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カンナ&ゆうな  作者: Toy
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29/48

vol.25(3)

おんぼろママチャリ、ゆうなはカンナの後ろに横座り

ゆうなはカンナの腰に腕を巻かせて身を任せ、それだけで気分は踊り、

カンナはゆうなの腕を腰に巻かれて身を任され、それだけで上機嫌。

タイヤの空気は足りないけれど、ふたりの心が存分弾んでいた。

ゆるく続く下り坂

カンナは足を広げて、右に左にくねくね運転

ゆうなはカンナのくねくねリズムに、素足のサンダルをぶらりぶらり合わせると

浴衣の裾がそよそようれしそうに笑って見せた。


住宅街を抜け、土手に上がると、

河を渡ってきた涼風が、カンナの脇をすり抜け、ゆうなの衿を舞いすぎる。

<夏に頂点があるとしたら、今年のてっぺんはきっとここなんだぁ>

まだ夏は終わっていないのに、ふたりはそんなに感じていた。


話し少なく、ふたりはふたりのカプセル空間に今宵に酔い痴れている。

ビッピー 後ろから単車の警笛

単車がふたりの横に並び、

「止まりなさい。」

<ヤバっ! おまわりさんだぁ>

カンナの心の叫びに、ゆうなは腰の腕をキュッと締めて応える。

「わかってるね、おふたりさん。二人乗りは禁止だよ。」

と、おまわりさんはにっこり、二人が自転車から降りるを促した。

ドンッドドン、ばちばちばち

花火の炸裂する音、それに弾ける音

「こんなにきれいなんだから、歩いて見ないと見損なっちゃうよ。」

ふたり揃えて、子供がお母さんに怒られたときのように、 「は~い。」

おまわりさんは頷き、ゆっくり単車を発進させながらひと言、

「浴衣にサンダル・・・けっこう、それもありかもね。」

ふたりはその後ろ姿に、なぜか親しみとカッコよさを覚え、クスっとなった。

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