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vol.26(2)
蜻蛉と去っても、目を閉じれば、ゆうなの心に残すカンナのかげ
何かをしないといけないはずなのに・・
何かを求めているはずなのに・・
何もしない自分
何もない自分
何ものでもない自分
ひとりの自分
このひと時に、安らぎを覚え、見えない恐れを感じてしまう。
独りきりでいると、なぜか自分の心に沈み、居ついて、巣作り、棲みついてしまう。
陽光を浴びたカーテンが、森の息吹によって真昼のオーロラのようになびき、
その端を跳ね上げた。
なのに、その風はゆうなの眼の前で幻となって消え去り、
心の湖面は一枚の鏡のように静粛をもって澄み渡り、
温もりを感じさせない悲哀を孕んでいた。
自分の一部を垣間見たゆうなは、微かだがゾワっと背筋を這いあがるものを感じた。
・・・孤独・・
彼女の心は、透き通る濃紺の鏡のよう
何もかもが見えるはずなのに、何も見えない。
これが私・・
フレームの端で僅かな波紋が、ちょん、ちょんと・・
シオカラとんぼ
その尾先を湖面につける度に、ミルク色の輪っかがなめらかに滑る。
それは、まるで音もなくゆうなの心をノックする。
その瞬間
・・・ゆうなの孤独が、シャボン玉のようにパッと弾け飛んでいった。
残ったのは、誰にも見せたことのない人の持つ温もりだった。




