには敵わないです。」


「まあそう落ち込むなアルよ。今度その功績をを讃えて表彰しなければなぁ。」


表彰……!リーゼがここにくる!俺はバッと顔を上げると苦笑いをした兄様と父上、そして優雅に騎士と事故状況を話し合っていた母上が見ていた。



_____________________________


リーゼが王城にくる日俺はいつもより早く起きて表彰式の時に間に合うように授業を終わらせ、リーゼが帰ろうとしているところをつかまえて話した。リーゼは魔法学園に入学予定だと聞いていたから魔法を磨いて入学試験を受ける事にした。受かればリーゼと登下校や昼食時を一緒に過ごせるぞ。

彼女に今度何か贈り物をしたいな。出来れば自分で買いに行きたい。

そうだ。試験が終わったら城下町に出よう。

俺は魔法学園に入学する(首席を取ってリーゼに凄いと言われる)為に猛勉強した。


結局、リーゼが首席合格をした。



試験が終わったからリーゼへの贈り物を買う為に城下町へ行く許可を母上に取りにいき、護衛の影を付けるならいっても良いと言われたから城下町にリーゼへの贈り物を買いに出かけた。




「やっぱり女性ならアクセサリーか。いつも送っている花は庭園とかでもらっているのが多いし枯れてしまうから形に残るものがいいな。」


色々とリーゼに贈る為の贈り物の事を考えていると噴水広場でハンカチを拾った。

誰かの落としものか?……あそこにいる女がキョロキョロしているからこれを探しているのか。おそらくこれは反対側にいるピンクゴールドの髪の人の物だろう。大体俺とリーゼと同じ位の年か?


「ねえ、そこの君。探し物はこれ?」


「あ!そうですぅ。ありがとうございます♪探してたんですよ。…あのぉもしよかったらお礼を」


「いえ、大したことではないので結構です。」


「では名前だけでも教えてもらえませんか?」


「俺はア……アベル。アベルという。それじゃあ」


近づいて話しかけると合っていたようでお礼をと言われたが、リーゼへの贈り物を探さねばいけないので断った。妙に気持ち悪い話し方をして来たな。貴族の令嬢達のようだ。


リーゼには、アクセサリー屋でペアになるクリスタルのペンダントを買った。店主が俺のつけているリーゼの作ったピアスを見せてくれといって見せたら防御の付与がしてあると言い、良い物を見せてくれたからとベルベット生地の箱に包んでくれた。


入学式前にリーゼに渡し、つけて欲しいと頼むとそれから俺に会う日には必ずつけてくれていた。

実はリーゼ、アルベルトにもらった花は全部保存魔法をかけてディメンションホール(でっかい空気のあるアイテムボックス)の中で育てています。

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