十四話
更新が遅れて申し訳ありません。
闇の中。
蝋燭の灯り。
暗い部屋。
「ふむ。興味深い話です。あなたの人生はとても波乱万丈で、ドラマチックだ」
「楽しい物じゃなかったが……」
「そうですか。でも、私は楽しかった。ですが、もう終わりにしましょう。あなたという人間の事が、『ある程度』解ってきました」
そう言うと、男は蝋燭の灯る燭台を取った。
それをゆっくりと、不動の方へ向ける。
蝋燭の灯りが、不動の姿を浮かび上がらせる。
あらわになった彼は椅子に座らされた状態で、背もたれの後ろへ回された両手に手枷を付けられていた。
その目は焦点を結ばず、しかしかすかながらに意思の光を宿していた。
「あなたは今、私の事をどう思っています?」
「召喚者……。殺すべき人間」
「はい。そうですね」
弱弱しくも、殺意を含んだ言葉。
しかしそれを受けても男は恐れを抱いた様子を見せなかった。
落ち着き払った様子で返す。
「でも、気持ちだけでは何もできません。……あなたは魔法の対策はなさっていたようですが、薬物と催眠術の対策はしていなかった。だから今、あなたはこうしている」
今の不動は、彼の手によって自由な意思を奪われていた。
「今のあなたにできる事は、私の言葉に答える事だけ。さぁ、続きを話してください。もう少しで、あなたの診断書は完成する」
トーマスの体は、一振りの剣によって左胸を貫かれていた。
しかし、彼の傷はそれだけでなく、全身に切り傷があった。
服の所々が切り裂かれ、血の赤がまばらにシャツを染めている。
そして、彼からは右腕が消えていた。
赤々と染まっていて傷口は判然としないが、まるで無理やり引き千切られた物のように思えた。
何なんだろう。
これは……。
どうして、トーマスが……。
「お父さん!」
思考の沼へ陥った僕を現実へ引き戻したのは、彼女の叫びだった。
その声に、トーマスが気付く。
こちらに、力なく顔を向けた。
血の気の失せた顔は、苦痛に歪んでいる。
そして、その口元がかすかに動く。
頼むよ……。
声はなかった。
けれど、そう言ったように思えた。
剣が抜かれると、トーマスの体がその場で倒れた。
ピクリとも動かなくなる。
「お父さん、嘘よ……。そんなの……」
顔を引きつらせたキャロルが、膝を折る。
座り込んでしまった。
僕は、剣へ手をかける。
危機は去っていない。
トーマスの体から剣が引き抜かれたならば、その剣は確かに誰かが手にした物なのだろう。
しかし、僕達の居る場所からそれが誰なのか、馬車の陰になっていて見えなかった。
敵はいる。
それが何かわからないが、自分達を害そうとする何かは確かに存在する。
キャロルは動けそうにない。
なら、僕が何とかしなくちゃならない。
頼まれたんだ。
なら、僕はそれに応える!
剣を抜き放った。
自分の剣の腕は未熟だけれど、この亮二の剣ならばそれを補ってくれるかもしれない。
僕一人では無理でも、この剣があれば今度こそ彼女を守れるかもしれない。
相手が誰であろうと……。
そう、自分に言い聞かせ、戦いから逃げ出したいという気持ちを押さえ込む。
トーマスを殺した剣の使い手が、ゆっくりと馬車の陰より歩み出た。
「え?」
それは、幼い少女の姿をしていた。
トーマスが助けた、あの少女だ。
彼女は剣を持っていた。
それも右手で……。
失われていたはずの右手が、今の彼女にはあった。
しかしその右腕は、彼女の身長に比べてあまりにも長かった。
右手だけが、異質だった。
異常に長く、体のバランスを崩している。
異様な風体であった。
軽い眩暈、混乱……。
あまりにも不可思議な光景。
どうして、あの子が……。
彼女が、トーマスを殺したというのか……。
「ちっ、見られちまったか……。本当は、気付かれない内に殺っちまうつもりだったのに」
彼女の見た目どおりに幼く高い声が、粗野な言葉で言い放つ。
「ちょっと時間をかけすぎたな。こいつがしぶとかったせいだ」
そう言うと、少女は足元に転がるトーマスを足蹴にした。
その光景に憤りを感じる。
「何をする!」
思わず叫んだ。
切っ先を向けるように、剣を構え直す。
「俺は少し前、化け物に襲われてなぁ。酷い怪我で痛くて堪らなかったから、てっとり早く治したかったんだ。こういう風に……」
しかし、少女は動じた様子もなくそう答えた。
その言葉の意味を理解しかねる。
が、その疑問にもすぐに答えが出た。
少女は答えると、次の瞬間……。
トーマスの体、それを構成する肉が流体のように蠢いた。
その肉は、トーマスを足蹴にした少女の足から体へと這い上がって行く。
とてもグロテスクな光景だった。
肉の移動したトーマスの体は皮膚を失い、骨の白と赤黒い肉だけへと変じ、そして少女の体は……。
「便利な能力だろう?」
そう訊ねた少女……いや、もう少女ではない。
彼の声は、聞き慣れた男の物だ。
少女の姿は、トーマスと同じ物になっていた。
崩れていた左右の腕、そのバランスが釣り合う。
同じ長さになった、という事は、あの右腕は……。
「俺は、攻撃した物から何かを盗み取る事のできる能力者なのさ」
能力……。
じゃあ、こいつは召喚者……!
「しかし、良い物が手に入ったもんだ」
そう言って、召喚者は笑う。
「こいつの剣術スキルはランクBだ。チート系の召喚者でもなければまずお目にかかれない高ランクスキルだ。そして、その領域にある奴が相手じゃ、まず盗む事ができない物だ。それがこんな所で手に入るなんて、運が良いぜ」
盗み取る能力。
つまり、トーマスのスキルを盗んだという事か。
そして、その体……姿すらも……。
もしかしたら、最初の少女の姿すら、盗んだ物なのか。
「まぁ、スキルが高くても利き腕を無くしちまえば意味はねぇけどな。だから、最初に奪ってやった」
じゃあ、あの右腕はやはりトーマスの物だったのか。
こいつは最初に、トーマスから右腕を奪ったのだ。
「……どうして、殺した?」
僕は問いかける。
召喚者は怪訝な顔をする。
「今言っただろ?」
「どうしてそんな事ができる! トーマスさんはお前を助けようとしていたんだぞ!」
トーマスはこの人を助けようとしていた。
だというのに……。
そんな相手に、どうしてそんな仕打ちができるんだ……!
「手当てを受けるより、新しい体をいただいた方が手っ取り早いだろ。俺は効率重視なんだ。こいつだって――」
肉塊を踏みにじりながら、続ける。
「俺を助けようとしたんだ。助けになってるなら、本望だろ?」
そんな……。
人を人として見ていないような考えで……。
「さてと、じゃあ次はお前達の番だ」
召喚者は僕へ剣を向ける。
「こんなおっさんより、お前の姿の方が俺は好みだ。だから、お前の体を頂戴する。まぁ、その前に、久しぶりの感触だ。楽しみたい」
そう言って、召喚者は自分の股間を握った。
「この体はその娘の父親だろう? その姿でするのは、背徳的で楽しそうだ」
そう言って、召喚者は舌なめずりをした。
召喚者はトーマスの姿をしている。
そんな姿で、顔で……。
そんな事を言うなんて!
こいつは許せない。
でも、気持ちだけじゃどうにもならない。
力がなければ……。
自分にこいつを倒すだけの力があるか?
こいつからキャロルを守れるだけの力が僕にあるか?
いや、ある。
間違いなく、それだけの実力がある。
僕には、殺せる……!
人を殺せる……!
あいつに勝つ事ができる……!
自分に言い聞かせる。
自分にはそれができるのだ、と。
「一丁前に、殺気を飛ばしやがって。そういうのも俺には感じられるんだぜ? 気配を察知するスキルがあるからな。そんなに殺したいか? この俺を」
召喚者は嘲笑し、僕へ訊ねた。
僕はそれに答えない。
……僕に奴を倒すためのチャンスがあるとすれば最初の一撃だろう。
その一撃を当てられるかどうか、それで決まる。
相手がトーマスの剣の腕を盗んだのなら、絶対に勝てない。
しかし、トーマスとあの召喚者では決定的に違う部分がある。
それは、この剣の存在を知らないという事だ。
殺気を看破できたとしても、この剣までは知りえない……。
「無駄だ。お前より俺の方が強い。抵抗しなけりゃ、楽に殺してやるぞ?」
そんな事を言う召喚者に向けて、僕は駆け寄った。
そうしつつ、ナイフを投擲する。
しかし、召喚者は難なくそれを避けた。
でもそれは、予想していた事だ。
構わずに僕は突撃する。
ナイフを避けたなら、少しばかり体勢が崩れる。
そこへ間髪入れずの一撃を加えたならば、一番効率的な防御手段は剣での防御になる可能性が高い。
剣を振り上げ、まっすぐに切り下ろす。
基本的な動作。
何の意図も企みも感じられない、シンプルな一撃。
召喚者はそれを剣で防ごうとする。
その表情は余裕に満ちている。
そして同時に、僕は勝利を確信した。
相手の剣のみねに、僕の剣が到達する。
その瞬間、僕の剣がスルリと相手の剣をすり抜けた。
いや、実際にはすり抜けたのではなく、相手の剣を切り裂いたのだ。
斬った僕ですら何の抵抗も感じられないほど、あっさりと。
亮二の剣は相手が防御のために掲げた剣を容易く切り裂き、そして……。
「はぁ?」
不可解そうな声。
それは召喚者の口から漏れた物だった。
思いがけない光景に驚きの声を上げると、後方へ退こうとする。
しかし、もう遅い。
完全にかわす事のできないタイミングだ。
振り下ろした刃が、肩から胸の近くにかけて通過した。
次の瞬間、召喚者の肩口から派手な血飛沫が上がった。
傷口は深い。
しかし、絶命には至っていない。
「ぐあぁ!」
召喚者は悲鳴を上げる。
「何をしたぁ! テメェ!」
怒りに彩られた声を放ち、召喚者は僕を睨みつける。
僕は焦りを覚えながらも、それが表情に出ないよう努めた。
今の一撃で殺せなかったのはまずい。
思った以上に、反応が速かった。
致命傷を避けられてしまった。
「悪いけれど、僕だって召喚者だ」
内心の焦りを悟らせないよう、僕は努めて平静を装って彼に答える。
僕に能力などない。
けれど、こう言えば今の一撃が僕の能力だと誤解するかもしれない。
警戒し、ここで戦う事が得策ではないと判断して逃げるかもしれない。
そんな一縷の望みをかけて、僕はハッタリめいた言葉を告げた。
これが今僕にできる、最善の戦略だ。
そして、それ以上の事はできない。
一撃で仕留められなかった以上、もはや相手に油断はない。
さらに戦いが継続した場合、きっと負けるのは僕の方だ。
「次は、外さない……!」
そう低い声で言いつつ、内心では「これで逃げてくれ」と強く願う。
「何だとぉ……!? くそがぁ……」
怒りの表情を見せる召喚者。
しかし、その表情が次第に悔しさへと変わるのが見て取れた。
「くそぉっ!」
最後に一言叫ぶと、召喚者は手を地面へかざした。
次の瞬間、その手から白煙が上がる。
警戒して、僕は距離を取る。
キャロルのそばへ行き、背中に彼女を庇った。
それからしばらくして白煙が晴れると、そこに召喚者の姿はなかった。
賭けに、勝った、か……。
召喚者は、逃げた。
もう、安心だ……。
そう思うと、同時に酷く疲れている自分に気付いた。
体が重い。
精神的な疲れもあるだろう。
軽い眠気も覚える。
そうなると少し、心に余裕ができた。
その余裕に付け込んで、悔恨の思いが心へ忍び寄ってくる。
僕は、トーマスを助ける事ができなかった。
襲われた時に、トーマスだけじゃなく僕も一緒にいれば……。
もしかしたら彼が死ぬ事などなかったかもしれない。
そう思うと、悔しくてならない。
……でも、今回はキャロルを守れた。
それだけは、よかった。
それだけは……。
僕は、キャロルの方を振り返った。
「何なの、これ……? 嘘でしょ……?」
呆然とした様子で、呟いたキャロル。
その目の焦点は合わず、どこを見ているのかすらわからない。
彼女は僕に歩み寄る。
いや、そのまま僕のそばを通り過ぎ、地面に転がる肉塊へと近づいた。
それを目前に、彼女はへたり込む。
かつて、トーマスだった物。
それは大人一人分にしては、あまりにも小さかった。
その大半が、あの召喚者に奪われたからなのだろう。
「お父さん……」
彼女は肉塊を父と呼び、それを掻き抱いた。
服が血で汚れる事も厭わず、大事そうにそれを抱きしめる。
「うう……」
嗚咽が彼女の口から漏れる。
かすかなそれが、次第に大きな泣き声に変わっていく。
見ていられなかった。
聞いていられなかった。
それでも僕は、彼女から目を背けられなかった。
耳を塞ぐ事もできなかった。
してはならなかった。
彼女の心は傷ついていた。
目に見える形でそれがわかるほど、強い嘆きが彼女を苛んでいた。
命が助かれば、無事というわけじゃない……。
キャロルは、心を殺されたんだ。
守れたなんて、おこがましい。
僕は結局、彼女を守る事ができなかったんだ。
彼女は、トーマスのそばから離れようとしなかった。
泣き続け、泣き疲れて眠るまで、僕はその様子を見ている事しかできなかった。
眠る彼女はトーマスを抱きしめ続けていた。
僕はそれを取り上げようとしたけれど、彼女のそれを掴む手はあまりにも強かった。
誰にも渡すまいとするように、強く……。
強く持ち続けていた。
それでも無理やりに、僕はそれを取り上げた。
彼女を馬車の中へ……。
トーマスのベッドへ横たわらせた。
それから外に出て穴を掘り、トーマスを埋葬する。
墓標を何にするか考え、彼が使っていた剣を使おうと思った。
けれど、それを使うと誰かに盗まれてしまうかもしれない。
そう思ってやめた。
だから白く丸い、見栄えの良い手ごろな石を探して、それを墓標にした。
でき上がったばかりの墓で彼の冥福を祈る頃には、もう日が暮れていた。
後ろから音がする。
見ると、キャロルが馬車から出てくる所だった。
「お父さんは……?」
力なく、かすれた声でキャロルは訊ねる。
「埋葬した……」
答えると、キャロルは粗末な墓を一瞥する。
「……そう。……ありがとう」
彼女は礼を言う。
その声はあまりにもか細く、力がなかった。
昼間に見せた激情が嘘のように弱弱しかった。
僕は彼女の方へ向かう。
「着替えて、休んだ方がいい」
彼女の肩を抱き、そう勧める。
彼女の服は、血で汚れていた。
トーマスの血だ。
僕の身体も、土と血で汚れている。
「……うん」
彼女は素直に従い、馬車の中へ戻った。
日が暮れる。
ベッドで眠る気にはなれなかった。
そもそも眠る事ができなかった。
また、あの召喚者が来るかもしれない。
そう思うと、ゆっくり休む気になれない。
だから馬車の灯りを点したまま、僕は座った体勢で剣を抱えながら休む事にした。
彼女はその間、僕から離れようとしなかった。
僕に身を寄せて、僕と同じように座って休んでいた。
僕が一緒にいる。
だから大丈夫だ。
その些細な慰めすら、僕は口にできなかった。
そんな言葉が、何の慰めになるだろう……。
僕が居た所で、彼女の心を癒せるわけはない。
僕はトーマスじゃない。
彼女が一番に信頼した父親ではないし、彼女を守れるだけの力を持っているわけでもない。
だから僕は、彼女に何も言えなかった。
夜が明けると、僕とキャロルは馬車を走らせて町へ向かった。
次の興行を予定していた町だ。
今更、興行を行おうという気はない。
ただ、こんな場所に居続けるよりも安全だろうという気持ちからだ。
彼女はあれからずっとぼんやりしている。
あの時に全ての感情を吐き出し、失ってしまったかのように彼女からはあらゆる感動が失せていた。
町へ着き、馬車で公園に滞在する許可を得る。
いつもトーマスがやっていた事だ。
許可を取る事は初めてだったが、彼の手続きを見ていたから戸惑う事無く許可を得る事ができた。
大通りを通って、公園へ馬車を向かわせる。
公園の片隅で、停車する。
御者台を離れた僕は、キャロルの部屋へ向かった。
彼女は床に座っていた。
部屋の角で、壁を背もたれにして。
僕が部屋に入っても、彼女は反応しなかった。
ぼんやりと、視線をどこかへ彷徨わせている。
「……これから、どうしようか?」
彼女の様子に躊躇いつつ、僕は訊ねた。
その声に反応して、キャロルは僕へ目を向けた。
「……わからない」
これから何をするか。
それを決めるのは、いつもトーマスだった。
彼の不在で僕達は目的を失った。
僕よりも彼のそばに長くいたキャロルなら、何か案を出す事ができるかもしれない。
けれど、今の彼女は心が弱っている。
たとえ彼女に指針を示す力が備わっていたとしても、今は無理だろう。
僕にも無理だ。
とりあえず、安全を求めて町に着た。
でも、それ以上の事は何もできない。
何をしていいのかわからない。
僕は、部屋へ戻ろうとする。
「待って……」
声をかけられ、振り返る。
彼女は僕に、手を伸ばしていた。
「一緒にいて……」
弱弱しく、懇願するような声。
僕はその声に従った。
彼女の隣に座る。
肩を寄せた。
疲れていたのだろう。
安全が確保できて、緊張の糸が切れたんだ。
僕は、眠気に抗えなくなった。
思えば、あれから眠っていない……。
今井 幸也
能力『強奪』
日本人の召喚者。
日本ではスリの常習犯だった。
召喚されて能力者になってからは、異世界で能力を駆使して盗賊団の頭目をしていた。
能力は、盗みに関する技能を高め、かつダメージを与えた物を盗むというもの。
生者が対象の場合はダメージを与えた部分に宿る一部しか盗めないが、死者が対象である場合は全てを盗む事ができる。
盗める対象は、相手の所持品から魔法やスキルまで多彩。
ただし、相手が召喚者の場合、神からの加護である特殊能力は盗めない。
そのため、チート能力者のスキルは奪えても、パラメータなどは奪えない。
盗賊団の頭目として悪事を働いていた彼だったが、根城にしていた砦を何者かに襲撃される。
その何者かには一切の攻撃が効かず、ダメージを与えられなかったために何も盗む事ができなかった。
手下は皆殺しに合い、自身も大怪我を負いながら逃げる事しかできなかった。
そして、マークス一座に拾われる事となったのである。
ちなみに、この世界のスキルはレベル表記であったり、ランク表記であったり、安定していない。
トーマスの持つ剣術スキルは、たまたまランク表記だった。