vol.19
見上げれば、青天を間欠雲が足早にスクロールしていく。
朝の透き通った青と白のコントラストが、瞳いっぱいに透過して、
網膜の隅々までに映り込む。
その枠を持たない立体３Ｄは、じっとしているはずのゆうな自身が
まるでエスカレータに乗り動いているのかような錯覚を覚えさせるほどであった。
わたしは、夢追い人
かごの中の小鳥といっしょ
手の届く限られた世界の中でしか生きることができない
目に届く限られた光りの世界の住人
煩わしいことは、ぜ～んぶ放棄
学校・部活・テストに友達、ついでにファーストフードや漫画まで。
不満もストレスも、刺激さえも前に住む世界に置いてきちゃった
だから、わたしはここにいる
わたしが今臨んだ世界
あとは深く奥に締まった不安さえを忘れられれば・・
今のわたしは、夢追い人
ネットの中の仮想生活とおんなじ
好きな自分になりすまし、好きに任せて夢を見て、誰にもとがめられない世界
そこには平穏があり、安らぎを求めることができる
いやなことは無視しちゃえばいい隠れ家
ちょっと違うのは、わたしの場合、それが仮想世界じゃない
・・現実っていうだけ
それって寂しすぎない？ 神様
だから、わたしは知らず気づかずのフリをしているのかも
わたしは好んで夢追い人になりにいく
わたしの奥に潜むどうしても陽の届かない影を忘れるために。
早く大人になりたいです
好きなことがいっぱいできるはず
だって、大人になれば、わたしを抑える大人がいなくなる
すると、自分のお金も時間も好きに使えばいいじゃない
前に学校の先生が言ってたっけ・・
自由な時間もお金もなくなるから、学生の頃が一番いいって
それっておかしくない？
あなたは大人なんでしょ、あなたを抑える大人はいないはず
今のあなたに好きな自由がないのなら、それがあなたの選んだ世界
わたしはけっしてそうはならない
わたしは今は夢追い人
今週は、夢に生きるめっちゃ女のコ
偶然の出会いって信じますか
運命って信じますか
それって、映画やドラマの話しでしょ・・
わかっている、そんなことくらい
でも私は信じます
ないよりあった方が絶対、人生１００倍素敵じゃないっ
たった一度の偶然の運命を信じて・・
わたしが今できること
【わたしは夢追い人】
満ち足りたかごの中より、空腹でも空をはばたく鳥になりたい
いつの日かきっと
あの雲の向こうにまで突っ切っていきたい
誰が私を迎えにきてください
