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匿名の恋愛相談サイトで、恋に悩む少女に俺がしてあげたアドバイス。 ~学校で評判の美少女が、アドバイスどおりのことを俺にしてくるんだが?  作者: 波瀾 紡
◆第二部:こっちか!

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33/56

【33:いい作戦を思いつきました】

 一匠は帰宅して夕食を済まし、部屋でベッドに寝転んで物思いにふけっていた。


(もしかしたら赤坂さんは、最寄り駅で降りてから声をかけてくるかと思ったけど……)


 一匠と瑠衣華は自宅の最寄り駅が同じだ。

 だから駅で降りてから声をかけるという作戦もある。


 しかし一匠が理緒と駅まで歩いているうちに、気がついたら瑠衣華の姿は見えなくなっていた。

 だからその後瑠衣華とは話すこともなく、一匠は帰宅したのであった。


 もしかしたら瑠衣華は、褒めるチャンスを理緒に奪われたことで、凹んでしまったのかもしれない。


(今日の赤坂さんの”素直ザ・チャレンジ”は1ポイントか……まあ初日だし、ゼロポイントよりはマシか)


 しかし瑠衣華が自分と素直にコミュニケーションを取れるかどうか、それを自分が心配するのって本当に変な気分だなと一匠は思う。


(でも仕方ない。赤の他人の立場で赤坂さんを応援するって決めたんだし)


 そう言えば瑠衣華が相談サイトに何か書き込みをしてるかなと、一匠はベッドから起き上がってパソコンの電源を入れた。


 画面が立ち上がると、1時間ほど前にRAさんのメッセージが書かれているのが目に入った。


『”素直ザ・チャレンジ”頑張ってみましたが、初日の今日はたった1ポイントでした(残念)。なかなか声をかけるチャンスがないです。でもいい作戦を思いつきました。褒めるネタが見つからないなら、作ればいいと気がついたのです。明日はもっとがんばります!』


「はぁっ!? いい作戦!?」


 コミュ障で、案外おっちょこちょいな瑠衣華。

 その瑠衣華が言う、いい作戦。

 褒めるネタが見つからないなら、作ればいいだって?


「どういうことだ……?」


 なんのことやらさっぱりわからないが、ちょっと嫌な予感がする。


「赤坂さんは、いったい何をやるつもりなんだ……?」


 しかしこのチャットで、内容を根掘り葉掘り聞くのは気が引ける。


『そうなんだ。がんばってくださいね!』


 それだけを書き込んで、RAさんからの返事を待つ。しかしなかなか返事は書き込まれなかった。


 その返事が気になって、一匠はなかなか寝つけない。

 その日は結局、夜中の2時まで画面を開いて待ったが、それ以上RAさんからのメッセージが書き込まれることはなかった。





◆◇◆◇◆


「あっ、やべっ! 寝過ごしたっ!!」


 翌朝、いつもよりも遅い時間になっても起きてこない一匠を心配して、母親が様子を見に来た。

 母に起こされて、スマホで時間を確認すると、遅刻寸前の時間だ。

 スマホのアラームはいつも通りに鳴った形跡はあるが、どうやら気づかなかったようだ。


 急いで朝食をかきこんで、家を飛び出す。

 この時間なら、ギリギリ間に合うはずだ。


 少しホッとして、一匠は駅まで駆け足で向かった。




 学校に着いて校舎の玄関をくぐり、下足箱のところまで来た。

 朝のホームルームが始まるまであと5分ある。

 予定通り、ギリギリ間に合いそうだ。


 ホッとして下足箱の蓋を開けると、なぜかそこに自分の上履きがない。


「ん……? なんだこれ?」


 上履きがあるはずのところに、白い封筒がある。

 一匠はそれを取り出した。

 封筒の中には、一枚の手紙が入っている。


 その手紙には、手書きの文字でこんなことが書いてある。


『キミの上履きは盗ませてもらった。下記の謎を解いて、ぜひ上履きのありかを探し出してくれたまえ。---かいじん21面相』


「な……なんだこれーっ!?」


 これは明らかに瑠衣華の字だ。

 いきなりリアル脱出ゲームみたいなものを仕掛けてくるとは。


 そう言えば中学時代に付き合ってた頃。

 二人ともこういうのが好きで、一緒に謎解きゲームをしたことが何度かあったっけ。


 昨日のRAさんのメッセージ、『褒めるネタが見つからないなら、作ればいい』から察するに。

もしかして……


「これを俺が解いたら、それを『さすが!』とか言って褒めるつもりか? それが……赤坂さんの作戦!?」


(赤坂さんが暴走し始めた……?)


 いや、そんなことよりも。

 早く上履きを見つけて教室に行かないと。

 せっかくぎりぎり間に合うはずだったのが、遅刻になってしまう。


 一匠は、上履きのありかを示すという謎の部分に目を通す。

 そこにはこんなことが書いてあった。

==========

「終わりの終わり」

「世界の中心」

「真実の最初」

「ついに始まり」

==========


 なんだか哲学的な香りのする言葉が羅列されている。

 他に何もヒントは書かれていない。


「ちょちょちょっ!! なんだこれーっ!?」


 一匠は思わず声を上げた。

【読者の皆様へ】

謎解きの解答は次話になります。

予想解答を感想欄に書くなどのネタバレはやめてくださいねm(__)m


**********************

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― 新着の感想 ―
[一言] 思ったより簡単に解けた謎、ちょっと嬉しい!
[良い点] 何と言うか・・・ 不器用通り越して、ヤバい子ですね(笑) 普段の美少女っぷりを容易に相殺出来る暴走でごさいますな。 一匠君どうなる? このままだと、ただの嫌がらせ(笑)
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